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第13章(2)マオside
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「きっと……もう誘ってもらえないね」
洗面所で手を洗いながら、思わず心の声が口から溢れていた。
せっかくの休日にわざわざ自分を誘って、大切な話をしてくれたアラン。
それなのに自分は「応援してくれますか?」って弟の問い掛けに、「勿論」って、答えただけだ。
「おめでとう」とか、「頑張って」とか、「力になるよ」とか……言えなかった。
僕は、兄失格だ。
そう感じて、席に戻ったら必ず言おうと思った。大切な弟の幸せを、祈ってた。
……でも。
その弟が愛する人も、僕にとって、大切な人ーー。
「ーーマオさん!」
「!っ……」
店内の通路奥にある洗面所。
まさに、そこから出ようと扉を開けた瞬間だった。
僕の名前を呼びながら、花がパアッと咲くような大好きな笑顔が、瞳に飛び込んできた。
トクンッと、暖かくなる鼓動。
アカリさんーー。
その姿を目の前にしたら、さっきまでの悩みとか……。今までの嫌な事が全て頭から消えていた。
「マオさん、あの……」
「っ……!!」
「!ッーー……え?」
考えるよりも先に。言葉よりも先に。身体が僕の心の中に眠る想いに突き動かされるように、動いてた。
会いたかったーー。
空っぽになった頭に浮かんだ、言葉にならない程の想い。
すっぽりと包み込める彼女を、壊さないように……。でも、その存在を確かめるようにキュッと抱く。
暖かい体温。微かに響いて伝わる鼓動。
フワッと香る甘い香りは、パンの香りではなく彼女自身の匂い。
制服のバンダナが外れて、僕の頬に彼女の艶やかな黒髪が触れた。
胸がいっぱいになるーー。
天国、楽園、そんな場所が存在するのならば、僕にとっては今"此処"がそうだとすら感じた。
少し身体を離して、両手で彼女の両頬に触れる。僕を見上げる、潤んだ瞳に熱を帯びた表情。
1つになりたいーー。
まるで魂がそう言っているかのように……。呼び合うように、自然と互いの唇が近付いていた。
「きっと……もう誘ってもらえないね」
洗面所で手を洗いながら、思わず心の声が口から溢れていた。
せっかくの休日にわざわざ自分を誘って、大切な話をしてくれたアラン。
それなのに自分は「応援してくれますか?」って弟の問い掛けに、「勿論」って、答えただけだ。
「おめでとう」とか、「頑張って」とか、「力になるよ」とか……言えなかった。
僕は、兄失格だ。
そう感じて、席に戻ったら必ず言おうと思った。大切な弟の幸せを、祈ってた。
……でも。
その弟が愛する人も、僕にとって、大切な人ーー。
「ーーマオさん!」
「!っ……」
店内の通路奥にある洗面所。
まさに、そこから出ようと扉を開けた瞬間だった。
僕の名前を呼びながら、花がパアッと咲くような大好きな笑顔が、瞳に飛び込んできた。
トクンッと、暖かくなる鼓動。
アカリさんーー。
その姿を目の前にしたら、さっきまでの悩みとか……。今までの嫌な事が全て頭から消えていた。
「マオさん、あの……」
「っ……!!」
「!ッーー……え?」
考えるよりも先に。言葉よりも先に。身体が僕の心の中に眠る想いに突き動かされるように、動いてた。
会いたかったーー。
空っぽになった頭に浮かんだ、言葉にならない程の想い。
すっぽりと包み込める彼女を、壊さないように……。でも、その存在を確かめるようにキュッと抱く。
暖かい体温。微かに響いて伝わる鼓動。
フワッと香る甘い香りは、パンの香りではなく彼女自身の匂い。
制服のバンダナが外れて、僕の頬に彼女の艶やかな黒髪が触れた。
胸がいっぱいになるーー。
天国、楽園、そんな場所が存在するのならば、僕にとっては今"此処"がそうだとすら感じた。
少し身体を離して、両手で彼女の両頬に触れる。僕を見上げる、潤んだ瞳に熱を帯びた表情。
1つになりたいーー。
まるで魂がそう言っているかのように……。呼び合うように、自然と互いの唇が近付いていた。
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