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2章.転生
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その後、ママにおんぶされてラウルさんも一緒に家に戻った。パパからの伝言は遠征で怪我をして帰れないということだった。騎士団には治癒魔法専門がいるのだけどママほどの治癒能力をもつ魔法使いはいないみたい。帰れないということは酷い怪我なんじゃないかと心配になる。
「あなたは騎士団に戻るべきだ。最近何故か、魔物の被害が多い。結界を完璧に張れるのはあなた位だ。あなたレベルの騎士団が少ないんだ。団長の怪我も治せるだろう。」
「私は、引退したんだ。」
「その若さで?そいつのせいだろう。」
僕のことだ。僕が目が見えないから。
「自分の子供を優先して何が悪い。エヴァルドは強い。治癒魔法専門もたくさんいるだろう。あいつは大丈夫だ。」
「でもママ。パパ大丈夫?ママが治したらすぐに元気になるんじゃない?帰れないなんて酷い怪我してるんだよ。」
大丈夫だからと頭を撫でられる。
「それより、ユウは何で怪我したの?何があったの?」
そうだ。僕魔法使いになれるんだ。
「ママママ。僕水晶の色変わったんだ。透明だって。」
「透明?ラウルくん聞いたことありますか?」
「俺はないです。」
二人とも知らないんだ。もしかしたら、すごい属性とかかもしれない。
「マッテイスさんが王都なら分かるかもしれないって。ママ僕調べたい。パパに言ったら調べてくれる?」
落ち着いてと言われる。そうだこれで怪我したんだ。反省する。
「団長は忙しい。」
ラウルさんが冷たく言い放つ。だよね。さっき魔物が多く出るって言ってたし。1人で調べたいけど僕見えないから本なんて読めないし。ママは一緒に行けないかな。
「ユウ…それだけじゃないでしょ。助けてって何があったの?」
「教会に入ったとき魔物の気配を感じた。何があった?」
これは夢の中の話なのかもしれない。言って二人がどう思うのかが怖かった。でも、守るって言ってくれる。指痕も残っていたし。
「気を失ってるとき誰かに腕を掴まれたんだ。こっちにおいでって。真っ暗で誰か分からなかったんだけど…知ってる声だったような気がするんだ。」
「ユウはこの町から出たことがない。知ってる人も限られる。でも、僕がこの町は結界を張ってる…魔物は入れないはずなんだけど。」
「そうですね。」
前世の記憶があることと、藤崎くんに夢の中で会ったことは言えなかった。でも、
「ママ、この世界に女神さまっているの?」
二人がえっ?って言う。おかしなことを言ったかな?
「ユウ、会ったことないの?」
「お前会ったことがないのか?」
えっ、そんな簡単に会える人なの?
「会ったことないけど…変なことなの?」
「女神カロはこの世界を創った人だよ。そして自分が生を受けた時に必ず会えるんだ。そこで女神の加護を受ける。それが魔法の属性を決めてると言われてる。」
会ったことないから僕は水晶の色が変わらないのか。加護を受けてないから。
「もしかして透明って魔法使えないってことなんじゃないのかな。調べても無駄だよね。」
色が変わったって喜んだけど魔力がないから透明ってことで。僕は落ち込む。
「まさか会ってないなんて思わなかった。だからそんな話したことなかったね。ごめんね。ママ教えてあげてなかったから。」
「ママは悪くないよ。そっか僕…目も見えないしママにばっかり迷惑かけてしまうね。」
「それは違うから。ユウのこと迷惑なんて思ったことないよ。王都で調べてみようか。行ってみる?」
嬉しいけどきっとそんな事例はないんじゃないかな思ってしまう。
「騎士団に戻ることを考えて下さい。」
ラウルさんが強く言う。
「くどい!エヴァルドとも話し合ったことだ。家のことに口をはさまないでくれないか。」
険悪なムードになってきた。僕のせいなのに。
「12歳になると皆学園に入る。その子はどうするつもりですか?あなたは死ぬまでその子の面倒をみるつもりですか?あなたが死んだら?1人で暮らしていけるんですか?今のうちから外の世界も知るべきだ。魔法が使えないんだったらなおさら。」
