41 / 43
甘霧日記
それが私の流儀
しおりを挟む
「花丸くん、今日も行くのかしら?」
午前の補習を終え、昼食後の放送室にて。
橘が俺に各務原とのテニスの練習のことについて尋ねてきた。
「ああ」
「足は治ったの?」
「攣っただけだから」
「昨日みたいに無理したら駄目よ」
「わかってるって。それに昨日は久々にやって筋がびっくりしただけだから。今日は余裕」
「どうかしらね」
「でもまるモンって運動神経いいんだね。意外だった」
「花丸くん、体力テストAだものね」
「えっ! そうなの?」
橘の発言に対し安曇は驚いた表情を見せた。
「別に普通だろ。あれって絶対評価だし。体力つけるのに才能は要らないからな。俺って健康志向だから、家帰ったあと走ったりしてるぜ。一人で」
「だから最近不審者情報が多いのね」
「おい」
「でも野球は上手くなかったって言ってたのに」
安曇は不思議そうな顔をする。
「試合に出られなかったのは、チームの選手層が厚かったからだよ。何回か全国大会出てるようなクラブだったからな。それに俺あんま野球好きじゃなかったし」
「え? じゃあなんでやってたの?」
「よく覚えてないんだが、親父が野球好きで小学校入ったらいつの間にか野球やってたな。今思えばそれのおかげで多少は体も動かせるようになったんだと思うが」
「へえー、じゃあテニスは好きだったの?」
「自分で選んだからな。上手く打てればそれなりに楽しく思えた。野球のおかげで他の奴より体力はあったし。それに俺の練習相手は超優秀だったからな。俺がどんなに強い球を、どこに打っても確実に返してきた」
「……花丸くん。気づいていないのかもしれないけれど、壁はお友達になってくれないのよ」
なんでだろう。橘が優しい顔をする時、大抵すごく悲しい気分になるんだけど。
「……いいことを教えておいてやろう。勘の良い奴はあまり好かれないんだぜ」
「そう。逆に言うけど、鈍い男も嫌われるわよ。時々、あなたのこと刺したくなる」
「あら、そんなことしてもなんの解決にもならないわよ、橘さん。私を刺したりなんかしたら、あなた捕まるわよ」
橘は眉を釣り上げたがそのまま話を続けた。
「大丈夫よ。あなたが死んだあと私も後を追うつもりだから。……六、七十年はタイムラグが生じるかもしれないけれど」
それは確実に天寿を全うしてますね。
「それ普通に長生きじゃん」
「星にとって人の一生なんて一瞬だわ。誤差の範囲よ」
「嫌だわ橘さん。冗談がきついんだから」
「……そろそろ怒るわよ」
そういうやつは大抵既に怒っている。お仕置きされそうだと思ったのでそのへんでやめておいた。
時間を見るといい頃合いだ。
「……じゃあそろそろ行ってくるわ。お前らは適当に時間つぶしとけ」
「どうしてあなたにやることを決められないといけないのかしら?」
「……俺は何をしろとも言ってないんだが」
「私をいいようにできるなんて思わないで頂戴」
……めんどくせえ。
約束したように、各務原の練習相手をするためテニスコートに向かう。今日は昨日の反省を踏まえてちゃんと運動着を持参した。
各務原の相談は他の部員がまじめに練習しないことについてだった。対症療法的に俺と練習することになったが、それでは本当の意味で問題を解決はできない。さてどうしたものかね。少なくとも各務原のほかにもう一人、真面目に練習に取り組むやつがいればいいんだが。……出来れば部の中で力を持ってる奴。……顧問のやる気を起こさせるのはなかなか難しいだろうな。我が校のモットーは文武両道ではあるが、運動部系の実績で目立つ者は今年はサッカー部のインターハイ出場があったが、数年タームで見れば運動に力を入れている学校ではないことは確かだ。
んー、おいおい考えるとしよう。
それはそれとして……。コートの脇には何故か応援団(疑)がいた。
来なくていいと言ったのに、橘と安曇がコート横で練習風景を観察しているのだ。運動着まで着ていて、もしかして彼女らもテニスをしたいのかと思って声をかけたのだが、そういうわけではないらしい。暑いのに物好きなものだ。
