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クラスの闇〜2日目の朝〜
しおりを挟む学校に着くと同時に、楽しそうな顔で白川が駆け寄ってきた。
「なぁ、中井って昨日、田辺と一緒にいてたよな。何話してたんだ?恋愛話?」
「するか、そんな話。」
本当のことを返して、席に着くと、田辺が俺を待ってたかのように自分の席に座っていた。
「白川くん、おはよう。」
田辺は言う。
「田辺さん、おはようございます♪」
「いいよ、タメで。」
こいつらを見ると、不安に思えて仕方なかった。
そして、俺は白川が近くにいるこの状況で、田辺がどんな行動に出るのか、少し気になっていたが、想像通りの答えというか、嫌な予感が的中したのであった。
「おはよう、優くん。」
クラスの周りは騒然とした。
思わず白川が言った。
「どういう関係!?」
いやいや、俺は誘われただけだし、なんなら成行きだし、色々なぁ。
って思ってると彼女は、意外な行動に出る。
まさに火に油を注ぐようとはよく言ったものだ。
「私の彼氏だよねー、優くん」
その場にいたクラスの人間は驚き、歓声、悲鳴をあげる。
「マジで!!一日で口説いたのか!?あの中井が!?いや、田辺か!?」
「キャー、カップル誕生!!」
「俺、狙ってたのにー。」
いやいや、聞いてないって。
思わず俺は言った。
「おい!!何を言ってんだ!!」
「え、私のこと好きじゃないの?」
また、クラスの歓声があがる。
俺は、「いやいや、昨日、普通に話をしただけだろ。いや、てか、そんな話一切してないぞ!!」
「ん?それは、昨日、優くんが私のこと、唯って言ってくれないから。」
「は?それだけで、こんな嘘を言ったのか!?」
「嘘じゃないよ?私、本気よ?」
真剣な眼差しで、田辺は言う。
そして、歓声があがり、煽りだすクラスの人間。
「おい、中井どうなんだ!?」
「答えてやれよ!!」
「早く、聞きたーい。」
俺は、煽る言葉は全て無視していて、心の中で、二つ疑問点が出来た。
一つは、仲良くもしてない奴らが、こういう時だけ、盛り上がるのか、ということ。
もう一つは、なぜ、田辺はこの状況を作ったのかということ。
ここは、一旦落ち着かせるべきでは、と思っていたが、俺は考えごとをしていて油断していた。
なんと、田辺唯は、俺の前に立ち、キスをしたのだ。
自分でも分かる、この状況はヤバい。
その場にいたクラス全員と、廊下から覗く人たちが、一斉に叫ぶ。
「キャー!!!」
「マジか!!」
「最高ー!!」
俺はこの場にいたくないと思ったが、離れられない。前に田辺、横に白川がいる。
白川は、呆然と立ったままだった。
そして、一言。
「良かったな。」
そして、自分の席へと帰って行った。
いや、なんだよ、その返し。
俺も、何も言わず席に座る。
一人、田辺だけ、楽しそうな顔を浮かべ、言った。
「昨日の約束、絶対だからね。」
俺は、首だけ縦に振ると、ホームルーム前のチャイムが鳴り響く。
それ以降、放課後まで誰とも話すことはなかった。
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