「うるさい。そんなことは分かってる。ユウのことは僕が守るって言ってるじゃないか。」
もうやめてほしい。僕のせいで二人が争ってるのは聞きたくなかった。それに気づいたママが抱き締める。
「ユウは、何も心配しなくていいから。ママがずっと一緒にいるから。」
ラウルさんのいう通りこのままでは僕は何も出来ないままだ。でも、目が見えない。魔法も使えないということは生活もできない。ライターなんてない世界だ。火すら点けられない。電子レンジも冷凍食品もない。火が点けなければ生活が出来ない。
「そこで、提案があります。俺とこの子で契約を結ばせてください。そうすればあなたは安心して仕事も出来る。守ることも出来ます。」
契約?魔法が使える世界で契約とかが書類ってことじゃないとは思うけど。
「…それは安心できるけど。それじゃ君が危険じゃないか。」
「この子は魔法が使えない。使えるようになったとしても目が見えない。確実に守れるのは俺位だと思いますよ。現実今日だって、俺がたまたま通りかからければ、その見えない者に連れ去られていたかもしれないですよ。」
ママが言葉に詰まってる。でも、契約で何故僕を守ることになるのか…しかもラウルさんが危険になるなんてそれはいけない気がする。
「僕は許可できない。もう用はないだろう。帰ってくれないか。」
「…わかりました。でも考えてみて下さい。では。」
帰ろうとしている。僕はラウルさんを呼び止めた。
「今日は、ありがとうございました。それと…僕の名前はユウです。この子とかあの子とか言われるのはちょっと…嫌です。生意気言ってすみません。」
生意気だよね。でも、ずっと団長の子とかあのそのとか、言われてるのが悲しかった。
「…あぁ。では。じゃあなユウ。」
と言って出ていった。初めてユウと呼ばれて嬉しくなる。
「ユウは、もしかしてラウルさんが好きなの?」
ママに言われて顔が熱くなる。好きとか考えたことなかったけど。匂いが消えたことに寂しく感じてしまう。
「ラウルさん。いい匂いがするんだ。会ったときから。」
ママが驚いた声を上げた。
「あなたは騎士団に戻るべきだ。最近何故か、魔物の被害が多い。結界を完璧に張れるのはあなた位だ。あなたレベルの騎士団が少ないんだ。団長の怪我も治せるだろう。」
「私は、引退したんだ。」
「その若さで?そいつのせいだろう。」
僕のことだ。僕が目が見えないから。
「自分の子供を優先して何が悪い。エヴァルドは強い。治癒魔法専門もたくさんいるだろう。あいつは大丈夫だ。」
「でもママ。パパ大丈夫?ママが治したらすぐに元気になるんじゃない?帰れないなんて酷い怪我してるんだよ。」
大丈夫だからと頭を撫でられる。
「それより、ユウは何で怪我したの?何があったの?」
そうだ。僕魔法使いになれるんだ。
「ママママ。僕水晶の色変わったんだ。透明だって。」
「透明?ラウルくん聞いたことありますか?」
「俺はないです。」
二人とも知らないんだ。もしかしたら、すごい属性とかかもしれない。
「マッテイスさんが王都なら分かるかもしれないって。ママ僕調べたい。パパに言ったら調べてくれる?」
落ち着いてと言われる。そうだこれで怪我したんだ。反省する。
「団長は忙しい。」
ラウルさんが冷たく言い放つ。だよね。さっき魔物が多く出るって言ってたし。1人で調べたいけど僕見えないから本なんて読めないし。ママは一緒に行けないかな。
「ユウ…それだけじゃないでしょ。助けてって何があったの?」
「教会に入ったとき魔物の気配を感じた。何があった?」
これは夢の中の話なのかもしれない。言って二人がどう思うのかが怖かった。でも、守るって言ってくれる。指痕も残っていたし。
「気を失ってるとき誰かに腕を掴まれたんだ。こっちにおいでって。真っ暗で誰か分からなかったんだけど…知ってる声だったような気がするんだ。」
「ユウはこの町から出たことがない。知ってる人も限られる。でも、僕がこの町は結界を張ってる…魔物は入れないはずなんだけど。」
「そうですね。」
前世の記憶があることと、藤崎くんに夢の中で会ったことは言えなかった。でも、
「ママ、この世界に女神さまっているの?」
二人がえっ?って言う。おかしなことを言ったかな?
