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37最後の最後で!
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「何があった?」
駆け込んできたのはジェスだ。その後ろからセリーシアが飛び込んで来る。
「これは…どういう事?」
ふたりが声を上げた瞬間。
青竜と赤竜がふたりの身体を離れスゥ~と青白い月光に吸い込まれて行った。
途端!リリーシェの身体ががくんとユーリの上に崩れ落ちる。
「リリーシェ!ユーリ!」
「ジェス。ユーリは?ユーリは無事?」
まだふたりの意識はない。
そこに竜が現れた。
銀色の鱗で全身覆われた竜はいかにもと言うようないかつい顔をしてジェスとセリーシア。そして護衛の前で空中を漂う。
そしていきなり言葉を発した。
【我は竜神。この国の始まりと言われている。実はなぁ…私の元にはローズとルクシオと言うものが仕えているんだが。そのルクシオの身体に4年前異変が起こった。要するに魂が囚われて動けなくなったんだ。そしてつい先日はローズまでも同じようになってしまった。俺は大抵の事はどうにでもするんだが、この二人についてはレックスと言うものの起こしたばかな呪いのせいで、まじ、あいつ怒りに任せてやがって!絡みに絡んだ呪いの呪縛がどうにも面倒な事になっててな。思うにきっと4年前ユーリにかかった呪いがルクシオに移ったんだろう。そして今回リリーシェが目覚めた時にローズに呪いが移ったと思うんだが…】
ジェスは竜神の話を聞きながら何てざっくばらんな神だ。と思ってしまうがもしかしたらふたりをどうにかされるのではないかとたまらず声をかけてしまう。
「あの、それで竜神様はどうしてここに?もしかしてふたりをあちらの世界に連れて行く気ではないですよね?」
聞いた後でしまったと思ったが、もしふたりを連れて行く気ならどんな事をしても止める気持ちもあった。
ジェスは何かあった時のためにと足元に力を入れて踏ん張る。
すぐに竜神の返事が返って来た。
【ああ、よく聞いてくれた。もちろんそんな気はない。それでだな。俺もどうしたものかと思案していたらリリーシェが竜の涙を取りに来た。このふたりがレックスの呪いにかかっていることはわかっていた。リリーシェが心底からこの男を救おうとしていることもな。リリーシェが俺の涙とローズやルクシオの涙を混ぜた事で変化が起きた。ローズとルクシオの呪縛が解け始めたんだ。俺はすぐにこちらの世界を覗いた。そしたらまだユーリは意識がなくリリーシェは必死で命を分け与えている所だった。安心しろ。もう大丈夫だ。どうしてもわからなかった呪いにほころびが生まれた。こうなれば俺の力で一気に呪いを消し去ることが出来る。だからふたりの呪縛は俺がきれいさっぱり取り去った。心配ない。ふたりはすぐに目覚める。あっ、俺からも礼を言うぞ。どうやらリリーシェは見所がある竜人になりそうだぞ。おっと、ローズとルクシオもすぐに元に戻りそうだ。ユーリとリリーシェの揺るぎない愛に祝福を。そしてこのリスロート帝国に幸あらん事を…さらばだ!】
その最後の声がジェスとセリーシアと護衛の耳殻の奥に響いたと思った瞬間竜神様はたちどころに消え去っていた。
「「「竜神様が…ふたりを…助けてくれた…」」」
三人はボー然としていたが、ふっと気づいたジェスがユーリを呼ぶ。
「おい、ユーリ!聞こえるか?」
「リリーシェしっかりして!」セリーシアがリリーシェを呼ぶ。
「なんだよ。うるさいなぁ。父上?うっ、重い。なんでリリーシェが俺の上にいるんだ?」
まず気づいたのはユーリだった。
「ユーリ?気分はどうだ?」
「そんな事よりどうしてリリーシェが?おい、リリーシェしっかりしろ!」
ユーリの声に反応してリリーシェが目を開けた。
「ユーリ?わたし…あっ、目が覚めたの?ユーリ良かった。私もうどうしようかと…」
「そうか。リリーシェを助けようとして俺は倒れたんだったな。じゃあ、今度はリリーシェが俺を助けて?」
