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第3章 (1)夏がきて……。
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しおりを挟む自分が全てにおいて至らない事は充分に承知しているつもりだが、やはり人間怒られてばかりでは落ち込む一方。
そんな緊張感に包まれた空間で、何とか必死にダンス練習を熟していると……。
「失礼致します」
!……この声は!
聞きなれた優しい声が背後から聞こえた。
私が動きを止めて振り返と、そこに居たのはバロン。
バロン!
バロン!!
張り詰めていた空気が、彼の登場によって和む。
私は胸を弾ませながら彼に視線を送った。
けど……。
「ローザ殿、使用人達が……」
ローザに何やら伝言を伝えにきた様子のバロンは、私の視線には気付いてくれない。
チラッとも、見てくれない。
……。
つまんない……。
少しムッとして頬を膨らます。
何やら大事な話なのか、私には聞こえないくらいの声で話しているし……。
ローザの耳元にバロンが囁くようにして話している。
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