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17. はじめましてアルジェンです
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(もう! シリルったら!)
結局、あの会話のせいでもう一度抱かれなおしてしまった。
体で、有耶無耶にされたのよ。
そして、朝になったら、もういない。
(つまり、テクニックがすごいってことしか、わからなかったわよ!)
枕に顔を埋めてジタバタして、フィンが扉をノックして教えてくれた。
シリルは、今朝はもう王城に行ってしまったって。
今日は、見送りもできなかったわ。
朝になると解ける魔法でもかかっているんじゃないかしら!? あの人は!?
「奥様、また王城からお迎えです!」
「……はい?」
「サンヴルタン国王陛下から、正式なご招待が参っております!」
国王陛下~!?
あの方「また会おう」とは言っていたけれど、早いわ。
でも、断るわけにもいかないわよね。
王城に入って失礼のないドレスを着なくちゃ。
私は身支度をして、王城行きに応じた。
˚˙༓࿇༓˙˚
先日と同じゲストルームに通されたのだけど、室内にはまだ誰もいない。
と思ったら、案内してくれた侍女が、室内に残ったまま扉を閉めてくるりと私を向いた。
そして、にっこり笑顔で言う。
「はじめまして、パスコヴィラダ公爵夫人。わたし、アルジェンと申します!」
「は、はい……?」
自己紹介してくれた侍女は、ぱあああっと、明るい笑顔を見せる。
ただの侍女、とは思えない。
すごく美人。
目立つ銀髪で、先端がたんぽぽのように黄色い髪を三つ編みにし、後ろ頭で丸めてまとめている。
顔の作りは、妖精のような甘さと、健康的な力強さが両立していて魅力に溢れていた。
(うわあ。このこ、すてき!! 結婚適齢期だし、求婚者が殺到しているんじゃない?!?)
「お会いできるのが楽しみでした! サムから『パスコヴィラダ公爵夫人は途轍もない美姫』って聞かされて、どんなに素晴らしい方なんだろうって想像して……我慢できなくなって!! すぐに呼びつけちゃって、すみません!」
(う、うん……。ちょっと待って……?)
勢いのある美貌の侍女に、私は何度も瞬きした。
国王を、サム呼び……。
それに『途轍もない美姫?』
国王がシリルの妻の容姿を話したりする相手って……?
「アルジェン様……? 国王陛下の、恋人の?」
「はい! サムが狂愛してくれている、アルジェンです!」
(きょ、狂愛……?)
すさまじい威力の単語が飛び出して、ついていくのがやっとよ。
侍女姿の、国王の恋人で、『狂愛』。
どういうこと!?
「は~! 想像以上に美しいお姿を拝見してびっくらしましたよ。どうか、わたしのことはアルジェンと呼び捨てください」
(陛下と似たことを言っているわ、恋人同士って……似るのかしら?)
「で、でも……」
「わたしも! ダリアと呼び捨てしたいからです!! サムとシリル様は互いを唯一無二に頼りにしあう仲なのですから、私たち末永いお付き合いになります! どうぞ!!」
握手で差し出された手を握れば、ぶんぶんと振られた。
彼女の元気をそのまま表すよう。
「わ、わかったわ……アルジェン」
アルジェンは太陽の下のたんぽぽみたいに笑う。
あけすけな彼女に、私も胸が温かになった。
思えば、同世代でこういうふうに呼び捨てする仲になった人がいなかった。
貴族学院では、優雅に様や、さん付けて呼び合って、学院以外で接触を持たなかった。
「ダリア、サムものぞきに来たいと言っていましたし、それまで、わたしの淹れるお茶を飲んでお話しましょう!」
アルジェンと話していて、彼女が仮の姿でもなんでもなく、王城で侍女をしていると知った。
でも、恋人は国王……?
これって、どういうこと?
疑問符ばっかり増えていくところで国王が入室してきた。
「今日も招待に応じてくれて、ありがとうダリア殿!」
「お招きいただき光栄に存じます。ご機嫌麗しゅうございます、国王陛下」
挨拶を交わして、二人に尋ねてみる。
「お二人は、王様と侍女ですよね? いったいどうして知り合って恋人同士に発展したのですか?」
黒い太陽みたいな国王は、うんうん頷いて教えてくれる。
「うむ、アルジェンとの馴れ初めか。彼女が橋の下で焼いた犬を食っていたので、相伴にあずかったことからだ」
「!!??」
(さっぱり意味がわからないわ!)
どうして!? 国王が!! 橋の下で! 犬を食べるの!?
いよいよ理解が追いつかない。
一般的なご令嬢なら、ふらりと気を遠くするのではない!?
国王は、にこにこしながら昔語りを続ける。
「お忍びで城下をさまよっていたら、いい匂いがしたので、橋の下をのぞいたのだ。そうしたら、家なしの孤児だったアルジェンが犬を焼いていたのだ」
「いやあ、あのときは死んだ犬が手に入ってよかったです!」
「美味だったな!」
「はい! 新鮮でした!!」
それで、馬が合って国王はアルジェンを王城の侍女に召し上げたのだという。
ソウルメイトのように気の合う仲で、ちょくちょく会ってきた。
友情を深め、男女の仲が気になる年頃になって、ちょっとしたきっかけで怒涛のように恋愛に発展した。
では……それでは、アルジェンの恋は?