ユーリはリリーシェの背中に腕を回すとゆっくり反転する。
「しかしリリーシェ。何とも色っぽい姿だな…目が覚めた途端目の毒だ」
「なっ、だって仕方がなかったんだから。ユーリを助けようと…」
「わかってる。ありがとうリリーシェ」
ユーリはたまらないようにリリーシェに唇を寄せると食むようにリリーシェの唇に吸い付く。
「うぅん。はぁ~ん」
「ふたりとも…その…気分はどうなんだ?」
ジェスが気まずそうにふたりの様子を見つめる。
ふたりで起き上がってベッドにふたりが座る。
「ああ、大丈夫そうだ」「私も…少し頭痛がするくらいで」
「良かったわ~ふたりの意識がない間に凄いことが起きたのよ。竜神様が現れたの。何でもローズとルクシオもあっちの世界で呪いにかかったんですって、それをリリーシェが助けたらしいの。だからふたりを助けてくれたのよ。もう、ほんとにリリーシェったらすごいわ」
セリーシアの話は飛び過ぎてさっぱりわからない。
「待って母上、何に事かさっぱりわからないよ」
「とにかくリリーシェがローズとルクシオを救って竜神様が呪いを解いてくれたんだ。そのおかげでお前たちは今無事でいるって事だ」
「リリーシェすごいじゃないか」
「そんな、私は出来そうなことをしただけで…あっそうだ。リオン殿下がヒントをくれたんです。今夜は聖夜だって思い出させてくれてそれで私竜神様の涙を取りに言ったんですよ」
リリーシェはいきなりすごいと褒められ謙遜する。
(日本人ってこんな時素直じゃないのよね)
「そうか、ではピュアリータ国にも少し加護を分けてやらんとならんな。何しろ竜神様がこの国に加護をくれたんだ。これも全部リリーシェのおかげだ」
「ええ、そうしていただければリオン殿下の立つ背もあるでしょうし…私を連れ戻すなんて言わないでしょうから」
「リリーシェ?もしかしてピュアリータ国に戻る気だったのか?」
いきなり氷のような視線を突きつけるユーリ。
「まさか、ユーリ私は思い出したのよ。あなたと私は番だって。もう絶対離れたりしないわよ。覚悟してね」
氷塊だった紺碧色の瞳は一気にリリーシェの緋色の瞳に溶かされる。
「リリーシェ…俺の唯一。二度と離さない」
「もちろんよユーリ」
ユーリはかぶりつくような口づけをリリーシェに落とす。何度も何度も唇を奪い、その味を香りを身体中で味わい尽くす。
「ユーリ。おい!今は抑えろ。ああ、わかってるさ。番と交わりたい気持ちは…」
ジェスがユーリの身体をぐっとつかんでリリーシェから引き離す。
「父上!母上も出て行って下さい。俺達は今から蜜月なんですから!」
「ジェス、無理よ。私達は大人しく出て行きましょう。ユーリ食事を持って来させるわ。リリーシェと一緒に食べなさい。番の求愛行動は給餌からでしょう?」
「さすが母上。そうですね。まずは食事ですね。リリーシェお腹空いた?」
「はい、とっても」
「そうか。俺としたことがすまん。すぐにキッチンに行って来る!」
ユーリは素早い行動で部屋を後にする。
「リリーシェ愛してる」
「ユーリ愛してるわ」
それからリリーシェはユーリからたっぷり甘やかせれる。
給餌が終われば我慢できないとばかりにユーリが口づけをして来た。
その後はユーリの押し倒されてリリーシェの知らない世界が広がった。
初めて知る愛撫に羞恥に震えるながら、前世の小坂未来の記憶が助けになって必死にユーリにしがみ付く。
「リリーシェ…可愛い。どこもかしこも甘くて‥ああ~リリーシェ…愛してる」
「はぁぁ‥ゆぅりぃ~…わたしもぉぉ」
甘いささやきを受けながら初めての青い蕾を散らされる。
痛みに声も出せず無理やり息を吐いているとユーリも初めてだと聞かされ痛みも忘れてユーリにしがみ付く。
何度も深く激しく求められ奥深くまで繋がる。
それからは狂おしいほどの歓喜と甘美が押し寄せた。
リリーシェは思う。
まるで嵐の中を漂う小舟のよう。でも、決して不安も恐れも感じない。
