【TS転生】どうやら異世界に転生したらしい

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騎士の誓いとゲーマーのエンブレム

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競技場で全ての視線を釘付けにしていたフロヒオンが優勝─いや、圧勝して幕を閉じた武術大会は私に言わせてみれば当然の結果だった。

けれど出場していたこの国の近衛騎士であるコンスタンティナの兄や父達からすれば驚きの結果だった様だ。
フロヒオンはあれでもチートをちょっぴり隠していたのだからそりゃあビックリするだろう。
更に他国から見ればとんでもない脅威だった。他国の王子があれほどの力を持っていると言う事は非常に恐ろしいことの様で…

どうやらフロヒオンにはお見合いが殺到中らしい。
武術大会が終わって三日が経ったけれどフロヒオンは対応に追われて居るようだ。
この国の王族は一夫多妻制も認められている為、側室や妾の話も持ち上がっているらしい。しかもフロヒオンはあの通りのイケメン王子なので他国の王女様方はかなり本気でフロヒオンを狙っていると父が頭を抱えていた。

全くこれだからイケメンは。
ハーレムか。ハーレムを作っちまうのか!クソぉー!うらやま!
なんて成也が私の頭の隅で叫んでいそうだけれど。まぁ、私には関係ないし。

なんて思っていたのに………

父がこのままフロヒオンが他国の王女様と婚約、結婚などとなったら大変だ(主にコンスタンティナが行き遅れになる面で)と言い出したのだ。

フロヒオンの婚約者候補間違いなしなどと言われていたコンスタンティナは他に婚約者を作るなど許されておらずフロヒオンと結婚しない場合、新たな貰い手を探さないといけない。

幸い学園で婚約者を探したりする貴族の子息もいるのだから、その時は自力で確保しますわ?と言ったのに父は胡乱な目を向けてきた。失礼な。
いざとなれば私だって……

「エリザベス様に誰かオススメの子息がいないか聞いてみよう…」
コンスタンティナはひっそりとエリザベスへ手紙を送った。


その翌日、コンスタンティナ宛に王妃様からお手紙を頂いてしまった。

明日、急で申し訳ないが城に来るようにと書かれていたからコンスタンティナは慌てて母に伝え、明日の準備をお願いした。ごく内輪の二人だけの茶会とあるが手ぶらでは行けない。

きっと他国の王女との縁談がフロヒオンに持ち上がったので婚約者の最有力候補はそちらになってしまいました!みたいな話しでは無いだろうか。
もしくは既にその方との婚約が整いましたと言った主旨の話しかもしれないとコンスタンティナは予想していた。

無論、私としては熨斗をつけて進呈させて頂きたいところだ。

私だって、一応前世の成也(男)の記憶がありはするけれど現世はれっきとした女性なのだ。身も心も(たぶん)!
だから、可愛いお嫁さんになる夢だって最近は持っている。

でもその相手が慶吾とか。
しかも嫁になるってことは、夜の営みを前世の友人とするって事で…(前世チェリーな成也のイケメンすぎるモテ男の友人となんて!)ちょっと、いや、かなり屈辱的だ。
だって、夜の営み中に、『あー、そういやコイツ前世童貞じゃん。んで今世は俺の嫁w』とか思われてそう…

ぐうわぁぁぁぁ!

嫌すぎる!

そんでアイツにやられてアンアン言わされるのかと思うと(しくしくしく)


まぁ、そんな訳でコンスタンティナは意気揚々とお城に登城していた。

「マーガレット王妃殿下におかれましてはご機嫌麗しゅうございます─」
「ごきげんよう、コンスタンティナ。
あぁ、なんて他人行儀な挨拶なの……
あなたとわたくしの仲でしょう?他人行儀な挨拶はやめて頂戴!わたくしショックで泣いてしまいますわ……」
「ふふっ、分かりましたわ。こんにちは、マーガレット様ご無沙汰致しております。」

相変わらずなご様子で何よりである。

高貴なご婦人である王妃様のお部屋はとてもいい匂いがした。たぶん毎日生けられている花の匂いだろう。
この国の城は白亜の城で、中央は王族の住まいや客室、執務室や謁見の間、会議室や王族や客室付きの使用人用の居住区等がある。
白を基調に金の縁取りや真珠の様な光沢を持つ貝などを用いた壁面に天井画や透かし彫り等が施されとてもエレガントな内装になっている。
通路に至るまで美しく、王族達の住まう階層だけ真っ赤なふかふかの絨毯と精緻で重厚な扉を使用している様だ。