国王の妻は王妃。侍女が王妃になることなんて、許されない。
愛人がせいぜい。
こんなに、仲睦まじいのに。
(アルジェンは純愛を貫けないの?)
控えめなノックの音に、私の考えは中断された。
「僕を、同席させずに、ダリアを呼びつけないで、って言ったよね? しかもほんの二日前に」
「あ、あなた!?」
扉から素早く歩いてきたシリルは、アルジェンに目を止めて私の隣に腰を下ろした。
「シリル、早いな。仕事は?」
「君が僕に押し付けたのなら、もう片付けたよ。なにか、企みを感じてね、急いで正解だった」
「いやあ、おれのアルジェンがダリア殿を見たがるから、今日はアルジェンが呼んだようなものだ」
「ダリアは、君たちの鑑賞用じゃないんだけど」
シリルの声が、一段低い。
国王は、空気を和らげるように苦笑した。
「そんな、怖い顔をしてくれるな、シリル。あれか、おれとアルジェンが相思相愛すぎるから、見ていて我が身が寂しくなったか?」
シリルは、国王から顔を背ける。
「相思相愛でも、侍女じゃ王妃にはつけないでしょう。僕は少なくともダリアと結婚しています」
「そう、そこなのだ。おれはこんなにもアルジェンを愛しているのに」
「愛だけでどうにかなれば、苦労はないよ……しかも、君ときたら……まだそれで諦めないし」
あら、国王はアルジェンだけを愛する道を諦めていないのね。
それは安心したわ。
「そうだ、おれはアルジェンを王妃にする。終生彼女だけを愛するために。そして、そのためにまずアルジェンを聖女にする!!」
「がんばります!!」
「!!?」
国王の横で、ガッツポーズをするアルジェンはすごくかわいらしいのだけど……無理がないかしら!?
隣のシリルを見れば、頭を抱えている。
そうよね……。
「聖女なら、血筋なんてぶっ飛ばして王妃になれるのです! というわけで、聖女からの王妃ルートを目指しています!! アルジェンをひとつよろしくです! ダリア!!」
すごい思考回路だわ!
私は目を見張って、アルジェンに気圧されつつ頷いた。
──血筋なんて、ぶっ飛ばして──
私も、心の底からそう思えたら、きっともっと楽だった。
アルジェンのひたむきさが、投じた石のように私の心に波紋を広げる。
結局、あの会話のせいでもう一度抱かれなおしてしまった。
体で、有耶無耶にされたのよ。
そして、朝になったら、もういない。
(つまり、テクニックがすごいってことしか、わからなかったわよ!)
枕に顔を埋めてジタバタして、フィンが扉をノックして教えてくれた。
シリルは、今朝はもう王城に行ってしまったって。
今日は、見送りもできなかったわ。
朝になると解ける魔法でもかかっているんじゃないかしら!? あの人は!?
「奥様、また王城からお迎えです!」
「……はい?」
「サンヴルタン国王陛下から、正式なご招待が参っております!」
国王陛下~!?
あの方「また会おう」とは言っていたけれど、早いわ。
でも、断るわけにもいかないわよね。
王城に入って失礼のないドレスを着なくちゃ。
私は身支度をして、王城行きに応じた。
˚˙༓࿇༓˙˚
先日と同じゲストルームに通されたのだけど、室内にはまだ誰もいない。
と思ったら、案内してくれた侍女が、室内に残ったまま扉を閉めてくるりと私を向いた。
そして、にっこり笑顔で言う。
「はじめまして、パスコヴィラダ公爵夫人。わたし、アルジェンと申します!」
「は、はい……?」
自己紹介してくれた侍女は、ぱあああっと、明るい笑顔を見せる。
ただの侍女、とは思えない。
すごく美人。
目立つ銀髪で、先端がたんぽぽのように黄色い髪を三つ編みにし、後ろ頭で丸めてまとめている。
顔の作りは、妖精のような甘さと、健康的な力強さが両立していて魅力に溢れていた。
(うわあ。このこ、すてき!! 結婚適齢期だし、求婚者が殺到しているんじゃない?!?)
「お会いできるのが楽しみでした! サムから『パスコヴィラダ公爵夫人は途轍もない美姫』って聞かされて、どんなに素晴らしい方なんだろうって想像して……我慢できなくなって!! すぐに呼びつけちゃって、すみません!」
(う、うん……。ちょっと待って……?)
勢いのある美貌の侍女に、私は何度も瞬きした。
国王を、サム呼び……。
それに『途轍もない美姫?』
国王がシリルの妻の容姿を話したりする相手って……?
「アルジェン様……? 国王陛下の、恋人の?」
「はい! サムが狂愛してくれている、アルジェンです!」
(きょ、狂愛……?)
すさまじい威力の単語が飛び出して、ついていくのがやっとよ。
侍女姿の、国王の恋人で、『狂愛』。
どういうこと!?
