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番外編 〜未来side〜
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しおりを挟む「あ、気にしないで。俺ね、人の顔と名前を覚えるのが得意なんだ!
だから、高坂さんの事も知ってただけだから」
そう楽しそうに笑って言ってくれたから、私もホッと一安心。
でも、相手は私の事を知ってくれていたのに自分が誰なのか分からないのは少々悪い気がした。
……そうだ!
「ね、これあげる」
「!……え?」
「良かったら貰って?」
お詫びのしるし、ではないが、私は持っていたトリュフが入った包みを男子に差し出した。
「心配してくれたのと、私を知っててくれたお礼!手作りだから味の保証は出来ないけど、初めて作ったんだ~!」
少し無理矢理な理由な気もしたが、せっかく頑張って手作りした初チョコ。自分ではない誰かに食べてほしくて、私は男子に手渡す。
「ッ~~……で、でも、これっ……」
ーーキーンコーン、カーンコーン!
「あ、午後の授業始まる。じゃねっ!」
男子は何かを言いかけていたけど、昼休みの終わりを告げるチャイムに遮られて私はすでに教室を目指してその場をダッと駆け出していた。
……
…………。
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