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11話 セレナ様が現れた その1
しおりを挟む「セレナ夫人……久しぶりですね」
「ラクロア王子殿下……ご無沙汰しております」
私達の部屋に入って来たのは、紛れもなくセレナ夫人だった。遠征から戻って来たのは偶然なのかしら? いえ、そんなわけないか。急遽、予定を切り上げて戻って来た可能性も考えられるわね。
「セレナ様……あの、ええと」
「ジェシカ嬢もお久しぶりですね」
「はい、お久しぶりでございます」
セレナ様はラクロア達だけではなく、私にも挨拶をしてくれた。ちなみに、ブラックル様の様子はと言うと……。
「せ、セレナ……なぜ、ここに居るのかな……?」
「どういう意味かしら? 私が戻って来ると困ることでもあるの?」
「い、いや……そういうわけではないのだが……」
明らかにブラックル様は脅えている。まあ、ブラックル様が大公殿下として成功しているのは、セレナ様の力も大きいからね。セレナ様の態度的には全ての事柄を知っているような……。
「カイマール様、シルマール様……ジェシカ嬢。そしてラクロア王子殿下、この度は大変申し訳ありませんでした」
「セレナ様……」
驚いたことに、セレナ様は私達に謝罪をし始めた。
「セレナ夫人、一体、どういうことでしょうか? あなたは遠征から戻られたばかりかと思われますが……内情について、ご存知なのですか?」
「ええ、シルマール様。私は夫であるブラックルの様子を監視してきましたので。具体的には定期的に執事達から報告を得ておりました」
「せ、セレナ……! そ、そんなことを……!?」
「当たり前でしょう、ブラックル。あなたは自分が信用されているとでも思っていたのかしら?」
びっくりするほど信用がないわね……ブラックル様。ブラックル様の婚約者だった時から、多少はそんな気がしていたけれど、ここまでセレナ様に信用されていなかったとはね……。
「ということは、セレナ様。今回、戻って来られた要因としては……」
「ええ、ジェシカ嬢。ブラックルの行動が目に余っていたからです。遠征中ではありましたが、馬車で大急ぎで戻って来たというわけですわ」
すごい行動力だ……遠征先から一目散で戻って来るなんて。ラクロアを初め、これには皆、驚いているようだった。
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みんなの感想(25件)
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ダークホースのセレナちゃん登場⁉️格好良い女の子は大好きです💕
ありがとうございます、そう言っていただき嬉しいです
ご感想ありがとうございます!
セレナの遠征については、そういうものなんだと思っておいてくださいませ
大公の就任とか王族の力技とかの解決に関しては、こだわりがあるというわけではないです
解決するのが公爵になった作品もありますし
王族の場合なら王子殿下を出しやすいので、話を作りやすい、自分の好きな言動ができる、くらいは考えています
何故でしょう?(・∀・)ニヤニヤしてしまう(*´艸`*)
ありがとうございます!