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第22章(3)スズカside
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しおりを挟む「ん~じゃあ、今日だけ特別!
私がここに来た歓迎会って事ではいけませんか?アラン様には、私からちゃんとお話します!」
「!っえ……?!」
「それなら良いでしょう?アラン様に何か言われたら私が説明します!
って事で、お茶会の準備しましょう!」
それは予想もしなかった言葉と行動。
奥様は笑顔でそう言うと、食事をする際に使用する長テーブルの方へ駆けて行く。
「うん!このテーブルをみんなで囲んで使いましょう!椅子を並べると窮屈だし、逆に省いちゃって立食形式でいいわよね~?」
そして、驚きのあまりあんぐりする使用人長を気にもせずクッキーの入ったタッパーをテーブルに置くと、椅子を自ら持ち上げ運びだすのだ。
その光景を見てハッと我に返った使用人長は、慌てて駆け寄り奥様から椅子を取り上げようとする。
「お、奥様!そんな事は私達が……」
「大丈夫ですよ!あ、それならクッキーを盛り付けるお皿と、人数分のティーカップを用意して下さい!」
「は、はい!かしこまりまし……。って、違います!奥様?!」
が、奥様は使用人長を見事に交わし、楽しそうに椅子を運びながら私にも指示を出す。
「あ、スズカ~!」
「は、はい!」
「みんなを集めてくれる?あ、使用人さん逹だけじゃなくて"ここに住むみんな"!ねっ?」
その眩しいくらいのお姿に、逆らえる人なんているのだろうか?
子供のように屈託のない笑顔、天真爛漫でキラキラとしたそのお姿は、同性の私でも見惚れてしまう程で……。奥様は、今まで見たどんな女性よりも素敵に映った。
「っ……はい!かしこまりました!」
命令ではなく、お願いーー。
そう感じられる奥様の言葉に心から嬉しくなった私は、笑顔で返事をしていた。
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