和風ファンタジー世界にて、最強の武士団の一員になる!

烏丸英

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第二章・少女剣士たちとの出会い

第二章の登場人物紹介

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主人公とその周りの人物


虎藤 燈とらふじあかり

ご存じ本作の主人公。高校二年生の十六歳。

狒々、猿鬼との戦いを終えてからも修行を重ね、『焔』をはじめとした技も幾つか習得。
基礎能力も向上し、着々と実力をつけている。

第二章では初めての対人戦を経験。
超重量高火力を誇る栞桜との戦闘を皮切りにして、その後は武神刀『おろち』による複雑な攻撃軌道といやらしい戦略を用いる斑と戦い、これを撃破。

別府屋との勝負の際には人質となっている人々を気遣って広範囲攻撃を使用しなかったものの、基礎的な能力のみで土蜘蛛たちを殲滅するなど、気力と『紅龍』の能力頼りではない戦い方を披露した。

自分を敵視し、またコンプレックスを抱いていた栞桜との関わり方に苦悩するものの、これをこころの助言もあり改善。
他者とどう関わるか? という一匹狼だったが故の悩みを克服し、栞桜ややよいとも良い関係を築けるようになった。

現在は桔梗邸にて栞桜たちと修行を重ねつつ、師である宗正の指示を待っている最中。
毎日のように手合わせを望んでくる栞桜のせいで若干疲れ気味ではあるが、迷惑とは思っていないようだ。



そう

燈の相棒にして兄弟子。
第一章では頼りになるお兄さん的な活躍を見せたが、今回は女の子に弱く、甘さが目立つという欠点も垣間見せた。

桔梗の弟子であるやよいに気に入られ、女性への免疫の無さを揶揄われることもしばしば。
その際には普段の冷静な様子が嘘であるかのように慌てた姿を見せる。

彼女たちが背負っているものを知り、やよいから最大の弱点である甘さを指摘された彼も燈同様に苦悩するが、「誰かを守るために刀を手にした」という自分自身の原点を振り返り、その甘さを貫けるくらいに強くなることを決心した。

その際、やよいに対して「自分にはもう何もない」と語っているが……?

現在はやよいのいたずらにも多少は慣れたものの、少しでも過激なことをされると本気で焦るため、まだまだ女性への免疫はつけられなさそうだ。


使用する技

海神乃怒わだつみのいかり

蒼のとっておきの一つ。
彼が編み出し、完成させた、オリジナルの技。

この世界の技は『剣技』『秘技』『奥義』『秘奥義』と分かれており、その中の秘奥義に分類される。(その辺の説明もいつかはしたいところです)

膨大な自身の気力を水へと変換、それを『時雨』に纏わせながら渦を巻くように回転させることで、水のドリルとでも呼ぶべき渦潮を発生させ、敵にぶつける技。
威力の高さはピカイチだが、取り回しの難しさと消耗がそれなりに激しいため、蒼のとっておきの中では一番弱い技のようだ。



椿つばき こころ

ヒロイン。第一章では影が薄かったが、第二章では戦えないながらも様々な部分で燈たちをサポートする活躍を見せた。

身請けされて以降は宗正の下で修業を重ねる燈たちの身の回りの世話を行い、炊事洗濯などを一手に引き受ける女子力を見せる。

燈たちに同行して訪れた昇陽では、自分と同じ女性ながらも武神刀を手にして戦いに臨む栞桜とやよいと出会い、自分の弱さを痛感。
同時に、燈の隣で戦い、彼を手助け出来る栞桜たちを羨ましく思う一方で、彼女が何かを抱えていることにもいち早く気が付き、その身を案じている。

上記の通りの身の回りの世話や、機転を利かせたサポートなどで燈たちを援護し、栞桜が一人で出て行った際には、彼女の居場所を突き止めるファインプレーを見せた。

栞桜たちとの関わりや、燈たちとの生活の中で、戦えない自分にも出来る手助けがあるということに気が付いたこころは前向きになり、今後も仲間たちをサポートするために努力することを決めた。

