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第2章 開店
第17話 なんか色々あったけど、開店
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そして次の日から比奈の知り合いだと言う土木関係者である、若く線が細い男がKIROへと訪れた。店までの道のりを調査し、査定額はこれぐらいだろうと直ぐに出してくれた。若いのに中々の手際で作業を進めるもんだから、俺は聞いてみた。
何でこんな事を格安でやってくれるのか、と。
するとーー
『い、いや、西園寺さんにはいつもお世話になっていますから』
……怖い事である。聞いた時、男の人の目はそれはもう上下左右にブレブレだった。
比奈はコミ力が高い。その為か、多くの人から情報を得るのだ。あの人は何かとんでもないことの弱味を握られているのかもしれない。
そんなお兄さん、もとい勇樹さんに、美味しい牛乳を飲ませて発狂させながらも時は過ぎーー……
「おー、凄い出来ですね」
道はまさかの3日程で出来た。
無事に綺麗に舗装された100メートル程の一直線。木々に囲まれ、自然のアーチを楽しみながらちょっとした散歩がてら、カフェへと来てくれる事が出来るだろう。
「思ったよりも早くやって頂いて申し訳ないです。ありがとうございます」
「あ、い、いえ、気にしないで下さい」
比奈が頭を下げるよりも早く、勇樹さんは頭を下げていた。いや、本当に何したんだろ。
そんな疑問を持ってボーッとしていると、勇樹さんはススス…っと俺の直ぐ横に来る。
「それよりも哲平さん……この喫茶店KIROに来ればあの牛乳が飲み放題と言うのは本当ですか?」
おおっと、勇樹さんはどうやらこの3日でウチの牛乳の虜になったらしい。
ここは稼ぎ時だな。
そう思った俺は、工場勤務で培ったぎこちない笑顔を作った。
「えぇ、そのつもりですよ。まぁ、数に限りはありますから早めに来ないと無くなってしまうかもしれませんが……」
「えぇっ!? あの牛乳って限りがあるんですか!?」
「そうなんです。数に限りがあるんですよ(一日何杯までだけど)」
「じゃ、じゃあテイクアウトとかは出来たりしますか!?」
「すみません。まだテイクアウトのラインまで行けてなくて……店内での飲食だけになっています」
決して嘘は言っていない。少し言葉が足りないだけです。
「そ、そんな……」
さぁ、ここで畳み掛ける一言を言おうか。
「一応明日から開店予定ではあるので、宜しかったら来て下さい」
そう言うと、勇樹さんはパッと顔を上げて俺の両手を掴んで来た。
「牛乳が無くなるまで来ます」
常連客GETだぜ。
「……悪い人が居る」
勇樹さんのランランと嬉しそうに帰る背中を見ながら、比奈が呟く。
美味しい牛乳を出す牛が1匹。数には限りがある。何か間違っていますか?
「ふぅ、取り敢えずは何とか形になってこの日を迎えられ、本当に良かったと思います」
「どうしたのよ、急に?」
「良かったと思います!!」
太陽が顔を出して3時間程。店からの窓からは日光すら届かず、うっすらとした光が店内を照らす。
「この日が迎えられたのは、2人の尽力の賜物があってこそだと考えています」
「じんりょくのたまものがあってこそです!!」
「………」
俺が拳を強く握ると、それと同じ様にメマも真似する。
「これからもご迷惑をお掛けするとは思いま
「何のB級映画見たのか分からないけど、早く開店するよー」
俺の口上を遮り、比奈は呆れた様に片方の口端を上げてKIROの扉の方へと歩いて行く。
「な、なんでそう決め付ける!? 俺がこの日の口上の為にどれだけ勉強(映画鑑賞)してきたと思ってーー
「かいてーん!!」
ちょっと、メマさん。
反論しようとする俺、呆れている比奈の横を通り過ぎ、メマは勢いよく扉を開け放つのだった。
これが後に、世界でも有数のカフェとなる『喫茶店 KIRO』の開店だった。
何でこんな事を格安でやってくれるのか、と。
するとーー
『い、いや、西園寺さんにはいつもお世話になっていますから』
……怖い事である。聞いた時、男の人の目はそれはもう上下左右にブレブレだった。
比奈はコミ力が高い。その為か、多くの人から情報を得るのだ。あの人は何かとんでもないことの弱味を握られているのかもしれない。
そんなお兄さん、もとい勇樹さんに、美味しい牛乳を飲ませて発狂させながらも時は過ぎーー……
「おー、凄い出来ですね」
道はまさかの3日程で出来た。
無事に綺麗に舗装された100メートル程の一直線。木々に囲まれ、自然のアーチを楽しみながらちょっとした散歩がてら、カフェへと来てくれる事が出来るだろう。
「思ったよりも早くやって頂いて申し訳ないです。ありがとうございます」
「あ、い、いえ、気にしないで下さい」
比奈が頭を下げるよりも早く、勇樹さんは頭を下げていた。いや、本当に何したんだろ。
そんな疑問を持ってボーッとしていると、勇樹さんはススス…っと俺の直ぐ横に来る。
「それよりも哲平さん……この喫茶店KIROに来ればあの牛乳が飲み放題と言うのは本当ですか?」
おおっと、勇樹さんはどうやらこの3日でウチの牛乳の虜になったらしい。
ここは稼ぎ時だな。
そう思った俺は、工場勤務で培ったぎこちない笑顔を作った。
「えぇ、そのつもりですよ。まぁ、数に限りはありますから早めに来ないと無くなってしまうかもしれませんが……」
「えぇっ!? あの牛乳って限りがあるんですか!?」
「そうなんです。数に限りがあるんですよ(一日何杯までだけど)」
「じゃ、じゃあテイクアウトとかは出来たりしますか!?」
「すみません。まだテイクアウトのラインまで行けてなくて……店内での飲食だけになっています」
決して嘘は言っていない。少し言葉が足りないだけです。
「そ、そんな……」
さぁ、ここで畳み掛ける一言を言おうか。
「一応明日から開店予定ではあるので、宜しかったら来て下さい」
そう言うと、勇樹さんはパッと顔を上げて俺の両手を掴んで来た。
「牛乳が無くなるまで来ます」
常連客GETだぜ。
「……悪い人が居る」
勇樹さんのランランと嬉しそうに帰る背中を見ながら、比奈が呟く。
美味しい牛乳を出す牛が1匹。数には限りがある。何か間違っていますか?
「ふぅ、取り敢えずは何とか形になってこの日を迎えられ、本当に良かったと思います」
「どうしたのよ、急に?」
「良かったと思います!!」
太陽が顔を出して3時間程。店からの窓からは日光すら届かず、うっすらとした光が店内を照らす。
「この日が迎えられたのは、2人の尽力の賜物があってこそだと考えています」
「じんりょくのたまものがあってこそです!!」
「………」
俺が拳を強く握ると、それと同じ様にメマも真似する。
「これからもご迷惑をお掛けするとは思いま
「何のB級映画見たのか分からないけど、早く開店するよー」
俺の口上を遮り、比奈は呆れた様に片方の口端を上げてKIROの扉の方へと歩いて行く。
「な、なんでそう決め付ける!? 俺がこの日の口上の為にどれだけ勉強(映画鑑賞)してきたと思ってーー
「かいてーん!!」
ちょっと、メマさん。
反論しようとする俺、呆れている比奈の横を通り過ぎ、メマは勢いよく扉を開け放つのだった。
これが後に、世界でも有数のカフェとなる『喫茶店 KIRO』の開店だった。
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