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3話 ジェシカの味方は…… その2
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「それでは、こちらでお待ちくださいませ。ラクロア・ラーゼフォン王子殿下がお越しになられます」
「は、はい……畏まりました。お待ちしております」
「それでは失礼致します」
私はその日、使用人を連れて、王族達の住まうコムルーン宮殿に来ていた。ラクロアに連絡を取ったところ、思いの外早く会えるとのことだったので、その点はラッキーと言えるかもしれない。
私は応接室に案内され、王子殿下の到着を待っていた。いくら相手が昔からよく知る幼馴染とはいえ、本来であれば私が彼の部屋に向かうのが礼儀だとは思うけれど。なぜか、宮殿の使用人はこの部屋を案内したのだ。
「ラクロア王子殿下のお部屋に行かなくて、大丈夫なのかしら……?」
「ジェシカ様はラクロア王子殿下とは旧知の間柄でございますので……今回は非公式である為に、客人対応をなされたのではありませんか?」
「あ、なるほど……」
付いて来てくれた使用人が的を射た回答をしてくれた。ラクロア的にも気を遣ってくれたと言うことかな。
それからしばらくして、ノックと共に男性が入って来た。紛れもなくラクロア・ラーゼフォン第三王子殿下だ。私は立ち上がり、深々と頭を下げる。最低限の礼儀を欠くわけにはいかないからね。
「ラクロア王子殿下。本日の訪問のご許可をいただきまして、誠にありがとうございました」
「ああ、こちらこそ。なかなか、切羽詰まっているようだったからな」
内容については訪問の許可をいただいた時に、ある程度話している。ただ、詳細まではお伝えしていないので、今から話す必要があるわけだ。
-----------------------------
「ブラックル・ウォルト大公との婚約破棄か……なるほど。それは、かなり驚きの事態だな」
「は、はい……そうですね……色々とありまして……」
「別にこの場では普通に話してくれて問題ないぞ? 君に敬語を使われるのは何か違和感があるからな」
「そ、そうですか? じゃ、じゃあ……」
ラクロアにそう言われたので、この場では普通に話すことにした。
「言いにくいことなんだけれど、ブラックル様が浮気が酷くてね。それで、婚約破棄をお願いしたのだけれど、多額の慰謝料請求をすると言ってきて……」
「ああ、そういうことか。叔父上、本当に情けないことをしてくれるな……」
そう言えば、ラクロアとブラックル様は血縁関係だったっけ。叔父に該当するのよね確か。まあ、大公という大貴族になったわけだから、王族という扱いにはならないだろうけれど。
ラクロアは元身内にとても情けない感情を持っているようだった……。
「は、はい……畏まりました。お待ちしております」
「それでは失礼致します」
私はその日、使用人を連れて、王族達の住まうコムルーン宮殿に来ていた。ラクロアに連絡を取ったところ、思いの外早く会えるとのことだったので、その点はラッキーと言えるかもしれない。
私は応接室に案内され、王子殿下の到着を待っていた。いくら相手が昔からよく知る幼馴染とはいえ、本来であれば私が彼の部屋に向かうのが礼儀だとは思うけれど。なぜか、宮殿の使用人はこの部屋を案内したのだ。
「ラクロア王子殿下のお部屋に行かなくて、大丈夫なのかしら……?」
「ジェシカ様はラクロア王子殿下とは旧知の間柄でございますので……今回は非公式である為に、客人対応をなされたのではありませんか?」
「あ、なるほど……」
付いて来てくれた使用人が的を射た回答をしてくれた。ラクロア的にも気を遣ってくれたと言うことかな。
それからしばらくして、ノックと共に男性が入って来た。紛れもなくラクロア・ラーゼフォン第三王子殿下だ。私は立ち上がり、深々と頭を下げる。最低限の礼儀を欠くわけにはいかないからね。
「ラクロア王子殿下。本日の訪問のご許可をいただきまして、誠にありがとうございました」
「ああ、こちらこそ。なかなか、切羽詰まっているようだったからな」
内容については訪問の許可をいただいた時に、ある程度話している。ただ、詳細まではお伝えしていないので、今から話す必要があるわけだ。
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「ブラックル・ウォルト大公との婚約破棄か……なるほど。それは、かなり驚きの事態だな」
「は、はい……そうですね……色々とありまして……」
「別にこの場では普通に話してくれて問題ないぞ? 君に敬語を使われるのは何か違和感があるからな」
「そ、そうですか? じゃ、じゃあ……」
ラクロアにそう言われたので、この場では普通に話すことにした。
「言いにくいことなんだけれど、ブラックル様が浮気が酷くてね。それで、婚約破棄をお願いしたのだけれど、多額の慰謝料請求をすると言ってきて……」
「ああ、そういうことか。叔父上、本当に情けないことをしてくれるな……」
そう言えば、ラクロアとブラックル様は血縁関係だったっけ。叔父に該当するのよね確か。まあ、大公という大貴族になったわけだから、王族という扱いにはならないだろうけれど。
ラクロアは元身内にとても情けない感情を持っているようだった……。
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