やることは昨日とほとんど同じだ。俺が球出しをして、各務原がそれを打ち返す。
弓なりのロブショット、低く速いシュート。高さ速さ打つ場所を様々に変えながら、ひたすら反復練習をする。
多くの生徒が学校祭の準備に取り組む午後の神宮高校に、ソフトテニスのボールを打つ音が響いていた。
ちょうど体が温まってきた頃合いかと言う時のことだった。
がやがやと複数人が話しながらテニスコートにやってきた。
「誰だ?」
俺はコートの反対側で汗を流していた各務原に来訪者の正体を尋ねた。六人ばかりがラケットを持って入り口付近に立っている。
「うちの先輩だな」
なるほど。さすがに何日もボールを触らないでいるのはまずいと思ったのか知らないが、誰かがボールを触っている様子を見つけて、コートを覗きに来たらしいな。
「誰がやってんのかと思ったら、各務原じゃないか」
そのうちの一人が声をかけてきた。
「ちわっす」
各務原は上級生たちに対し挨拶をして、軽く頭を下げた。
そしたらその上級生は今度は俺の方を見てから、
「そいつクラスのやつか?」
と尋ねてくる。
「クラスは違いますが、練習に付き合ってもらってます」
「へえ。……どっちにせよ部外者をコートに入れるのはルール違反だろ」
「え、でも先生は別に自主練するのはいいって」
「それは部員の話だろ。部外者入れていいなんて先生も俺も言ってないぜ」
なんかめんどくさい事態になったな。話している感じから、この上級生がキャプテンらしい。
「妙なこと言うわね」
俺がどうやって場を丸く収めようかと考えていたら、橘がいつの間にかこちらに来ていて、口をはさんできた。そして言うには
「ここは学校の所有物であって別にテニス部だけのものではないでしょう。現に体育とかでも使用しているじゃないですか」
やばい。火に油を注ぐことには定評のある橘さんが、さっそく火種にガソリンを撒き始めたぞ。
「……君は何となく知ってるぞ。確か放送部の」
「あら先輩、私の事知っていてくださったのですね。私はあなたのこと知りませんけど」
お願いやめて。
キャプテンは若干顔をひきつらせたが、苦笑いしながら俺の方を向き直って
「じゃあ、君は花丸君か」
「はいそうです」
キャプテンはそれなりに人格者であるらしく、橘の言動を受け流すだけの度量があったようだ。
彼は少し考えこんでから何か思いついたようで、
「じゃあこうしよう。俺たちと各務原・花丸ペアで試合をして、君らが勝ったら今後もここで練習していいよ。もちろん自主練の時だけだけど」
「じゃあ先輩が勝ったら俺はここに立ち入れなくなるってことですか?」
「そう。……それと俺たちが勝ったら君のとこの女子、どっちか一人くれよ」
何という条件を出してきたのだこの男は。そんなものは俺の判断で決められるようなものじゃない。
「いやあ、さすがにそれは」
「じゃあやめるか?」
「いくらなんでも酷すぎますよ」
部外者相手にするような要求ではない。大げさに言ってしまえば、人身売買をするようなものではないか。
「もちろん放送部の仕事があるならそっちを優先してくれて構わない。でもずっと放送してるってわけでもないんだろ。うち今マネージャーがけがしちゃって部活出来ないんだよ。彼女が戻ってくるまででいいから、ちょっと手伝ってほしいんだ」
あ、くれってそういうことか。てっきり自分のものにする気かと……。
「どっちかって、どっちですか?」
安曇はいい子だし、俺がお願いしたらやってくれるかもしれない。だが橘は俺の言うことなんて素直に聞きやしないだろう。それにこいつを他所にやること自体不安でしかない。絶対もめ事を起こすに違いない。……少しの間、放送部に平穏が訪れるという点では、橘をテニス部に派遣することは俺にとっても魅力的な提案になるが。……わざと負けたろかな。そんでごり押しでテニス部に行かせて……。殴られるな。うん。
「じゃあ、可愛い方」
下品なことを言う。こういう人間が将来、中間管理職に就いて部下の女子社員にセクハラをするんだろうな。あーやだやだ、と思いながらも
