悪女として処刑されたはずが、処刑前に戻っていたので処刑を回避するために頑張ります!

ゆずこしょう

文字の大きさ
34 / 50
処刑までのカウントダウン

エーデルワイスはカトレアの懐に潜り込む

しおりを挟む
お茶会が終わり、数日が経った。お茶会の時はこの数年を埋め合わせるかのようにお互いの近況を報告しあう会となった。一人と一匹を除いてだが…


お母様とフランチェスカが楽しそうに話しているのを私とカトレアは笑顔で眺める。そんな姿を見て何を思い出したのか、カトレアは少し寂しそうな顔をしていたような気もする。カトレアの懐に入るなら今がチャンスと思った私は、カトレアの膝の上にで丸くなった。猫が嫌いでなければ、大抵これでメロメロになるものだ。

「あら…エディちゃんは少し眠たいのね。ここで少し眠っていなさい。」

私の頭を軽く撫でながら話しかけてくるカトレアに「にゃぁ~」と軽く返事をする。こうやって見るとあまりカトレアが悪い人には見えない…これは毒されているということなのだろうか。
もしかしたら毒されているのは私ではなく、プリチーなエディちゃんにカトレアが毒されたのかもしれないけど。

そんなこんなでお茶会はあっという間に終わり、ここ数日はカトレアと一緒にお出かけする日が増えていた。



カトレアが馬車に乗ると、私も知らぬ顔で一緒に馬車に乗る。
ここ数日間、カトレアの行き先は孤児院ばかりだった。そう、以前お兄様は「嘘だと思う…」といっていたが、本当に孤児院でボランティアをしていたようだ。

「エディちゃんは猫でいいわね。自由気ままに生きられるもの…」
私の頭を軽く撫でながら、窓の外を見ているカトレア。
一緒に馬車に乗っていて思うけれど、カトレアは本当に悪い人なのだろうか…。
カトレアと孤児院を回っていても、子供たちはカトレアと遊ぶのを楽しみに待っていたという感じがするし、カトレアが来た時の子供たちの笑顔は本物だった。


そして、もう一つ気になることがある。カトレアと一緒にいるメイドのロベリアだ。このロベリア…あまりカトレアを守る気がないように感じる。それにロベリアが話しかけようとすると、カトレアの顔が一気に強張るのだ。


「カトレア様…」


「わ、わかっているわ。」


こうやって見ると、立場が逆に見えてくる。カトレアがロベリアの言いなりになっているような…そんな感じだ。


「カトレア様…」


「わ、わかっているって言っているの!!で、でも孤児院の子たちは悪くないじゃない…私のことを「お姉ちゃん」って慕ってくれているだけだもの…」


ロベリアがもう一度カトレアの名前を呼ぶと急に声を荒げて怒り始めた。話の内容的に孤児院の子たちに何かしら鍵があるように思えるが…
カトレアが声を荒げ始めると、ロベリアはカトレアのことをすごい冷めた目で見つめて、「カトレア様…」と呼んだ。本日一番の低い声で、ロベリアの周りだけ吹雪が降っていたような気がした。


にゃぁ~?大丈夫にゃ?
この雰囲気を打破しようと、カトレアの膝に座る。私の背中に顔を埋めながら「わかっているのよ…わかっているの…このままだとお母様が…」と小さい声でブツブツ言っているのが聞こえた。
必死に心を落ち着かせようとしているのだろう。
そんな状態のカトレアを見てか、ロベリアは急に足を床に”ドーン”と叩き落し、カトレアを睨みつけた。


「カトレア様。いい加減にしてください。このままでは約束を守っていただいたことにはなりません。この件は、旦那様へお伝えいたします。いいですね?」


「ま、待ってください…おじい様に伝えるのは…。明日こそは成功させますので…もう一日だけ猶予ください。お願いします!!」


どうやら、このロベリアという女。カトレアの祖父のメイドだったようだ。そしてカトレアは祖父におびえている…?いや…先ほど「お母さまが…」と仰っていたし、もしかしたら母親が人質に取られていて言うことを聞かないといけない立ち位置にいるのかもしれない。


カトレアの祖父…一人はカルミアの祖父でもある人か。元画家でそれが見込まれて男爵位を賜った人だ。
画家ということは絵を描くのが好きなのだろうか…そう考えると野望的なものはないような気がする。もう一人考えられるとしたら…ブラオベーレが以前言っていたことを思いだす。