ユーリがそばにいれば何があっても大丈夫。どこからそんな安心感が湧いて来るのかわからない。
でも、ふたりの身体が繋がるたびにその気持ちは深く強くなって行くみたい。
「リリーシェ」
「ユーリ」
互いの名を呼べば胸の奥は疼いて熱く満たされて行き、果てには徒労してふたり抱き合い眠りに落ちた。
それは聖夜と言う夜にふさわしい時間だった。
夜明け、薄明かりに見えるユーリの寝顔にリリーシェは、体中の痛みと気だるさにどうしようもない幸せを感じた。
「ユーリ。私たちやっと一緒にいられるんだね」
忘れていた4年間。番なんて絶対に信じないと思っていた頃が何ともおかしい。
再会して呪いが降りかかって来て…
ほんの数日の事がすごく長い時間に思えた。
でも、それもやっと終わり。
そう、これからはユーリとずっと一緒にいられる。
リリーシェは気だるさの中に初めて安堵を覚えてもう一度ユーリの胸に頬を摺り寄せるとまた眠りについた。
「うぅん‥りり…しぇぇ…むにゃむにゃ」
ユーリは無意識にリリーシェを抱き込み寝言でリリーシェの名を呼んだ。
リリーシェの心は幸せで満たされた。
そうやって数週間ふたりは甘い甘い蜜月を過ごした。
それが終わるとリリーシェは宝石彫刻師として仕事をこなし<Rジュエリー>と言う工房を立ち上げる。
自分の知っている技術は訳はだてなくみんなに教えてリスロート帝国はますます栄えたのは言うまでもない。
追記~
リリーシェが持っていたと思われた精霊のギフトはもともと持っていた竜力だった。
リリーシェはユーリと結ばれた事によって竜人として覚醒を遂げ生涯をユーリと共に幸せに過ごした。
ふたりの間には双子の男の子が産まれその片割れがのちにリスロート帝国の竜帝となることはまだ先の話だった。
~おわり~
後書き
今回もたくさんの方に読んでいただき本当にありがとうございました。取りあえず今回はこの辺りで。いつも後になってもう少しこうすればよかったかな?など思い至ることも多くありますが、また次回に向けて頑張りたいと思っています。また次の作品でお目にかかれることを願って…ありがとうございました。はなまる
駆け込んできたのはジェスだ。その後ろからセリーシアが飛び込んで来る。
「これは…どういう事?」
ふたりが声を上げた瞬間。
青竜と赤竜がふたりの身体を離れスゥ~と青白い月光に吸い込まれて行った。
途端!リリーシェの身体ががくんとユーリの上に崩れ落ちる。
「リリーシェ!ユーリ!」
「ジェス。ユーリは?ユーリは無事?」
まだふたりの意識はない。
そこに竜が現れた。
銀色の鱗で全身覆われた竜はいかにもと言うようないかつい顔をしてジェスとセリーシア。そして護衛の前で空中を漂う。
そしていきなり言葉を発した。
【我は竜神。この国の始まりと言われている。実はなぁ…私の元にはローズとルクシオと言うものが仕えているんだが。そのルクシオの身体に4年前異変が起こった。要するに魂が囚われて動けなくなったんだ。そしてつい先日はローズまでも同じようになってしまった。俺は大抵の事はどうにでもするんだが、この二人についてはレックスと言うものの起こしたばかな呪いのせいで、まじ、あいつ怒りに任せてやがって!絡みに絡んだ呪いの呪縛がどうにも面倒な事になっててな。思うにきっと4年前ユーリにかかった呪いがルクシオに移ったんだろう。そして今回リリーシェが目覚めた時にローズに呪いが移ったと思うんだが…】
ジェスは竜神の話を聞きながら何てざっくばらんな神だ。と思ってしまうがもしかしたらふたりをどうにかされるのではないかとたまらず声をかけてしまう。
「あの、それで竜神様はどうしてここに?もしかしてふたりをあちらの世界に連れて行く気ではないですよね?」
聞いた後でしまったと思ったが、もしふたりを連れて行く気ならどんな事をしても止める気持ちもあった。
ジェスは何かあった時のためにと足元に力を入れて踏ん張る。
すぐに竜神の返事が返って来た。
