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第13章(1)アランside
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しおりを挟むそれでも兄上を見つめて返答を待つと……。
「ーーうん。勿論、だよっ……」
消えそうな震えた声で、哀しそうに微笑って……。兄上はそう言った。
ズクンッ、と。胸に重い痛みを感じる。
それと同時に"こんな表情を、させるつもりではなかった"……と、思った。
『え?一緒に……?
うんっ、行く!待ってて、すぐ準備するから!』
今朝外出に誘った際に嬉しそうに微笑ってくれた兄上を思い出し、罪悪感を消すつもりにした筈の質問の答えが、痛い。
そして、それと同時に三年前の事が……。兄上が記憶を失う前に一緒に過ごした僅かな時間の思い出が、浮かぶ……。
ーーいや。
もう"ヴァロン"はいないのだ。
私は全てを話し、アカリ様を大切にしたい気持ちに嘘偽りもない。後ろめたい事など、ない。
自分にそう言い聞かせて、胸の痛みも罪悪感も私は振り払った。
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