同年代の栞桜ややよいとも良い友人関係を築けたようであり、殺伐とした戦いとは無縁である彼女の存在は、燈たちにとって癒しになっていることは間違いないだろう。


宗正むねまさ

燈と蒼の師匠。今回の出番は二人に昇陽に行くように促すシーンのみ。

二人が連れ帰ったこころを孫のように溺愛するという、おじいちゃんムーブを見せるようになった。



栞桜しお

宗正と同じ天元三刀匠である桔梗の弟子の一人。黒髪ポニテ強気巨乳娘。(属性詰め込み過ぎた)

子供の頃に女子であることを理由に親から捨てられ、幕府が秘密裏に行っていた実験の被験者になったという過去を持つ。
そこでも女であることから優先して危険な実験を受けることになり、やよいを除く仲間たちもそのせいで全滅してしまったことから、自分が女であることに強いコンプレックスを抱いていた。

また、度重なる実験のせいで彼女の気力を操る器官はその機能を崩壊させており、『一定以上の気力を放出しようとすると持っている気力を全て放出してしまう』という欠点を抱えている。

その引き換えとして『人間離れした怪力』と『常人を遥かに超える気力量』を有するようになったが、自分が誰からも必要とされていない失敗作であるという思いは彼女の心に焼き付き、呪いとして常に彼女を苦しめ続けてきた。

そんな中で男であり、天賦の才を持つ燈と出合ってしまったが故に彼に対してに激しい嫉妬心を抱くと共に、苛烈ながらも根は優しい性格が災いして彼を憎み切ることが出来ないという苦悩を抱えることになってしまう。

積もりに積もったその苦しみは自分がどれだけ戦っても倒せなかった斑を燈が倒したことを切っ掛けに遂に爆発。
死に場所を求めるかのように別府屋との勝負に挑むが、そこで彼らも予想外であった洞窟内に住み着いていた土蜘蛛たちの強襲を受ける。

自分を圧倒し続けた斑の死を目の当たりにしたことで心が折れ、完全に自分に対する自信を失うも、彼女を追ってきた燈の言葉を受け、自分を信じてくれる人がいることを知り、弱い自分もまた自分自身であることを理解した栞桜は、欠点も含めた自分自身を好きになることで一皮剥け、成長を果たした。

騒動の後は強気で快活ながらも乙女チックという本来の性格を覗かせるようになり、自分を気遣ってくれたこころに不器用ながらも友達になってくれるように頼むなど、人当たりが柔らかくなっている。

なお、燈への好感度はかなり高いのだが、その感情が何であるかを彼女自身は理解していない。
理解したところで彼女が積極的にアプローチを仕掛けられるとは思えないので、もしかしたらこれはこれで良いのかもしれない。


所持武神刀

『金剛』

師匠である桔梗が栞桜に合わせて作った刀。
気力を注ぎ込むことで様々な形に変形するという能力を持つ。

巨大な大剣となり、敵を圧殺する第一の型『金剛』の他に、自身の気力を矢として放つ遠距離用武装、第二の型『比叡』が存在しており、まだ他にも型は存在する模様。

一か十かの気力放出しか出来ない栞桜にとって扱いやすい武神刀であると共に、仲間と協力することでどんな場面にも対応出来る優秀な武神刀でもある。

余談だが、当初は第二の型の名前は飛影にする予定だった。
変換した時に『比叡』となり、某艦娘をこれくしょんするゲームをやっていた作者が『『金剛』と『比叡』ってあれじゃん!」となったことで急遽名前が変更された。

なので、わかる人には型が幾つあるかとか、その名前もわかってしまう。
ちなみに僕は長女が好き。



やよい

桔梗のもう一人の弟子。小悪魔系ロリ巨乳。(こっちもそこそこ属性盛り過ぎた)

天真爛漫な性格であると共に、その見た目からは想像出来ないが周囲の状況を冷静に判断出来るだけの思考能力も有している。

戦いではその判断力で状況に最適な作戦を練り上げつつ、暗器や武神刀を用いて敵の調子を乱す戦法を用いることが多い。

栞桜同様、幕府の実験にかけられた過去を持ち、そのせいで『気力を少しずつしか放出出来なくなる』という欠点と女性としての器官に深い影響を与えられてしまった。

自分自身の過去や、死んでいった仲間たちのことを鑑みたやよいは、女性としての生き方を自ら捨てた。
どんな方法を使っても戦いに勝ち、全力で勝利を目指す……女性としての体も、武士としては見下げた戦法も、勝つためならば躊躇なく使うという決意を持つ彼女は、自分の命すらも全体の勝利のためならば捨てても構わないという冷徹が過ぎる考えを持っている。

