こんな仕打ち許せるわけありません。死に戻り令嬢は婚約破棄を所望する

はなまる

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71みんなで力を合わせて

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 私とネイト様は王都の神殿に着いた。すぐにシュナウト殿下も来た。

 「まずは王都の神宿石です」

 「ああ、急ごう」

 「もし王都の神宿石も黒くなっていたら‥」

 王都の神宿石は神殿の裏手の丘の上にある。神殿が王宮のそばにあるためだ。

 王宮も街から少し上がった高台にある。


 「良かった。ここの神宿石は黒くなってない」私はほっと息をついた。

 「ああ、リンローズの話だと4神は人間に愛想をつかしたけど、ガイアン神はそうは思ってないみたいだ。それにまだ4神の反乱の事も知らないのかも」

 シュナウト殿下がほっとしたように言う。

 「だが、そんなのは時間の問題だろう」


 そこにセダ神官が走って来た。

 「やはりここでしたか」

 「どうしたんです?」

 「はい、たった今、テトとシバが転移してきましてラセッタ辺境伯に急ぎお会いしたいそうです」

 「何があった?」ネイト様が急いで聞いた。

 「西は地震があったそうでかなりの被害だろうと言う事です」

 「テトに話を聞く」ネイト様は急いで神殿に戻る。

 私とシュナウト殿下も後を追う。

 その間にセダ神官に私がきいた神の話を教えた。

 セダ神官も驚いている。

 「大変だ。私は王宮にいる東と南の辺境伯に連絡を取る。リンローズはラセッタ辺境伯に伝えてくれ」と言って走り去った。

 私はそのままネイト様について行く。


 「テト!大丈夫なのか?」

 「ラセッタ辺境伯。お会いできてよかった。実は夜中に大きな地震がありました。神殿より南寄りの村に被害が出ています。あの近くには要所の魔石があります。きっと地震で被害が出ていると思われます。騎士隊長たちが夜が明けてすぐに応援に駆け付けていますが、まだ連絡はとれていません。それに今も揺れが続いています」

 「そうか。知らせてくれてありがとう。俺もすぐにでも駆け付けたいが今一番やるべき事があるんだ」

 私も一緒に話を聞く。大変。もうすでに被害が広がっている。

 テト様もすぐに帰ってほしいと思っているだろうけど。

 「ですが、辺境伯が帰って頂かないと‥」

 「ああ、だが先に神宿石を何とかしなくてはならないんだ。そうだ!神宿石はどうだ?黒くなっていないか?」

 「そ、それは、すみません。はっきり見ていません。夜中の地震でそんなことまで気が回らなくて」

 「いいんだ。無理もない。そうだ。テト。王都に東と南の神官を連れてきてくれないか。みんなに重要な話がある」

 ネイト様は深刻な顔でそう言った。


 *~*~*


 しばらくして東西南北すべての神殿の神官が集まった。聖女様達も集まる。

 ネイト様はそれぞれの状況を聞く。

 北は大雨が降っている。ポトスは源の神。水の神でもある。このまま行けば洪水が起きるだろう。

 東はすでに熱波に襲われている。ぺリウスは太陽の神だ。

 南は神殿の大きな大木が倒れた。そのせいで神宿石が倒れた。今はその事で大騒ぎになっている。領民は恐れてあちこちで暴動が起き始めているらしい。

 西は地震で大事。それに今も揺れが続いている。

 
 「みんな落ち着いて聞いてくれ、ここにいる聖女リンローズは北の神宿石に触れて神の声を聞いた。神は最近の人間の行いにひどく怒っている。神宿石の奉納もおろそかにし嘘や騙し憎しみあいなどにも悲観して人間を見限ろうと思っているらしい」

 「「「「そんな!どうすればいいんです」」」」神官は動揺する。

 「俺達4辺境伯は国王代理に降りてもらいドーナン殿下に王位についてもらうつもりだ。ブルトの悪どいやり方を正して元の正しい王政に戻すつもりだ。そして神宿石も新しいものを早急に神殿に奉納する。だからそれまで何とかみんなの力を貸してくれ。それぞれ領地に帰って側近や騎士隊にそう伝えて欲しい。俺は今からシュナウト殿下と王宮向かう」

 「わかりました。何とかやってみます」

 「ああ、何としても神に怒りを鎮めてもらわなければ‥幸いこの神殿の神宿石はまだ無事だった。ガイアン大神は私達を見捨ててはいらっしゃらないはず。だからみんなで力を合わせよう!」

 「「「「「「」はいっ!」」」」」

 4神官。ネイト様。シュナウト殿下。私。ヒルダ様達聖女も。

 全員が心を一つにした。



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