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第1章 最低です
第2話 第1印象
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「あのアホ親父…何が新婚旅行だ。俺がどんな目に合ってると思ってやがる…」
あの後、家には数人の警察官が訪れた。俺が殴られて気絶してるうちに、この高校生が110当番したらしい。
そこで話し合った結果、まさかの家族だと言う事が判明した。
親父に連絡したら、ごめん、再婚したの言うの忘れてただと?
はっ倒すぞ、マジで。
しかも、今はハワイに新婚旅行中? 葵のこと宜しく?
ハワイで痔になれ。
世理は頭を抱えながら唸る。
俺が署まで連れて行かれる最悪な状況にはならなかったのがせめてもの救い…。
問題は……
「何ですか? 気持ち悪いので見ないで貰って良いですか」
…これだ。
ずっと眉には皺が寄っていて、その者からレトルトのカレーを食べながら言われる。
今俺は、妹の葵《あおい》と向かい合って食卓を挟み、椅子に座っている。
その蔑みの目からは、俺をとてつもない嫌悪している事がヒシヒシと伝わってくる。
因みに俺が作ったご飯は何が入ってるか分からないと言われて食べていない。しかもニンニクは嫌いだと言う。
「別に…俺だって見たくて見てる訳ないだろ」
「どうですかね? 会った時体を舐め回す様に見ていたじゃないですか。虫唾が走りました」
葵は冷淡に言葉をつぐんでいく。
うっ……それを言われたら何も言えねぇ。てか、一応義理の兄妹なんだぞ…虫唾が走るとか初対面で言うかね…。
カチャ カチャ
食器の音だけがリビングに響く。
ガチャン!
そして一際、リビングに金属音が鳴り響く。
その音源は勿論…
「ご飯を食べ終わったらすぐお風呂に入って下さい。私の入った後に入られると何をするのか分からないので私は後に入ります」
葵は皿にスプーンを雑に置き、立ち上がって、キッチンに食器を持って行く。そして水を出す。脇にあるスポンジを濡らし、洗剤を垂らすとすぐに食器を洗い出す。
「よかったら俺が食器洗っとくけど?」
俺が少しでも驚かせた罪滅ぼしになればと、食器洗いを申し出る。
会った事もない義理の兄に、誰も居ない筈の家から突然出て来られたんだ。殴るのも…まぁ、分からなくもない。
そんな事を思ってると、
「いえ、私の使ったスプーンで何をするのか分からないのでいいです」
葵はそう言った後蛇口を閉め、此方を見向きもせずにリビングから出て行った。
「………」
最初は殴られた事も忘れて、義理の妹? こんな可愛い子が? おいおい、ラノベの世界かよ。そう、心の奥底では少し思ってた。
しかし、開けてみれば…
『虫唾が走りました』
『私の入った後に入られると何をするのか分からないので』
『私の使ったスプーンで何をするのか分からないのでいいです』
「だとぉ~!?」
世理はカレーライスを勢いよく頬張る。
家族だって分かってたらそんな風に見なかった! 最初のは俺が不躾に見たのが悪い…!
だけど…
「そんなゴミ虫でも見るような目で、義理の兄を見るか!?」
世理はカレーライスを完食すると、地面に膝をつき四つん這いになる。
あまりにも最初の印象が悪過ぎた。
あっちは俺の事を泥棒だと思い、俺はパンチを繰り出す凶暴な女子高生だと思った。
俺はちゃんと妹として接して行こうと、歩み寄った。なのにあっちは俺の事を兄扱いではなく、変態扱い。もしくは見向きもしない。
俺は大学生だ。大人だ。それなりの許容はある。それなりに我慢出来る。
これから此処に親父たちがいない1週間は2人きり…頑張るしかない。
世理は立ち上がって拳を強く握りしめた後、俯き、身体を震わせる。
…それと、1つ修正したい事がある。
妹の第1印象だが…
スタイルが良い美人。
そこから逆転した。
「全然可愛くない!!! もはや怖い!!!」
世理は嘆く様に叫んだ。
あの後、家には数人の警察官が訪れた。俺が殴られて気絶してるうちに、この高校生が110当番したらしい。
そこで話し合った結果、まさかの家族だと言う事が判明した。
親父に連絡したら、ごめん、再婚したの言うの忘れてただと?