「は~! 想像以上に美しいお姿を拝見してびっくらしましたよ。どうか、わたしのことはアルジェンと呼び捨てください」
(陛下と似たことを言っているわ、恋人同士って……似るのかしら?)
「で、でも……」
「わたしも! ダリアと呼び捨てしたいからです!! サムとシリル様は互いを唯一無二に頼りにしあう仲なのですから、私たち末永いお付き合いになります! どうぞ!!」
握手で差し出された手を握れば、ぶんぶんと振られた。
彼女の元気をそのまま表すよう。
「わ、わかったわ……アルジェン」
アルジェンは太陽の下のたんぽぽみたいに笑う。
あけすけな彼女に、私も胸が温かになった。
思えば、同世代でこういうふうに呼び捨てする仲になった人がいなかった。
貴族学院では、優雅に様や、さん付けて呼び合って、学院以外で接触を持たなかった。
「ダリア、サムものぞきに来たいと言っていましたし、それまで、わたしの淹れるお茶を飲んでお話しましょう!」
アルジェンと話していて、彼女が仮の姿でもなんでもなく、王城で侍女をしていると知った。
でも、恋人は国王……?
これって、どういうこと?
疑問符ばっかり増えていくところで国王が入室してきた。
「今日も招待に応じてくれて、ありがとうダリア殿!」
「お招きいただき光栄に存じます。ご機嫌麗しゅうございます、国王陛下」
挨拶を交わして、二人に尋ねてみる。
「お二人は、王様と侍女ですよね? いったいどうして知り合って恋人同士に発展したのですか?」
黒い太陽みたいな国王は、うんうん頷いて教えてくれる。
「うむ、アルジェンとの馴れ初めか。彼女が橋の下で焼いた犬を食っていたので、相伴にあずかったことからだ」
「!!??」
(さっぱり意味がわからないわ!)
どうして!? 国王が!! 橋の下で! 犬を食べるの!?
いよいよ理解が追いつかない。
一般的なご令嬢なら、ふらりと気を遠くするのではない!?
国王は、にこにこしながら昔語りを続ける。
「お忍びで城下をさまよっていたら、いい匂いがしたので、橋の下をのぞいたのだ。そうしたら、家なしの孤児だったアルジェンが犬を焼いていたのだ」
「いやあ、あのときは死んだ犬が手に入ってよかったです!」
「美味だったな!」
「はい! 新鮮でした!!」
それで、馬が合って国王はアルジェンを王城の侍女に召し上げたのだという。
ソウルメイトのように気の合う仲で、ちょくちょく会ってきた。
友情を深め、男女の仲が気になる年頃になって、ちょっとしたきっかけで怒涛のように恋愛に発展した。
では……それでは、アルジェンの恋は?
国王の妻は王妃。侍女が王妃になることなんて、許されない。
愛人がせいぜい。
こんなに、仲睦まじいのに。
(アルジェンは純愛を貫けないの?)
控えめなノックの音に、私の考えは中断された。
「僕を、同席させずに、ダリアを呼びつけないで、って言ったよね? しかもほんの二日前に」
「あ、あなた!?」
扉から素早く歩いてきたシリルは、アルジェンに目を止めて私の隣に腰を下ろした。
「シリル、早いな。仕事は?」
「君が僕に押し付けたのなら、もう片付けたよ。なにか、企みを感じてね、急いで正解だった」
「いやあ、おれのアルジェンがダリア殿を見たがるから、今日はアルジェンが呼んだようなものだ」
「ダリアは、君たちの鑑賞用じゃないんだけど」
シリルの声が、一段低い。
国王は、空気を和らげるように苦笑した。
「そんな、怖い顔をしてくれるな、シリル。あれか、おれとアルジェンが相思相愛すぎるから、見ていて我が身が寂しくなったか?」
シリルは、国王から顔を背ける。
「相思相愛でも、侍女じゃ王妃にはつけないでしょう。僕は少なくともダリアと結婚しています」
「そう、そこなのだ。おれはこんなにもアルジェンを愛しているのに」
「愛だけでどうにかなれば、苦労はないよ……しかも、君ときたら……まだそれで諦めないし」
あら、国王はアルジェンだけを愛する道を諦めていないのね。
それは安心したわ。
「そうだ、おれはアルジェンを王妃にする。終生彼女だけを愛するために。そして、そのためにまずアルジェンを聖女にする!!」
「がんばります!!」
「!!?」
国王の横で、ガッツポーズをするアルジェンはすごくかわいらしいのだけど……無理がないかしら!?
隣のシリルを見れば、頭を抱えている。
そうよね……。
「聖女なら、血筋なんてぶっ飛ばして王妃になれるのです! というわけで、聖女からの王妃ルートを目指しています!! アルジェンをひとつよろしくです! ダリア!!」
すごい思考回路だわ!
私は目を見張って、アルジェンに気圧されつつ頷いた。
──血筋なんて、ぶっ飛ばして──
私も、心の底からそう思えたら、きっともっと楽だった。
アルジェンのひたむきさが、投じた石のように私の心に波紋を広げる。
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