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第3章 はぁ。
第18話 寝坊
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「もー! 我が娘ながらあんなに可愛いなんて!!」
私、神原 茜は年甲斐もなく、はしゃいでいた。
大きな部屋の1室。ソファに座り、手足をジタバタと動かす。
まさかあの子があんな表情を見せるなんて…ふふっ!
口を抑えて、吹き出そうとした笑いを無理矢理抑え込む。
「どうしたんだ? 凄く嬉しそうじゃないか」
「聡さん! それがね! 私の娘が凄く可愛いのよぉ~!」
そこで穏やかな顔で此方に顔を覗かせたのは、私の愛しの人。
「ハハッ、そうか。それは良かった」
「世理くんとも上手くやってるみたい。通話するまで疑ってたんだけど葵のあの顔ったら…ふふっ!」
「良かった、本当に…」
私が笑うと、聡さんも笑みを浮かべた。でもいつもの笑い方ではない聡さんに、私は疑問に思ってた事を聞いた。
「で…聡さんは何でビデオ通話に出なかったの? 仕事なんてないのに?」
「何でって、それは…」
*
「…おはようございます…」
「…おはよう」
翌朝、俺はリビングから葵を迎える。
あれから俺は、葵と話す事もなく部屋に戻った。あそこまで怒鳴られたって事は、怒ってる事は間違いない。なら、触らぬ神に祟りなし、だ。
まだ寝ぼけ眼の葵は、椅子に座ると同時にテーブルに突っ伏した。
俺は葵の隣に作った朝ご飯を置き、対面に座ると自分の分の朝ご飯を食べ始める。
そして朝ご飯を食べながら、今日の予定を考える。
親父達が帰って来るのはもう明後日に迫っており、新しい家族が出来てから初めて全員が揃う日。どうせなら印象に残る日にしたいな…。
世理が着々と計画を立てていると、時間があっという間に進み、もう7時半。
いつもなら食器を洗い始める時間。
俺は食器を洗う為立ち上がる。
そして、ふと、空になった食器から視線を上げる。
「スー…スー…」
そこにはまだ突っ伏したままの葵が。
「お、おい! 学校行かなくて良いのか!?」
俺は急いで葵に声をかける。
葵は熟睡している様で、起きる気配がない。この1週間一緒に居たがこんな事は起きなかった。何なら、俺が葵の胸にダイブしてから、こんなダラけきった姿は見せなかった。
(何故こんな…いや、昨日の事か?)
昨日は俺にとっても、葵にとっても大変な日だったと思う。
俺は恥ずかしい事を長々言ってたし、葵は色々考えてた様に思えた。何なら泣いてたし。
疲れてるのは当然。
だけど、
「このまま学校休むのはダメだろ!? おい!! 起きろって!!」
俺は急いで葵の肩を掴み、揺らした。
「う、う~ん…」
葵の寝ぼけ眼がゆっくりと開かれる。
今日に関してはまだご飯も食べてないし、髪もボサボサだ。このままでは学校に遅れる。
「おい! 学校だって!!」
俺は両肩を掴み、ジッと葵と目を合わせる。葵の目はユラユラと視点を震わせながら、次第に俺と目があっていく。
「……はっ!?」
「朝っぱらから何やってるんですか!? 訴えますよ!!」
「違うわ!! 学校行かないのか!?」
俺は赤く腫れ上がった頬を抑えながら、訴える様に叫ぶ。
葵は目を白黒させると壁に掛かっている時計を見上げる。そして数秒後、思考が停止させたのか動きを止めた。
「早く準備した方がいいんじゃないか…?」
「分かってますよ!!」
そう言うと朝ご飯のトーストを急いで頬張り、手で髪を梳かす。
今までではないスピードで皿の上に乗っている物が無くなっていく。
「…別に残しても良いんだぞ?」
葵は動きを止める。
だが、またすぐに食べ始めると全部食べ切る。
「の、残したくないので…」
顔を顰めながらヨロヨロと立ち上がる葵は、急いでカバンを取って髪が少しボサつきながらもリビングから走り出る。
「いってきます!!」
「お、おう。いってらっしゃい」
凄い勢いで葵は出て行った。
「何か…凄く疲れてないか?」
私、神原 茜は年甲斐もなく、はしゃいでいた。
大きな部屋の1室。ソファに座り、手足をジタバタと動かす。
まさかあの子があんな表情を見せるなんて…ふふっ!
