幸せはあなたと

ヒイロ

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2章.転生

6.

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「ユウ!!本当にラウルくんから匂いがするの?血の匂いとかご飯の匂いとかじゃなく?」

立ち上がって大きな声で詰め寄られてびっくりする。

「…うん。何だかいい匂い。ずっと一緒にいたいなと思うような匂い。」

まさかと言いつつ椅子に座った。

「あいつが…ユウの運命の番…」

運命の番?まさかこの世界にもそんなものがあるの。晴一じゃない人なのに。ショックだった。

「でも、ラウルくんはそんの感じじゃなかったような。」

僕だけが感じてる?前世と逆だ。しかもラウルさんは感じが悪い。ママにもあんな態度だし。

「運命の番は絶対結ばれないといけないの?僕は誰とも一緒にはなりたくない。」

「ユウ、それは目が見えないから?」

晴一じゃないからって言っても混乱するよね。

「目が見えないからとかじゃないけど、僕は…誰も好きになりたくないんだ。一生1人でいい。でも、周りに迷惑かけるだけだね。仕事もできないと思うし。」

「獣人はね、番以外結ばれることはないんだよ。本能が強いから。同じ獣人同士でもなくても番になることもあるし。もし本当にラウルくんが番だったら絶対に結ばれる。何故ラウルくんが感じないかわからないけど。」

もしかしたら僕の勘違いかも。

「まだ、ユウは子供だからゆっくりでいいと思うよ。焦る必要もないからね。」

「パパとママは運命の番?」

「そうだよ。獣人は寿命が長いからね。それでも出会わない人もいるんだ。僕達は早く出会えた。50年位前に出会ってユウはやっと出来た子供なんだよ。だからまだ結婚はしないでほしいな。」

結婚はしないと言ってるのにやっぱり運命の番は絶対なんだ。前世でも運命に振り回された僕は晴一以外考えられない。晴一には感じなかった匂い。僕は逆らえることは出来ないのかな。藤崎さんみたいに…

「僕はパパとママの子供でずっといたい。結婚なんかしない。」

抱き締められる。

「ずっと僕達の子供だよ。」

「うん。パパもママも大好き。」

「ありがとう。僕達の子供に産まれてきてくれて。」

僕は今すごく幸せだ。

「そういえばラウルさんが言ってた契約って何?危険ってママ言ってたけど。」

「ラウルの得意な魔法は闇だよ。しかも火、水、風、土も。僕が知る限り魔法使える者の中でも一番強い。」

「パパより?」

「うん。闇魔法使える人は少ないんだ。光魔法よりもね。闇魔法はね、契約が出来る。契約は色々なものがあってさっきラウルが言っていたのは契約者の受けるあらゆる災難を、代わりに受けることが出来る契約。」

あらゆる?全部ってことだよね。

「もし僕が溺れたら?」

「ラウルが溺れる。」

「もし僕が刺されたら?」

「ラウルが刺される。」

そんなの頼めるはずがないよ。ありえない。

「刺されるってナイフがラウルさんに飛んでいくの?」

「刺されるのはユウだよ。痛みや傷はラウルが受けるんだ。溺れたらユウは水の中にいるけど、苦しいのはラウルだからその間に逃げ出せるでしょ。」

傷を受けてるのがわかってて、苦しむのがラウルさん?そんなのお願いできるはずない。

「そんな契約結べないよ。」

「そうだね。ママも嫌だなぁ。ラウルくんは何かある時その契約を結ぶんだ。王の護衛とかね。強いから契約しても大丈夫らしいけど。傷付くのがわかってて契約は結べないよね。」

「うん。」

「ユウはママが守るからね。それとこれから色々勉強していこう。ユウに教えてないことあるってわかったし王都にも行ってみようか。ユウの属性のことも調べたいし。」

「ママ僕、12歳になったら学園に入るの?」

「難しいと思う。寮生活だしね。その代わり家庭教師を雇うよ。僕達の後輩がいるんだ。ちょっと落ち着きないけど教えるのは上手だから。」

「わかった。頑張る。でも、ママ…パパ大丈夫かなぁ…。」

「エヴァルドは強いよ。エヴァルドは自分のことより他の人を優先しちゃうから心配だけどね。きっとすぐに帰ってくるから。大丈夫。」

ママがそう言うんだったらきっと大丈夫なんだろう。

「さぁ、今日は色々あったから疲れたでしょ。お昼ご飯にしようか。遅くなっちゃたけど。」

それからママと一緒にご飯を作って食べた。疲れていたのかいつの間にか眠ってしまった。あの声は聞こえなかった。
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