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失言劇場
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魔力がムワッと漏れている。
ルイーズを囲む様にして土が裂け今にも仕留めにかかりそうな魔力の噴き出す檻が出現し。
怒りによって魔力が膨れ上がったフロヒオンは凄まじい威圧感を放ちルイーズを睨んでいた。
「ひっ!…ひぃ!?…………!!」
フロヒオンの苛立ちと怒りを感じ、怯えだしたルイーズだったが、彼女はフロヒオンの後方を見た途端、目を微かに輝かせた。
「おお、お、お父様!!助けてください!お父様ー!!」
片手をプルプル震わせながら手を振り、ルイーズが叫びだした。
コンスタンティナはルイーズの目線を追いかけ、後方を見て……なんとも面倒な、と顔を顰めた。
ルイーズと血の繋がりがあるのだと分かるのは精々、その赤みがかった金髪くらいのもので、肥太った肉を揺らし、はぁはぁ、はぁはぁと激しく息継ぎを繰り返しながら競歩でこちらに向かってくる中年太りの男がいた。
「……なっ!こっ、………これは、いっ…たい!どういう……事……だ!?」
「……すまない、もう一度言ってもらえるか?聞き取れなかった。」
息も絶え絶えでそう言ってきた男にフロヒオンは無情にも眉を寄せ再度言い直すことを求めた。
男はムッとした顔でフロヒオンを睨み付けるが「……フ、フロヒオン殿下!?」とやっと相手がフロヒオンであるかに気付き目を見開いた。
ダラダラと冷や汗と脂汗とを忙しく流し頬か首かもあやしい肉の境い目を頻りにハンカチで拭っている姿は活発で勝気なルイーズとは違い小物感が物凄く、漂っている。
フロヒオンはフッと魔力を収めルイーズの父ジョイア伯爵に向き直る。
「ジョイア伯爵、昨日ぶりだね」
「ははっ!フロヒオン殿下におかれましてはご機嫌麗しゅうござい─」
「いや、全く。ご機嫌など麗しくは無いよ。見てわからないかな?」
フロヒオンの物言いにどうやら漸く、ハテそう言えば?と伯爵はルイーズに視線を向ける。
伯爵はおどおどと周りを見て娘の座り込んだ姿を見ると問いかけた。
「ルイーズ、なんなのだ?一体どうしたのだ?!」
「わ、わたくし…………」
ジョイア伯爵の元にふらふらとやって来たルイーズは伯爵の腕に縋る。
「そこにいらっしゃるコンスタンティナ様が悪いのに……うっ、ぐすっ、ぐずぐず…」
コンスタンティナをチラリと見て意味深な事を言い、泣き出した。
「………コンスタンティナと言うと…ダリア公爵のご息女か。なんだ、王宮では聖女のごとき優しさと妖精の様な可憐さをあわせ持つ素晴らしい令嬢だと聞いていたが。娘をこんな目に遭わせるなんでとんだ糞では無いですか。見目も我が娘とあまり変わらないですしな!どうですかな?殿下。婚約は失敗ですな?このコンスタンティナと言う女とは婚約破棄をされては?性格のきつい女性よりも我が娘ルイーズの方が──」
バッコーーン!!
と勢い良く振り下ろされたフロヒオンの腕の力によって空気が震え地面が抉れジョイア伯爵の靴スレスレの場所には無数のヒビが入って行く。
「ひぃ!?」
ジョイア伯爵の肉が揺れた。どうやら驚き飛び上がったらしい。へなへなと尻もちをつき這う這うの体でフロヒオンから距離を取ろうとしている。
「ジョイア伯爵」
フロヒオンが呼ぶとジョイア伯爵は顔を焦りに強ばらせながら「はいぃ!!」と裏返った返事をした。
「君は死にたいのか?」
フロヒオンの氷点下に下がった冷たい眼差しにジョイア伯爵やルイーズだけで無くこちらを傍観する人々の、特にコンスタンティナを妬み罵声こそ口にしないが常に敵視していた地方貴族の一部の令嬢達は身体を震わせながらこのジョイア親子のやらかし劇場を見ていた。彼女達も他の地方貴族の令嬢達が良くフロヒオンとコンスタンティナの姿を見る度に彼女達が口にする「お二人はお似合い」と言う言葉に否を唱えていたのだ。
「そのルイーズと言う躾のなっていない令嬢が私のコンスタンティナと私に対して迷惑をかけていたんだ。
わかるかな?
私は目障りなその娘を視界から消そうとしていただけだよ?
おっと、物理的に、ではないからね、コンスタンティナ。消してはダメだね。
ジョイア伯爵令嬢にはきちんと法的な罰を受けさせ無くてはならないからね。
あぁ、そうか、ジョイア伯爵は娘だけで無く父親として彼女と共に処罰を受けたくてそんな事を言ったんだね?」
フロヒオンが真っ黒ですね。
わかります。彼今日は珍しく朝からキレてらっしゃったのですね?
ジョイア伯爵家は地方貴族。そんな彼らよりも格上の公爵家の娘であり、この国の頂点である国王陛下が認めた第一王子の婚約者でもあるコンスタンティナを「糞」呼ばわりする時点でジョイア伯爵には立派な不敬罪が適用される。
更には国王陛下の決めた婚約に対する否の発言。盛大にやらかしてしまっているけれど。これが政治や情報に聡い中央貴族なら即、不敬罪なのだけど。彼らが一番批難したのはコンスタンティナの事だったのだし、地方の貴族は割と緩い考えの貴族も多く多少のお目こぼしもある。
はずだったんだけど…
アレ?慈悲深い王子様の仮面、どこに落として来ました?