口を抑えて、吹き出そうとした笑いを無理矢理抑え込む。
「どうしたんだ? 凄く嬉しそうじゃないか」
「聡さん! それがね! 私の娘が凄く可愛いのよぉ~!」
そこで穏やかな顔で此方に顔を覗かせたのは、私の愛しの人。
「ハハッ、そうか。それは良かった」
「世理くんとも上手くやってるみたい。通話するまで疑ってたんだけど葵のあの顔ったら…ふふっ!」
「良かった、本当に…」
私が笑うと、聡さんも笑みを浮かべた。でもいつもの笑い方ではない聡さんに、私は疑問に思ってた事を聞いた。
「で…聡さんは何でビデオ通話に出なかったの? 仕事なんてないのに?」
「何でって、それは…」
*
「…おはようございます…」
「…おはよう」
翌朝、俺はリビングから葵を迎える。
あれから俺は、葵と話す事もなく部屋に戻った。あそこまで怒鳴られたって事は、怒ってる事は間違いない。なら、触らぬ神に祟りなし、だ。
まだ寝ぼけ眼の葵は、椅子に座ると同時にテーブルに突っ伏した。
俺は葵の隣に作った朝ご飯を置き、対面に座ると自分の分の朝ご飯を食べ始める。
そして朝ご飯を食べながら、今日の予定を考える。
親父達が帰って来るのはもう明後日に迫っており、新しい家族が出来てから初めて全員が揃う日。どうせなら印象に残る日にしたいな…。
世理が着々と計画を立てていると、時間があっという間に進み、もう7時半。
いつもなら食器を洗い始める時間。
俺は食器を洗う為立ち上がる。
そして、ふと、空になった食器から視線を上げる。
「スー…スー…」
そこにはまだ突っ伏したままの葵が。
「お、おい! 学校行かなくて良いのか!?」
俺は急いで葵に声をかける。
葵は熟睡している様で、起きる気配がない。この1週間一緒に居たがこんな事は起きなかった。何なら、俺が葵の胸にダイブしてから、こんなダラけきった姿は見せなかった。
(何故こんな…いや、昨日の事か?)
昨日は俺にとっても、葵にとっても大変な日だったと思う。
俺は恥ずかしい事を長々言ってたし、葵は色々考えてた様に思えた。何なら泣いてたし。
疲れてるのは当然。
だけど、
「このまま学校休むのはダメだろ!? おい!! 起きろって!!」
俺は急いで葵の肩を掴み、揺らした。
「う、う~ん…」
葵の寝ぼけ眼がゆっくりと開かれる。
今日に関してはまだご飯も食べてないし、髪もボサボサだ。このままでは学校に遅れる。
「おい! 学校だって!!」
俺は両肩を掴み、ジッと葵と目を合わせる。葵の目はユラユラと視点を震わせながら、次第に俺と目があっていく。
「……はっ!?」
「朝っぱらから何やってるんですか!? 訴えますよ!!」
「違うわ!! 学校行かないのか!?」
俺は赤く腫れ上がった頬を抑えながら、訴える様に叫ぶ。
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「早く準備した方がいいんじゃないか…?」
「分かってますよ!!」
そう言うと朝ご飯のトーストを急いで頬張り、手で髪を梳かす。
今までではないスピードで皿の上に乗っている物が無くなっていく。
「…別に残しても良いんだぞ?」
葵は動きを止める。
だが、またすぐに食べ始めると全部食べ切る。
「の、残したくないので…」
顔を顰めながらヨロヨロと立ち上がる葵は、急いでカバンを取って髪が少しボサつきながらもリビングから走り出る。
「いってきます!!」
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凄い勢いで葵は出て行った。
「何か…凄く疲れてないか?」
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