フロヒオンの母、マーガレットは今年で38歳なのだけどフロヒオンと並んでも姉にしか見えないほど若々しく美しい女性だ。

柔らかな金の髪に冴え渡る青い瞳を持つ威厳に満ちた優美さを感じさせる美貌はやっぱりフロヒオンとの血縁を感じさせる。スラリと背の高い美人でカッコ良くて素敵な方だ。

「さぁさ、コンスタンティナ。こちらにいらっしゃいな。今日はコンスタンティナが好きな隣国の水菓子を用意したのよ~!」

「まぁ!嬉しいですわ!私がこの水菓子を好きな事、覚えていて下さったんですね!」

コンスタンティナは満面の笑みを浮かべた。
かなり食い気味に言った為マーガレットの侍女の方にまで生暖かい眼差しを向けられてしまっている事に気付かず。

プルンとした水色の、こんにゃくゼリーみたいな食感のこの水菓子。
私の大好物である。

「そう言えば、ついにフロヒオンとの婚約の誓いをしてくれたそうね。コンスタンティナがわたくしの義理とはいえ娘になるなんて!心から嬉しいわ!」

「──?!」
私は驚き過ぎて危うく水菓子を喉に詰めるところだった。

ゲホゲホと咳き込む私をマーガレットが「あらあら、大変。大丈夫?」と背を摩りに来てくれた。

あ、ありがとうございます。助かりました…

「でね、早速なのだけど。来週の夜会で婚約を発表する予定でしょう?だからその日に使う装飾品をぜひ私に選ばせて貰いたいのだけど。」

王族の王や王子の婚約発表や結婚式なんかには代々王家が所有する精霊の祝福シリーズの装飾品をお相手の女性は使用しているらしい。
きっとその事ね……って………

ヤバイヤバイ。話がどんどん進んでるー!!

「お待ち下さい!私はまだフロヒオン様の婚約者候補のままだと思いますわ?確か婚約の誓いとは誓の印が現れてようやく、婚約を結んだ事になるんですよね?私まだそう言った事は─」

「あら、ふふっ。まぁ、コンスタンティナったら照れちゃってー!」

え?いや、照れてませんよ?

 マーガレットは戸惑うコンスタンティナにニマニマ笑いながら言った。

「なんでも、フロヒオンが騎士の誓いを用いて─
『たとえ我が心が闇に堕ち、骨肉滅びようとも、たとえ我が魔法つき、剣折れようとも汝がため戦わん。
この戦いに勝利した暁にはコンスタンティナを我が伴侶に迎えたい。
これより先、私の剣は汝の盾であり剣である。
私の勝利と永遠の愛を─この剣にかけてコンスタンティナ─君に誓おう』
って!だからコンスタンティナの手の甲にあるその印が何よりの証拠でしょう?
日頃は本気を出して戦ったりしないくせに。あの日はやけにド派手な魔法まで使っているしどうしちゃったのかと思ったら。あの子ったら貴女に跪き、騎士のする求婚をしていたのね。だからあんなに必死だったんだわって納得したわ。」

騎士の求婚は精霊では無く、神に誓うバージョンのかなり重たい誓いである。
例え誰が反対しようと、そう、国王陛下が反対しようとも覆せない系の。その誓を王族がする場合は国王陛下の許可が必要となる。きっとフロヒオンも国王陛下に許可を取っていたのだろう。

でも、神に誓うって……

え?何してるのフロヒオン様。

オーッホッホッホ

と言うマーガレットの高笑いをコンスタンティナは自分の手の甲にいつの間にか忽然と浮かび上がっていた剣と、とあるマークの印を愕然とした面持ちで見ていた。

なんじゃこりゃー!

剣はまだ良い。王家の紋章も剣と蒼龍だし。

でもフロヒオンよ、もう一つのこのマークはなんだ?ゲーマーのお前が前世で手にしたあのゲームのエンブレムではないのか?
どう見ても前世の聖戦(オンラインゲーム)でもぎ取った優勝旗にあるエンブレムじゃない?
ちなみに優勝旗には騎士団全体の重複可能なアップ効果、攻撃力アップ、防御力アップの効果がある。)

私の手の甲には王家の剣と菱形に金の星が十輝く、あの独特なエンブレムのマークがあった。
聖騎士の十戒。その星には一つ一つに戒律があり─って。
あの十戒のエンブレム…

うん、見間違え様がないこれぞ慶吾が考えそうなフロヒオンのエンブレム(象徴)だわ。
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