ルイーズを囲む様にして土が裂け今にも仕留めにかかりそうな魔力の噴き出す檻が出現し。
怒りによって魔力が膨れ上がったフロヒオンは凄まじい威圧感を放ちルイーズを睨んでいた。
「ひっ!…ひぃ!?…………!!」
フロヒオンの苛立ちと怒りを感じ、怯えだしたルイーズだったが、彼女はフロヒオンの後方を見た途端、目を微かに輝かせた。
「おお、お、お父様!!助けてください!お父様ー!!」
片手をプルプル震わせながら手を振り、ルイーズが叫びだした。
コンスタンティナはルイーズの目線を追いかけ、後方を見て……なんとも面倒な、と顔を顰めた。
ルイーズと血の繋がりがあるのだと分かるのは精々、その赤みがかった金髪くらいのもので、肥太った肉を揺らし、はぁはぁ、はぁはぁと激しく息継ぎを繰り返しながら競歩でこちらに向かってくる中年太りの男がいた。
「……なっ!こっ、………これは、いっ…たい!どういう……事……だ!?」
「……すまない、もう一度言ってもらえるか?聞き取れなかった。」
息も絶え絶えでそう言ってきた男にフロヒオンは無情にも眉を寄せ再度言い直すことを求めた。
男はムッとした顔でフロヒオンを睨み付けるが「……フ、フロヒオン殿下!?」とやっと相手がフロヒオンであるかに気付き目を見開いた。
ダラダラと冷や汗と脂汗とを忙しく流し頬か首かもあやしい肉の境い目を頻りにハンカチで拭っている姿は活発で勝気なルイーズとは違い小物感が物凄く、漂っている。
フロヒオンはフッと魔力を収めルイーズの父ジョイア伯爵に向き直る。
「ジョイア伯爵、昨日ぶりだね」
「ははっ!フロヒオン殿下におかれましてはご機嫌麗しゅうござい─」
「いや、全く。ご機嫌など麗しくは無いよ。見てわからないかな?」
フロヒオンの物言いにどうやら漸く、ハテそう言えば?と伯爵はルイーズに視線を向ける。
伯爵はおどおどと周りを見て娘の座り込んだ姿を見ると問いかけた。
「ルイーズ、なんなのだ?一体どうしたのだ?!」
「わ、わたくし…………」
ジョイア伯爵の元にふらふらとやって来たルイーズは伯爵の腕に縋る。
「そこにいらっしゃるコンスタンティナ様が悪いのに……うっ、ぐすっ、ぐずぐず…」
コンスタンティナをチラリと見て意味深な事を言い、泣き出した。
「………コンスタンティナと言うと…ダリア公爵のご息女か。なんだ、王宮では聖女のごとき優しさと妖精の様な可憐さをあわせ持つ素晴らしい令嬢だと聞いていたが。娘をこんな目に遭わせるなんでとんだ糞では無いですか。見目も我が娘とあまり変わらないですしな!どうですかな?殿下。婚約は失敗ですな?このコンスタンティナと言う女とは婚約破棄をされては?性格のきつい女性よりも我が娘ルイーズの方が──」
バッコーーン!!
と勢い良く振り下ろされたフロヒオンの腕の力によって空気が震え地面が抉れジョイア伯爵の靴スレスレの場所には無数のヒビが入って行く。
「ひぃ!?」
ジョイア伯爵の肉が揺れた。どうやら驚き飛び上がったらしい。へなへなと尻もちをつき這う這うの体でフロヒオンから距離を取ろうとしている。
「ジョイア伯爵」
フロヒオンが呼ぶとジョイア伯爵は顔を焦りに強ばらせながら「はいぃ!!」と裏返った返事をした。
「君は死にたいのか?」
フロヒオンの氷点下に下がった冷たい眼差しにジョイア伯爵やルイーズだけで無くこちらを傍観する人々の、特にコンスタンティナを妬み罵声こそ口にしないが常に敵視していた地方貴族の一部の令嬢達は身体を震わせながらこのジョイア親子のやらかし劇場を見ていた。彼女達も他の地方貴族の令嬢達が良くフロヒオンとコンスタンティナの姿を見る度に彼女達が口にする「お二人はお似合い」と言う言葉に否を唱えていたのだ。
「そのルイーズと言う躾のなっていない令嬢が私のコンスタンティナと私に対して迷惑をかけていたんだ。
わかるかな?
私は目障りなその娘を視界から消そうとしていただけだよ?
おっと、物理的に、ではないからね、コンスタンティナ。消してはダメだね。
ジョイア伯爵令嬢にはきちんと法的な罰を受けさせ無くてはならないからね。
あぁ、そうか、ジョイア伯爵は娘だけで無く父親として彼女と共に処罰を受けたくてそんな事を言ったんだね?」
フロヒオンが真っ黒ですね。
わかります。彼今日は珍しく朝からキレてらっしゃったのですね?
ジョイア伯爵家は地方貴族。そんな彼らよりも格上の公爵家の娘であり、この国の頂点である国王陛下が認めた第一王子の婚約者でもあるコンスタンティナを「糞」呼ばわりする時点でジョイア伯爵には立派な不敬罪が適用される。
更には国王陛下の決めた婚約に対する否の発言。盛大にやらかしてしまっているけれど。これが政治や情報に聡い中央貴族なら即、不敬罪なのだけど。彼らが一番批難したのはコンスタンティナの事だったのだし、地方の貴族は割と緩い考えの貴族も多く多少のお目こぼしもある。
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