【ああ、よく聞いてくれた。もちろんそんな気はない。それでだな。俺もどうしたものかと思案していたらリリーシェが竜の涙を取りに来た。このふたりがレックスの呪いにかかっていることはわかっていた。リリーシェが心底からこの男を救おうとしていることもな。リリーシェが俺の涙とローズやルクシオの涙を混ぜた事で変化が起きた。ローズとルクシオの呪縛が解け始めたんだ。俺はすぐにこちらの世界を覗いた。そしたらまだユーリは意識がなくリリーシェは必死で命を分け与えている所だった。安心しろ。もう大丈夫だ。どうしてもわからなかった呪いにほころびが生まれた。こうなれば俺の力で一気に呪いを消し去ることが出来る。だからふたりの呪縛は俺がきれいさっぱり取り去った。心配ない。ふたりはすぐに目覚める。あっ、俺からも礼を言うぞ。どうやらリリーシェは見所がある竜人になりそうだぞ。おっと、ローズとルクシオもすぐに元に戻りそうだ。ユーリとリリーシェの揺るぎない愛に祝福を。そしてこのリスロート帝国に幸あらん事を…さらばだ!】
その最後の声がジェスとセリーシアと護衛の耳殻の奥に響いたと思った瞬間竜神様はたちどころに消え去っていた。
「「「竜神様が…ふたりを…助けてくれた…」」」
三人はボー然としていたが、ふっと気づいたジェスがユーリを呼ぶ。
「おい、ユーリ!聞こえるか?」
「リリーシェしっかりして!」セリーシアがリリーシェを呼ぶ。
「なんだよ。うるさいなぁ。父上?うっ、重い。なんでリリーシェが俺の上にいるんだ?」
まず気づいたのはユーリだった。
「ユーリ?気分はどうだ?」
「そんな事よりどうしてリリーシェが?おい、リリーシェしっかりしろ!」
ユーリの声に反応してリリーシェが目を開けた。
「ユーリ?わたし…あっ、目が覚めたの?ユーリ良かった。私もうどうしようかと…」
「そうか。リリーシェを助けようとして俺は倒れたんだったな。じゃあ、今度はリリーシェが俺を助けて?」
ユーリはリリーシェの背中に腕を回すとゆっくり反転する。
「しかしリリーシェ。何とも色っぽい姿だな…目が覚めた途端目の毒だ」
「なっ、だって仕方がなかったんだから。ユーリを助けようと…」
「わかってる。ありがとうリリーシェ」
ユーリはたまらないようにリリーシェに唇を寄せると食むようにリリーシェの唇に吸い付く。
「うぅん。はぁ~ん」
「ふたりとも…その…気分はどうなんだ?」
ジェスが気まずそうにふたりの様子を見つめる。
ふたりで起き上がってベッドにふたりが座る。
「ああ、大丈夫そうだ」「私も…少し頭痛がするくらいで」
「良かったわ~ふたりの意識がない間に凄いことが起きたのよ。竜神様が現れたの。何でもローズとルクシオもあっちの世界で呪いにかかったんですって、それをリリーシェが助けたらしいの。だからふたりを助けてくれたのよ。もう、ほんとにリリーシェったらすごいわ」
セリーシアの話は飛び過ぎてさっぱりわからない。
「待って母上、何に事かさっぱりわからないよ」
「とにかくリリーシェがローズとルクシオを救って竜神様が呪いを解いてくれたんだ。そのおかげでお前たちは今無事でいるって事だ」
「リリーシェすごいじゃないか」
「そんな、私は出来そうなことをしただけで…あっそうだ。リオン殿下がヒントをくれたんです。今夜は聖夜だって思い出させてくれてそれで私竜神様の涙を取りに言ったんですよ」
リリーシェはいきなりすごいと褒められ謙遜する。
(日本人ってこんな時素直じゃないのよね)
「そうか、ではピュアリータ国にも少し加護を分けてやらんとならんな。何しろ竜神様がこの国に加護をくれたんだ。これも全部リリーシェのおかげだ」
「ええ、そうしていただければリオン殿下の立つ背もあるでしょうし…私を連れ戻すなんて言わないでしょうから」
「リリーシェ?もしかしてピュアリータ国に戻る気だったのか?」
いきなり氷のような視線を突きつけるユーリ。
「まさか、ユーリ私は思い出したのよ。あなたと私は番だって。もう絶対離れたりしないわよ。覚悟してね」
氷塊だった紺碧色の瞳は一気にリリーシェの緋色の瞳に溶かされる。
「リリーシェ…俺の唯一。二度と離さない」