「……可愛い方とは?」
と確認をとった。
「それは主観で決まるんだから、君がそう思う方を寄こしてくれればいい」
それ、俺がどっち選んで差し上げても、放送部が血の海になるじゃないですか。
橘に打たれるのは嫌なので、ここは退くべきでは、と考えていたら
「いいわよ。受けて立つわ」
「ねえ橘さん。試合するの君じゃないでしょ」
然も自信ありげに引き受けていますが。
橘はにんまりと笑みを浮かべて俺を見て
「もし負けてもそれを理由に花丸くんを詰れるでしょう。花丸くんを詰るチャンスがあるなら、それを捨てないのが私の流儀よ」
「そんな流儀捨てちまえ」
午前の補習を終え、昼食後の放送室にて。
橘が俺に各務原とのテニスの練習のことについて尋ねてきた。
「ああ」
「足は治ったの?」
「攣っただけだから」
「昨日みたいに無理したら駄目よ」
「わかってるって。それに昨日は久々にやって筋がびっくりしただけだから。今日は余裕」
「どうかしらね」
「でもまるモンって運動神経いいんだね。意外だった」
「花丸くん、体力テストAだものね」
「えっ! そうなの?」
橘の発言に対し安曇は驚いた表情を見せた。
「別に普通だろ。あれって絶対評価だし。体力つけるのに才能は要らないからな。俺って健康志向だから、家帰ったあと走ったりしてるぜ。一人で」
「だから最近不審者情報が多いのね」
「おい」
「でも野球は上手くなかったって言ってたのに」
安曇は不思議そうな顔をする。
「試合に出られなかったのは、チームの選手層が厚かったからだよ。何回か全国大会出てるようなクラブだったからな。それに俺あんま野球好きじゃなかったし」
「え? じゃあなんでやってたの?」
「よく覚えてないんだが、親父が野球好きで小学校入ったらいつの間にか野球やってたな。今思えばそれのおかげで多少は体も動かせるようになったんだと思うが」
「へえー、じゃあテニスは好きだったの?」
「自分で選んだからな。上手く打てればそれなりに楽しく思えた。野球のおかげで他の奴より体力はあったし。それに俺の練習相手は超優秀だったからな。俺がどんなに強い球を、どこに打っても確実に返してきた」
「……花丸くん。気づいていないのかもしれないけれど、壁はお友達になってくれないのよ」
なんでだろう。橘が優しい顔をする時、大抵すごく悲しい気分になるんだけど。
「……いいことを教えておいてやろう。勘の良い奴はあまり好かれないんだぜ」
「そう。逆に言うけど、鈍い男も嫌われるわよ。時々、あなたのこと刺したくなる」
「あら、そんなことしてもなんの解決にもならないわよ、橘さん。私を刺したりなんかしたら、あなた捕まるわよ」
橘は眉を釣り上げたがそのまま話を続けた。
「大丈夫よ。あなたが死んだあと私も後を追うつもりだから。……六、七十年はタイムラグが生じるかもしれないけれど」
それは確実に天寿を全うしてますね。
「それ普通に長生きじゃん」
「星にとって人の一生なんて一瞬だわ。誤差の範囲よ」
「嫌だわ橘さん。冗談がきついんだから」
「……そろそろ怒るわよ」
そういうやつは大抵既に怒っている。お仕置きされそうだと思ったのでそのへんでやめておいた。
時間を見るといい頃合いだ。
「……じゃあそろそろ行ってくるわ。お前らは適当に時間つぶしとけ」
「どうしてあなたにやることを決められないといけないのかしら?」
「……俺は何をしろとも言ってないんだが」
「私をいいようにできるなんて思わないで頂戴」
……めんどくせえ。
約束したように、各務原の練習相手をするためテニスコートに向かう。今日は昨日の反省を踏まえてちゃんと運動着を持参した。
各務原の相談は他の部員がまじめに練習しないことについてだった。対症療法的に俺と練習することになったが、それでは本当の意味で問題を解決はできない。さてどうしたものかね。少なくとも各務原のほかにもう一人、真面目に練習に取り組むやつがいればいいんだが。……出来れば部の中で力を持ってる奴。……顧問のやる気を起こさせるのはなかなか難しいだろうな。我が校のモットーは文武両道ではあるが、運動部系の実績で目立つ者は今年はサッカー部のインターハイ出場があったが、数年タームで見れば運動に力を入れている学校ではないことは確かだ。