「カトレアのお母様は大帝国トライアルの公爵令嬢だった。」


今日のカトレアの様子を見るに、今までの暴動はカトレアが行ったものではなく、この国にいる者たちがそれぞれで立ち上がったのかもしれない。国王もあんな状態だし、正直この国はなくなってもいいとさえ感じているのも事実。それぐらい今の王族は廃れているのだ。パキラたちはこの国がなくなったら困るといっていたけど、だったらサントノーレ国に吸収してもらった方がよっぽど国民のためになるだろう…。


そうすると…明日カトレアが起こす予定の孤児院での何かが…大帝国トライアルが関わっている何かなのだろう。


「明日であればまだ間に合う可能性があるのでは?」と、考えた私は一度屋敷に戻ったらブラオベーレのところに行って手紙を書いてもらうことにした。


勿論お兄様たちにも伝えるつもりだ。カトレアを見ていると正直行いたくなさそうに見えるし、説得すれば何とかなるかもしれないと思った私は次の行動をどうするか…頭を巡らせた。
しおりを挟む
感想 25

あなたにおすすめの小説

両親から甘やかされている妹を逆に私も甘やかしたら、とてもまともになりました。

木山楽斗
恋愛
伯爵令嬢であるウルティナは、妹であるエルリナに手をこまねいていた。 年の離れた妹である彼女は、両親から溺愛されており、わがままな性格になっていたのだ。 それを矯正するために、ウルティナは努力してきた。しかしいくら注意しても、エルリナには効果がなかったのである。 そこでウルティナは、自身が最も信頼している婚約者シルファルドに相談した。 すると彼からは、押して駄目なら引いてみること、つまりエルリナを甘やかすことを提案してきた。 戸惑いながらも、ウルティナは信頼している婚約者の案に乗ってみることにした。 元々は仲が良い姉妹だったこともあって、ウルティナは意図も簡単にエルリナのことを甘やかすことができた。 それに対して、エルリナはひどく困惑するのだった。 結果として、エルリナの性格はどんどんと矯正されていった。 厳しくしてくれていた姉に見放されてしまったのではないか。彼女はそのような思考から、まともにならなければ自分に未来がないと思い始めていたのである。

図書室で公爵弟に恋をしました。今だけ好きでいさせてください。

四折 柊
恋愛
 エリーゼは元子爵令嬢だったが今は平民として住み込みで貴族令嬢の家庭教師をしている。ある日雇い主からデザートブッフェ代わりに公爵家のガーデンパーティーに行ってくるようにと招待状を渡され半ば強制的に出席することになる。婚活の場となっている会場で自分には関係ないと、一人でケーキを食べつつ好みの花瓶を眺めていたら後ろから人にぶつかられ花瓶を落とし割ってしまった。公爵様に高そうな花瓶を弁償するお金がないので体(労働)で返すと申し出たら公爵邸の図書室の整理を頼まれることになる。それがきっかけで公爵弟クラウスと話をするうちに意気投合して二人の距離が縮まりエリーゼは恋をする。だが越えられない二人の身分差に悩み諦めようとするがそのときクラウスは……

報われなくても平気ですので、私のことは秘密にしていただけますか?

小桜
恋愛
レフィナード城の片隅で治癒師として働く男爵令嬢のペルラ・アマーブレは、騎士隊長のルイス・クラベルへ密かに思いを寄せていた。 しかし、ルイスは命の恩人である美しい女性に心惹かれ、恋人同士となってしまう。 突然の失恋に、落ち込むペルラ。 そんなある日、謎の騎士アルビレオ・ロメロがペルラの前に現れた。 「俺は、放っておけないから来たのです」 初対面であるはずのアルビレオだが、なぜか彼はペルラこそがルイスの恩人だと確信していて―― ペルラには報われてほしいと願う一途なアルビレオと、絶対に真実は隠し通したいペルラの物語です。