はっ倒すぞ、マジで。
しかも、今はハワイに新婚旅行中? 葵のこと宜しく?
ハワイで痔になれ。
世理は頭を抱えながら唸る。
俺が署まで連れて行かれる最悪な状況にはならなかったのがせめてもの救い…。
問題は……
「何ですか? 気持ち悪いので見ないで貰って良いですか」
…これだ。
ずっと眉には皺が寄っていて、その者からレトルトのカレーを食べながら言われる。
今俺は、妹の葵《あおい》と向かい合って食卓を挟み、椅子に座っている。
その蔑みの目からは、俺をとてつもない嫌悪している事がヒシヒシと伝わってくる。
因みに俺が作ったご飯は何が入ってるか分からないと言われて食べていない。しかもニンニクは嫌いだと言う。
「別に…俺だって見たくて見てる訳ないだろ」
「どうですかね? 会った時体を舐め回す様に見ていたじゃないですか。虫唾が走りました」
葵は冷淡に言葉をつぐんでいく。
うっ……それを言われたら何も言えねぇ。てか、一応義理の兄妹なんだぞ…虫唾が走るとか初対面で言うかね…。
カチャ カチャ
食器の音だけがリビングに響く。
ガチャン!
そして一際、リビングに金属音が鳴り響く。
その音源は勿論…
「ご飯を食べ終わったらすぐお風呂に入って下さい。私の入った後に入られると何をするのか分からないので私は後に入ります」
葵は皿にスプーンを雑に置き、立ち上がって、キッチンに食器を持って行く。そして水を出す。脇にあるスポンジを濡らし、洗剤を垂らすとすぐに食器を洗い出す。
「よかったら俺が食器洗っとくけど?」
俺が少しでも驚かせた罪滅ぼしになればと、食器洗いを申し出る。
会った事もない義理の兄に、誰も居ない筈の家から突然出て来られたんだ。殴るのも…まぁ、分からなくもない。
そんな事を思ってると、
「いえ、私の使ったスプーンで何をするのか分からないのでいいです」
葵はそう言った後蛇口を閉め、此方を見向きもせずにリビングから出て行った。
「………」
最初は殴られた事も忘れて、義理の妹? こんな可愛い子が? おいおい、ラノベの世界かよ。そう、心の奥底では少し思ってた。
しかし、開けてみれば…
『虫唾が走りました』
『私の入った後に入られると何をするのか分からないので』
『私の使ったスプーンで何をするのか分からないのでいいです』
「だとぉ~!?」
世理はカレーライスを勢いよく頬張る。
家族だって分かってたらそんな風に見なかった! 最初のは俺が不躾に見たのが悪い…!
だけど…
「そんなゴミ虫でも見るような目で、義理の兄を見るか!?」
世理はカレーライスを完食すると、地面に膝をつき四つん這いになる。
あまりにも最初の印象が悪過ぎた。
あっちは俺の事を泥棒だと思い、俺はパンチを繰り出す凶暴な女子高生だと思った。
俺はちゃんと妹として接して行こうと、歩み寄った。なのにあっちは俺の事を兄扱いではなく、変態扱い。もしくは見向きもしない。
俺は大学生だ。大人だ。それなりの許容はある。それなりに我慢出来る。
これから此処に親父たちがいない1週間は2人きり…頑張るしかない。
世理は立ち上がって拳を強く握りしめた後、俯き、身体を震わせる。
…それと、1つ修正したい事がある。
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「全然可愛くない!!! もはや怖い!!!」
世理は嘆く様に叫んだ。
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