んー、おいおい考えるとしよう。
それはそれとして……。コートの脇には何故か応援団(疑)がいた。
来なくていいと言ったのに、橘と安曇がコート横で練習風景を観察しているのだ。運動着まで着ていて、もしかして彼女らもテニスをしたいのかと思って声をかけたのだが、そういうわけではないらしい。暑いのに物好きなものだ。
やることは昨日とほとんど同じだ。俺が球出しをして、各務原がそれを打ち返す。
弓なりのロブショット、低く速いシュート。高さ速さ打つ場所を様々に変えながら、ひたすら反復練習をする。
多くの生徒が学校祭の準備に取り組む午後の神宮高校に、ソフトテニスのボールを打つ音が響いていた。
ちょうど体が温まってきた頃合いかと言う時のことだった。
がやがやと複数人が話しながらテニスコートにやってきた。
「誰だ?」
俺はコートの反対側で汗を流していた各務原に来訪者の正体を尋ねた。六人ばかりがラケットを持って入り口付近に立っている。
「うちの先輩だな」
なるほど。さすがに何日もボールを触らないでいるのはまずいと思ったのか知らないが、誰かがボールを触っている様子を見つけて、コートを覗きに来たらしいな。
「誰がやってんのかと思ったら、各務原じゃないか」
そのうちの一人が声をかけてきた。
「ちわっす」
各務原は上級生たちに対し挨拶をして、軽く頭を下げた。
そしたらその上級生は今度は俺の方を見てから、
「そいつクラスのやつか?」
と尋ねてくる。
「クラスは違いますが、練習に付き合ってもらってます」
「へえ。……どっちにせよ部外者をコートに入れるのはルール違反だろ」
「え、でも先生は別に自主練するのはいいって」
「それは部員の話だろ。部外者入れていいなんて先生も俺も言ってないぜ」
なんかめんどくさい事態になったな。話している感じから、この上級生がキャプテンらしい。
「妙なこと言うわね」
俺がどうやって場を丸く収めようかと考えていたら、橘がいつの間にかこちらに来ていて、口をはさんできた。そして言うには
「ここは学校の所有物であって別にテニス部だけのものではないでしょう。現に体育とかでも使用しているじゃないですか」
やばい。火に油を注ぐことには定評のある橘さんが、さっそく火種にガソリンを撒き始めたぞ。
「……君は何となく知ってるぞ。確か放送部の」
「あら先輩、私の事知っていてくださったのですね。私はあなたのこと知りませんけど」
お願いやめて。
キャプテンは若干顔をひきつらせたが、苦笑いしながら俺の方を向き直って
「じゃあ、君は花丸君か」
「はいそうです」
キャプテンはそれなりに人格者であるらしく、橘の言動を受け流すだけの度量があったようだ。
彼は少し考えこんでから何か思いついたようで、
「じゃあこうしよう。俺たちと各務原・花丸ペアで試合をして、君らが勝ったら今後もここで練習していいよ。もちろん自主練の時だけだけど」
「じゃあ先輩が勝ったら俺はここに立ち入れなくなるってことですか?」
「そう。……それと俺たちが勝ったら君のとこの女子、どっちか一人くれよ」
何という条件を出してきたのだこの男は。そんなものは俺の判断で決められるようなものじゃない。
「いやあ、さすがにそれは」
「じゃあやめるか?」
「いくらなんでも酷すぎますよ」
部外者相手にするような要求ではない。大げさに言ってしまえば、人身売買をするようなものではないか。
「もちろん放送部の仕事があるならそっちを優先してくれて構わない。でもずっと放送してるってわけでもないんだろ。うち今マネージャーがけがしちゃって部活出来ないんだよ。彼女が戻ってくるまででいいから、ちょっと手伝ってほしいんだ」
あ、くれってそういうことか。てっきり自分のものにする気かと……。
「どっちかって、どっちですか?」