「もちろんよユーリ」
ユーリはかぶりつくような口づけをリリーシェに落とす。何度も何度も唇を奪い、その味を香りを身体中で味わい尽くす。
「ユーリ。おい!今は抑えろ。ああ、わかってるさ。番と交わりたい気持ちは…」
ジェスがユーリの身体をぐっとつかんでリリーシェから引き離す。
「父上!母上も出て行って下さい。俺達は今から蜜月なんですから!」
「ジェス、無理よ。私達は大人しく出て行きましょう。ユーリ食事を持って来させるわ。リリーシェと一緒に食べなさい。番の求愛行動は給餌からでしょう?」
「さすが母上。そうですね。まずは食事ですね。リリーシェお腹空いた?」
「はい、とっても」
「そうか。俺としたことがすまん。すぐにキッチンに行って来る!」
ユーリは素早い行動で部屋を後にする。
「リリーシェ愛してる」
「ユーリ愛してるわ」
それからリリーシェはユーリからたっぷり甘やかせれる。
給餌が終われば我慢できないとばかりにユーリが口づけをして来た。
その後はユーリの押し倒されてリリーシェの知らない世界が広がった。
初めて知る愛撫に羞恥に震えるながら、前世の小坂未来の記憶が助けになって必死にユーリにしがみ付く。
「リリーシェ…可愛い。どこもかしこも甘くて‥ああ~リリーシェ…愛してる」
「はぁぁ‥ゆぅりぃ~…わたしもぉぉ」
甘いささやきを受けながら初めての青い蕾を散らされる。
痛みに声も出せず無理やり息を吐いているとユーリも初めてだと聞かされ痛みも忘れてユーリにしがみ付く。
何度も深く激しく求められ奥深くまで繋がる。
それからは狂おしいほどの歓喜と甘美が押し寄せた。
リリーシェは思う。
まるで嵐の中を漂う小舟のよう。でも、決して不安も恐れも感じない。
ユーリがそばにいれば何があっても大丈夫。どこからそんな安心感が湧いて来るのかわからない。
でも、ふたりの身体が繋がるたびにその気持ちは深く強くなって行くみたい。
「リリーシェ」
「ユーリ」
互いの名を呼べば胸の奥は疼いて熱く満たされて行き、果てには徒労してふたり抱き合い眠りに落ちた。
それは聖夜と言う夜にふさわしい時間だった。
夜明け、薄明かりに見えるユーリの寝顔にリリーシェは、体中の痛みと気だるさにどうしようもない幸せを感じた。
「ユーリ。私たちやっと一緒にいられるんだね」
忘れていた4年間。番なんて絶対に信じないと思っていた頃が何ともおかしい。
再会して呪いが降りかかって来て…
ほんの数日の事がすごく長い時間に思えた。
でも、それもやっと終わり。
そう、これからはユーリとずっと一緒にいられる。
リリーシェは気だるさの中に初めて安堵を覚えてもう一度ユーリの胸に頬を摺り寄せるとまた眠りについた。
「うぅん‥りり…しぇぇ…むにゃむにゃ」
ユーリは無意識にリリーシェを抱き込み寝言でリリーシェの名を呼んだ。
リリーシェの心は幸せで満たされた。
そうやって数週間ふたりは甘い甘い蜜月を過ごした。
それが終わるとリリーシェは宝石彫刻師として仕事をこなし<Rジュエリー>と言う工房を立ち上げる。
自分の知っている技術は訳はだてなくみんなに教えてリスロート帝国はますます栄えたのは言うまでもない。
追記~
リリーシェが持っていたと思われた精霊のギフトはもともと持っていた竜力だった。
リリーシェはユーリと結ばれた事によって竜人として覚醒を遂げ生涯をユーリと共に幸せに過ごした。
ふたりの間には双子の男の子が産まれその片割れがのちにリスロート帝国の竜帝となることはまだ先の話だった。
~おわり~
後書き
今回もたくさんの方に読んでいただき本当にありがとうございました。取りあえず今回はこの辺りで。いつも後になってもう少しこうすればよかったかな?など思い至ることも多くありますが、また次回に向けて頑張りたいと思っています。また次の作品でお目にかかれることを願って…ありがとうございました。はなまる
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