しかして、決して彼女が冷たい人間というわけではなく、親友である栞桜を気遣ったり、新たに仲間となった燈たちとも上手くやっていこうとするだけの人当たりの良さも有している。

燈たちと合流してからは、過去に出会った恩人と姿を重ねた蒼を気に入り、彼の甘さを排除しようと様々な助言を行う。
結局、彼が甘さを捨てられないと宣言し、その上で甘さを貫き通すという意思を固めたことでその意見を尊重し、代わりにそんな彼を見守りつつ、尻に敷くことを決めたようだ。

そういった事情を抜きにしても、自分のいたずらに良い反応を見せてくれる蒼のことは気に入っているようで、女性に初心な彼を揶揄ってはケタケタと笑い転げている。

そのいたずらがあくまでいたずらどまりなのか、それとも本気のアプローチが混じっているのかは、やよいのみが知ることである。



所持武神刀

『青空』

栞桜同様、桔梗がやよいのために制作した武神刀。

気力を注ぐことでけん玉の形に変形し、そこから更に気力を用いることで球を操作して、敵への遠距離攻撃を行うことが出来るようになる。

ゆるゆるとしか気力を注げないというやよいの弱点をカバーするために少ない気力で操作が出来るようになっており、時間が経てば球の攻撃速度は加速度的に増していく。

見た目はけん玉であるが、そこは武神刀。
飛んでくる球も鉄の塊であるため、まともに喰らえば内臓は破裂するし骨も砕ける。

相手をする時は油断禁物。子供のようなやよいと色んな意味でマッチした武神刀。


使用する技

『妙技・釘打ち』

宙に浮かせた球をけん玉で打って敵に飛ばす技。
見た目が釘を打っているように見えることから名付けた。



西園寺 桔梗

宗正と同じ天元三刀匠の名を冠する刀匠であり、戦装束をはじめとした数々の名衣類を作り出すことが出来る裁縫職人。
幕府とのいざこざの後に失敗作の烙印を押された栞桜、やよいを引き取り、弟子として育てながら、西の都でも名高い職人として仕事を行っていた。

既に妙齢の女性ながら、その見た目はまだ若々しく美しさを保っている。
そういった美貌と地位を併せ持ちながら、師としても母としても栞桜とやよいに尊敬されるだけの人格者でもある。

若い頃は宗正たちと共に暴れ回り、それなりの武勇伝を残す剣士でもあった。
今現在は刀を持つことは少ないが、その頃の名残りを思わせる迫力を時々発揮し、弟子たちを叱り飛ばすらしい。

時に厳しく、時に優しく、愛する娘たちを育てるようにして二人に接するその姿は母そのもの。
栞桜の苦悩にも気が付いてはいたが、長年一緒に居過ぎたが故に彼女の言葉は栞桜には届かず、何か栞桜の心の殻をぶち壊せる切っ掛けが来ることを願っていた。

栞桜を苦悩から解放してくれた燈たちには非情に感謝しており、屋敷で手厚くもてなすと共にこれからの成長を見守っている。

余談ではあるが、栞桜もやよいも彼女の養子として扱われているため、苗字として西園寺を持つ。





その他の登場人物たち


竹元 順平たけもとじゅんぺい

燈を崖から突き落とし、こころを遊郭に売り飛ばした2-Aの男子生徒。

前回の戦の際に失態を犯し、更には戦力の主柱でもあった日村を失ったことで所有していた軍の士気はがた落ちとなってしまった。
つまりは落ち目の男である。

その状況をどうにかするために、別府銀次郎の誘いに乗って桔梗の戦装束と銀次郎が紹介してくれる武士たちを手に入れるために昇陽へと向かい、別府屋武士団に合流。
彼らと共に八百長勝負に臨んだが、予想外の事態の連発によって何も出来ずに気絶。勝負が終わるまで眠りこけていることとなった。

戦いに敗北したことで別府屋からも見捨てられ、勝者となった栞桜の命令で屈辱の謝罪をさせられた上に、期待させておいて役立たずだったという恨みから金太郎が周りの商人たちに順平の悪評を広めた結果、その噂は遠く離れた学校に届くまで広まってしまった。

その後、元々が落ち目であり、部下たちからの信頼も失っていたこともあり、竹元軍は解体され、一兵卒へと格下げされるという処分を受ける。
頑張って遠出したのに手に入れたのは悪評だけ、他は色々と失うという散々な目に遭っており、これからも彼の受難は続くことになるだろう。



別府 金太郎べっぷきんたろう

昇陽に店を構える別府屋の大旦那にして、黒い噂が絶えない人物。
商人としては有能ではあるのだが、強引な取引や嘘や虚偽の情報を流すことによって自分の持つ物の価値を吊り上げるといった、様々な違法手段を用いてその地位と財力を手にしてきた外道でもある。

天下一の被服職人である桔梗と専属契約を結ぶために度々彼女の屋敷を訪れており、彼女の弟子である栞桜とやよいに剣士としての道を諦めさせることによって、桔梗の作品を優先的に作らせようと目論んでおり、そのために大量の武士を雇い入れている。

腕利きの剣豪、くちなわ兄弟を主軸に作り上げた別府屋武士団は豊富な財力を武器に成り上がろうとしていくが、本格的な活動を始める前に崩壊してしまった。

そこに至るまでに大量の資金を使い、投資していた武士団事業が頓挫してしまったため、今はどうにかしてその負債を解消すべく商人としての事業に精を出している。

桔梗との契約も、竹元を利用して英雄一味に加わるという野望も諦めた金太郎だが、これまでの悪評が祟り経営はなかなか厳しい模様。
その苛立ちのままに順平の悪評を愚痴ったことで彼の不幸を呼び寄せたという点は評価出来るかもしれない。



毒島 斑ぶすじま まだら

弟のまむしと共に金太郎に雇われている剣士。
細く骨ばった顔と鋭い目が蛇を思わせることや、所有している『おろち』の能力から『くちなわ兄弟』として知られている。

栞桜ややよいも参加させられた幕府の実験における成功作の一人であり、能力の高さと武神刀の扱いの巧さから一族でも将来を有望視されていた。

しかし、生まれ持った才と実験によって常人を超える気力量を得たせいで過剰ともいえる自信を身につけてしまい、傲慢で他者を見下す性格となってしまう。
『おろち』の能力で楽々敵を倒せることも彼の増長に手を貸してしまい、結果として日々の訓練も真面目に行わない才能に溺れた剣士となってしまった。

燈たちと出会う前は剣士たちとの立ち合いでは連戦連勝。
栞桜との勝負も負けなしで戦い抜いており、その実力は決して低くはない。

だが、鍛錬を行っていなかったが故の基礎能力の低さを燈に見抜かれた結果、自慢の戦法もまるで通じずに彼の前に敗れ去った。

その後、金太郎の手引きで弟や順平をはじめとした別府屋武士団と共に八百長勝負に臨むが、土蜘蛛の出現という予想外の事態に遭遇。

武神刀を振るって妖に対抗するも、これまで一対一の戦いしかしてこなかったことや仲間を見下す性格が災いして、連携を取れぬまま味方の被害を増やすという失態を重ねてしまう。

結果的に上記の理由から孤立したところを土蜘蛛に不意打ちされ、誰からも助けてもらえずに戦死してしまった。

ちなみにだが、弟の蝮は燈たちに助けられて無事に生存している。



所持武神刀

『おろち』

長さ数メートルにも及ぶ薄い刀身を持つ武神刀。
蛇腹剣というより腰帯剣の分類に属する。

腕を振らずとも気力による操作が可能であり、それを活かして一方的に相手を嬲る戦法を毒島一族は得意としていた。

しかし、その便利過ぎる能力が祟り、使用者の慢心を招くという一面も持っている。

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