虐げられてきた妾の子は、生真面目な侯爵に溺愛されています。~嫁いだ先の訳あり侯爵は、実は王家の血を引いていました~

木山楽斗
恋愛
小さな村で母親とともに暮らしていアリシアは、突如ランベルト侯爵家に連れて行かれることになった。彼女は、ランベルト侯爵の隠し子だったのである。 侯爵に連れて行かれてからのアリシアの生活は、幸福なものではなかった ランベルト侯爵家のほとんどはアリシアのことを決して歓迎しておらず、彼女に対してひどい扱いをしていたのである。 一緒に連れて行かれた母親からも引き離されたアリシアは、苦しい日々を送っていた。 そしてある時彼女は、母親が亡くなったことを聞く。それによって、アリシアは深く傷ついていた。 そんな彼女は、若くしてアルバーン侯爵を襲名したルバイトの元に嫁ぐことになった。 ルバイトは訳アリの侯爵であり、ランベルト侯爵は彼の権力を取り込むことを狙い、アリシアを嫁がせたのである。 ルバイト自身は人格者であり、彼はアリシアの扱われた方に怒りを覚えてくれた。 そのこともあって、アリシアは久方振りに穏やかな生活を送れるようになったのだった。 そしてある時アリシアは、ルバイト自身も知らなかった彼の出自について知ることになった。 実は彼は、王家の血を引いていたのである。 それによって、ランベルト侯爵家の人々は苦しむことになった。 アリシアへの今までの行いが、国王の耳まで行き届き、彼の逆鱗に触れることになったのである。

3歳で捨てられた件

玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。 それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。 キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。

偽聖女に全てを奪われましたが、メイドから下剋上します。

ぽんぽこ@3/28新作発売!!
恋愛
孤児のアカーシャは貧乏ながらも、街の孤児院で幸せに過ごしていた。 しかしのちの聖女となる少女に騙され、家も大好きな母も奪われてしまう。 全てを失い絶望するアカーシャだったが、貴族の家のメイド(ステップガール)となることでどうにか生き延びていた。 マイペースなのに何故か仕事は早いアカーシャはその仕事ぶりを雇い主に認められ、王都のメイド学校へ入学することになる。 これをきっかけに、遂に復讐への一歩を進みだしたアカーシャだったが、王都で出逢ったジークと名乗る騎士を偶然助けたことで、彼女の運命は予想外の展開へと転がり始める。 「私が彼のことが……好き?」 復讐一筋だったアカーシャに、新たな想いが芽生えていく。

【完結】溺愛される意味が分かりません!?

もわゆぬ
恋愛
正義感強め、口調も強め、見た目はクールな侯爵令嬢 ルルーシュア=メライーブス 王太子の婚約者でありながら、何故か何年も王太子には会えていない。 学園に通い、それが終われば王妃教育という淡々とした毎日。 趣味はといえば可愛らしい淑女を観察する事位だ。 有るきっかけと共に王太子が再び私の前に現れ、彼は私を「愛しいルルーシュア」と言う。 正直、意味が分からない。 さっぱり系令嬢と腹黒王太子は無事に結ばれる事が出来るのか? ☆カダール王国シリーズ 短編☆

勇者パーティを追放された聖女ですが、やっと解放されてむしろ感謝します。なのにパーティの人たちが続々と私に助けを求めてくる件。

八木愛里
ファンタジー
聖女のロザリーは戦闘中でも回復魔法が使用できるが、勇者が見目麗しいソニアを新しい聖女として迎え入れた。ソニアからの入れ知恵で、勇者パーティから『役立たず』と侮辱されて、ついに追放されてしまう。 パーティの人間関係に疲れたロザリーは、ソロ冒険者になることを決意。 攻撃魔法の魔道具を求めて魔道具屋に行ったら、店主から才能を認められる。 ロザリーの実力を知らず愚かにも追放した勇者一行は、これまで攻略できたはずの中級のダンジョンでさえ失敗を繰り返し、仲間割れし破滅へ向かっていく。 一方ロザリーは上級の魔物討伐に成功したり、大魔法使いさまと協力して王女を襲ってきた魔獣を倒したり、国の英雄と呼ばれる存在になっていく。 これは真の実力者であるロザリーが、ソロ冒険者としての地位を確立していきながら、残念ながら追いかけてきた魔法使いや女剣士を「虫が良すぎるわ!」と追っ払い、入り浸っている魔道具屋の店主が実は憧れの大魔法使いさまだが、どうしても本人が気づかない話。 ※11話以降から勇者パーティの没落シーンがあります。 ※40話に鬱展開あり。苦手な方は読み飛ばし推奨します。 ※表紙はAIイラストを使用。

処理中です...