安曇はいい子だし、俺がお願いしたらやってくれるかもしれない。だが橘は俺の言うことなんて素直に聞きやしないだろう。それにこいつを他所にやること自体不安でしかない。絶対もめ事を起こすに違いない。……少しの間、放送部に平穏が訪れるという点では、橘をテニス部に派遣することは俺にとっても魅力的な提案になるが。……わざと負けたろかな。そんでごり押しでテニス部に行かせて……。殴られるな。うん。
「じゃあ、可愛い方」
下品なことを言う。こういう人間が将来、中間管理職に就いて部下の女子社員にセクハラをするんだろうな。あーやだやだ、と思いながらも
「……可愛い方とは?」
と確認をとった。
「それは主観で決まるんだから、君がそう思う方を寄こしてくれればいい」
それ、俺がどっち選んで差し上げても、放送部が血の海になるじゃないですか。
橘に打たれるのは嫌なので、ここは退くべきでは、と考えていたら
「いいわよ。受けて立つわ」
「ねえ橘さん。試合するの君じゃないでしょ」
然も自信ありげに引き受けていますが。
橘はにんまりと笑みを浮かべて俺を見て
「もし負けてもそれを理由に花丸くんを詰れるでしょう。花丸くんを詰るチャンスがあるなら、それを捨てないのが私の流儀よ」
「そんな流儀捨てちまえ」
0
あなたにおすすめの小説
【完結】好きって言ってないのに、なぜか学園中にバレてる件。
東野あさひ
恋愛
「好きって言ってないのに、なんでバレてるんだよ!?」
──平凡な男子高校生・真嶋蒼汰の一言から、すべての誤解が始まった。
購買で「好きなパンは?」と聞かれ、「好きです!」と答えただけ。
それなのにStarChat(学園SNS)では“告白事件”として炎上、
いつの間にか“七瀬ひよりと両想い”扱いに!?
否定しても、弁解しても、誤解はどんどん拡散。
気づけば――“誤解”が、少しずつ“恋”に変わっていく。
ツンデレ男子×天然ヒロインが織りなす、SNS時代の爆笑すれ違いラブコメ!
最後は笑って、ちょっと泣ける。
#誤解が本当の恋になる瞬間、あなたもきっとトレンド入り。
サンスクミ〜学園のアイドルと偶然同じバイト先になったら俺を3度も振った美少女までついてきた〜
野谷 海
恋愛
「俺、やっぱり君が好きだ! 付き合って欲しい!」
「ごめんね青嶋くん……やっぱり青嶋くんとは付き合えない……」
この3度目の告白にも敗れ、青嶋将は大好きな小浦舞への想いを胸の内へとしまい込んで前に進む。
半年ほど経ち、彼らは何の因果か同じクラスになっていた。
別のクラスでも仲の良かった去年とは違い、距離が近くなったにも関わらず2人が会話をする事はない。
そんな折、将がアルバイトする焼鳥屋に入ってきた新人が同じ学校の同級生で、さらには舞の親友だった。
学校とアルバイト先を巻き込んでもつれる彼らの奇妙な三角関係ははたしてーー
⭐︎第3部より毎週月・木・土曜日の朝7時に最新話を投稿します。
⭐︎もしも気に入って頂けたら、ぜひブックマークやいいね、コメントなど頂けるととても励みになります。
※表紙絵、挿絵はAI作成です。
※この作品はフィクションであり、作中に登場する人物、団体等は全て架空です。
『クラスで一番モテない男が、幼なじみと“仮恋人契約”したら、本物の恋に気づいてしまった件』~報酬はプリン100個。彼女が部屋でだけ甘えん坊
月下花音
恋愛
【完結済/ハッピーエンド保証】
「ねえ、私の彼氏になりなさいよ」
「……は?」
大学1年の春。クラスで一番モテない男・藤堂健は、幼なじみの白石玲奈からトンデモない提案を受ける。
彼女は容姿端麗、成績優秀、そして近寄る男を氷のような視線で排除する、通称“氷の女王”。
そんな彼女が差し出したのは、2週間の『仮恋人契約』だった。
条件:完璧な彼氏を演じること。
報酬:高級プリン100個。
「断ったら……どうなるか分かってるわよね?」
「よ、喜んで!」
プリンに釣られて(脅されて)始まった契約生活。
しかし、いざ始まってみると――。
「……健、手繋いでいい?」
「……演技だから、もっとくっついて」
「……帰りたくない。今日は泊まっていっていい?」
おい、ちょっと待て。
これ、本当に演技なのか?