「ユウ、会ったことないの?」
「お前会ったことがないのか?」
えっ、そんな簡単に会える人なの?
「会ったことないけど…変なことなの?」
「女神カロはこの世界を創った人だよ。そして自分が生を受けた時に必ず会えるんだ。そこで女神の加護を受ける。それが魔法の属性を決めてると言われてる。」
会ったことないから僕は水晶の色が変わらないのか。加護を受けてないから。
「もしかして透明って魔法使えないってことなんじゃないのかな。調べても無駄だよね。」
色が変わったって喜んだけど魔力がないから透明ってことで。僕は落ち込む。
「まさか会ってないなんて思わなかった。だからそんな話したことなかったね。ごめんね。ママ教えてあげてなかったから。」
「ママは悪くないよ。そっか僕…目も見えないしママにばっかり迷惑かけてしまうね。」
「それは違うから。ユウのこと迷惑なんて思ったことないよ。王都で調べてみようか。行ってみる?」
嬉しいけどきっとそんな事例はないんじゃないかな思ってしまう。
「騎士団に戻ることを考えて下さい。」
ラウルさんが強く言う。
「くどい!エヴァルドとも話し合ったことだ。家のことに口をはさまないでくれないか。」
険悪なムードになってきた。僕のせいなのに。
「12歳になると皆学園に入る。その子はどうするつもりですか?あなたは死ぬまでその子の面倒をみるつもりですか?あなたが死んだら?1人で暮らしていけるんですか?今のうちから外の世界も知るべきだ。魔法が使えないんだったらなおさら。」
「うるさい。そんなことは分かってる。ユウのことは僕が守るって言ってるじゃないか。」
もうやめてほしい。僕のせいで二人が争ってるのは聞きたくなかった。それに気づいたママが抱き締める。
「ユウは、何も心配しなくていいから。ママがずっと一緒にいるから。」
ラウルさんのいう通りこのままでは僕は何も出来ないままだ。でも、目が見えない。魔法も使えないということは生活もできない。ライターなんてない世界だ。火すら点けられない。電子レンジも冷凍食品もない。火が点けなければ生活が出来ない。
「そこで、提案があります。俺とこの子で契約を結ばせてください。そうすればあなたは安心して仕事も出来る。守ることも出来ます。」
契約?魔法が使える世界で契約とかが書類ってことじゃないとは思うけど。
「…それは安心できるけど。それじゃ君が危険じゃないか。」
「この子は魔法が使えない。使えるようになったとしても目が見えない。確実に守れるのは俺位だと思いますよ。現実今日だって、俺がたまたま通りかからければ、その見えない者に連れ去られていたかもしれないですよ。」
ママが言葉に詰まってる。でも、契約で何故僕を守ることになるのか…しかもラウルさんが危険になるなんてそれはいけない気がする。
「僕は許可できない。もう用はないだろう。帰ってくれないか。」
「…わかりました。でも考えてみて下さい。では。」
帰ろうとしている。僕はラウルさんを呼び止めた。
「今日は、ありがとうございました。それと…僕の名前はユウです。この子とかあの子とか言われるのはちょっと…嫌です。生意気言ってすみません。」
生意気だよね。でも、ずっと団長の子とかあのそのとか、言われてるのが悲しかった。
「…あぁ。では。じゃあなユウ。」
と言って出ていった。初めてユウと呼ばれて嬉しくなる。
「ユウは、もしかしてラウルさんが好きなの?」
ママに言われて顔が熱くなる。好きとか考えたことなかったけど。匂いが消えたことに寂しく感じてしまう。
「ラウルさん。いい匂いがするんだ。会ったときから。」
ママが驚いた声を上げた。
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