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第3章 (3)夏がきて……。
3-1
しおりを挟むそれは、食事会が終わりに近付いた時だ。
アルク様とモニカ様が明日から一週間、この別荘に滞在するという話題が出たのは……。
一週間。
あと一週間もこの堅苦しい雰囲気が続くと思うとそれだけで溜め息が出そうだった私に、更に追い打ちをかけるようにモニカ様の我が儘が始まる。
「じゃあ、滞在する間の私の世話役は……。
ねえ、さっきの貴方!名前は?」
バロンを笑顔で見つめるモニカ様。
その眼差しと表情は、彼に好意を持っているのが一目瞭然に輝いていた。
嫌な、予感がする。
「バロン、と申します」
「ふ~ん、バロンね!
……うん!貴方がいいわ!
私がここに滞在する間の世話役。
バロンを私専属の召使いにして頂戴!」
「!……えっ?」
モニカ様は席を立ち上がると、バロンの腕に自分の腕を絡ませ甘えるように密着して言った。
私はそのあまりにも横暴な言葉に耳を疑う。
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