ただの幼なじみだったはずの彼女が、契約期間中だけ見せる無防備な顔、甘い声、そしてとろけるような笑顔。
これは演技なのか、それとも――?
「契約とか関係ない。俺は、お前が好きだ」
モテない男と氷の女王。
嘘から始まった恋が、世界で一番甘い「本物」に変わるまでの、2週間の奇跡。
陰キャ幼馴染に振られた負けヒロインは俺がいる限り絶対に勝つ!
みずがめ
恋愛
★講談社ラノベ文庫新人賞佳作を受賞しました!
杉藤千夏はツンデレ少女である。
そんな彼女は誤解から好意を抱いていた幼馴染に軽蔑されてしまう。その場面を偶然目撃した佐野将隆は絶好のチャンスだと立ち上がった。
千夏に好意を寄せていた将隆だったが、彼女には生まれた頃から幼馴染の男子がいた。半ば諦めていたのに突然転がり込んできた好機。それを逃すことなく、将隆は千夏の弱った心に容赦なくつけ込んでいくのであった。
徐々に解されていく千夏の心。いつしか彼女は将隆なしではいられなくなっていく…。口うるさいツンデレ女子が優しい美少女幼馴染だと気づいても、今さらもう遅い!
※他サイトにも投稿しています。
※表紙絵イラストはおしつじさん、ロゴはあっきコタロウさんに作っていただきました。
クラスで3番目に可愛い無口なあの子が実は手話で話しているのを俺だけが知っている
夏見ナイ
恋愛
俺のクラスにいる月宮雫は、誰も寄せ付けないクールな美少女。そのミステリアスな雰囲気から『クラスで3番目に可愛い子』と呼ばれているが、いつも一人で、誰とも話さない。
ある放課後、俺は彼女が指先で言葉を紡ぐ――手話で話している姿を目撃してしまう。好奇心から手話を覚えた俺が、勇気を出して話しかけた瞬間、二人だけの秘密の世界が始まった。
無口でクール? とんでもない。本当の彼女は、よく笑い、よく拗ねる、最高に可愛いおしゃべりな女の子だったのだ。
クールな君の本当の姿と甘える仕草は、俺だけが知っている。これは、世界一甘くて尊い、静かな恋の物語。
虚弱姫はコワモテ将軍の筋肉に触りたい
隙間ちほ
恋愛
無骨な英雄×病弱な筋肉フェチ姫
辺境伯の末娘エルナは、領軍の英雄マテウスとの結婚が決まった。政略結婚――のはずが、実は姫は将軍の熱烈なファン。ノリノリで嫁ぐ一方、当のマテウスは「か弱い姫君に嫌われている」と思い込み、距離を取ってしまう……。
筋肉と鼻血とすれ違いラブコメ。
超高速展開、サクッと読めます。
小さい頃「お嫁さんになる!」と妹系の幼馴染みに言われて、彼女は今もその気でいる!
竜ヶ崎彰
恋愛
「いい加減大人の階段上ってくれ!!」
俺、天道涼太には1つ年下の可愛い幼馴染みがいる。
彼女の名前は下野ルカ。
幼少の頃から俺にベッタリでかつては将来"俺のお嫁さんになる!"なんて事も言っていた。
俺ももう高校生になったと同時にルカは中学3年生。
だけど、ルカはまだ俺のお嫁さんになる!と言っている!
堅物真面目少年と妹系ゆるふわ天然少女による拗らせ系ラブコメ開幕!!
辺境伯令嬢が婚約破棄されたので、乳兄妹の守護騎士が激怒した。
克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
王太子の婚約者で辺境伯令嬢のキャロラインは王都の屋敷から王宮に呼び出された。王太子との大切な結婚の話だと言われたら、呼び出しに応じないわけにはいかなかった。
だがそこには、王太子の側に侍るトライオン伯爵家のエミリアがいた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる