俺はBLじゃない!

白猫

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振り向いて、欲しくて…

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俺はテオ・カディス。カディス家の次男だ。そして、ディル・クローズの護衛役でもある。
実のところ、俺はディルに惚れている。
「はぁ。……なんで服を掴んだまま寝るんだよ。可愛すぎ」
ベットの上でしかも一緒に…隣にいるディルの顔を撫でた。柔らかくて暖かい。今、ディルにキスをしたら気づかれるだろうか。
(あぁ、可愛い。キスしたい。ディルが欲しい)
この感情に気づいたのは俺とディルが6歳になる誕生日の日だった。今までは友人として護衛役としてそばにいたのに、あの日気づいてしまった。


『ディルちゃーん!テオちゃーん!お誕生日おめでとう!』
『ありがとうお母様!お父様!テオもおめでとう!』
『ありがとう。ディルもおめでとう』
ここまでが普通だった。今まで通りだったのだ。
でも、ディルが薔薇の道に行こうと誘ってそこへ行く時…
『テオ……俺の前では本当のお前でいて欲しい。俺たち友達だろ?護衛役だからいるんじゃなくて友達として見てほしい。いつもお前を見てると…なんか全部が嘘のように思うんだ』
俺は驚いた。何故そんな事に気づいたのだろう。俺はバレないようにしてきた自身はあったのに…。
『テオ、お前はお前だ。俺の前だけでいい。もう、嘘で笑ったり話したりするのは止めてほしい。だから、無理するな』
無理するな……。俺はその言葉が何故か響いた。
こいつは本当の俺を見てくれる。そう思えた。
『……分かった』
俺がそう言うと、ディルは俺の目の前で優しく笑って
『うん!』
と、俺を受け止めた。あぁ、なんて優しい子なんだろう。俺は家のことで色々とプレャーや不安、緊張。その全てが起こっていたのだ。
それを、ディルが全て、その笑顔で打消した。
『テオ!早く行こうー!』
振り向くディルを見た時、俺の胸は急に高鳴った。
ドックン           ドックン
体中が熱くて…ディルの事ばかりを思い始めた。
(なんだこれ……なんだよ…これはっ)
ドックン           ドックン
心臓の……胸の高鳴りは治まらない。この現象を、本で読んだことがある。

心臓が強くドキドキとした場合…

又は、その人のことばかりを考えて……思ってしまう場合……

   それは

   恋の始まりの合図

だと……。
しかも、それが初めてなら、初恋だと言うことを……




その日から俺はこいつの傍を離れなかった。ずっと見ていた。
「俺はあの日からお前が好きで好きで……愛おしくて…堪らないんだよ。なぁ、ディル。俺を見てくれ」
ディルは走った疲れで寝ているため聞こえていないだろう。でも、そんな事を口にしたのは、いつかディルも俺のことを好きになって欲しいと思ったからだ。
「ディル、好きだよ。世界一……どんな綺麗な女性でも……俺はディルだけを愛してる」
俺はそう言ってディルのデコにキスをした。
いつか、好きになってくれるよう、願ってー……。
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