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10話 大公との会話 その2
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「どういうことだ、ラクロア? 私の意見が通らないなどと……」
「言葉の通りですよ、叔父上。あなたの要求は決して通ることはありません」
「ま、まさか……」
ブラックル様は遅すぎるけれど、先ほどまでの態度とは一変し始めていた。ラクロアやカイマール大臣……伯父様が居るのだから、容易に想像出来そうだけれど……。
「叔父上の要求はジェシカの家に対して理不尽過ぎます。ジェシカが私に助けを求めた時点で、却下されることは目に見えているはずですが?」
「そ、それは……!」
ブラックル様は汗を垂れ流している……本当に予想していなかったとしたら、大公殿下失格ね。私とラクロアの関係性を把握していなかったのだろうけれど、それにしてもどういう考えをしていたのか気になるわ。
ブラックル様は自分が国王陛下の弟であることを自慢していたけれど……よくよく考えると、それは自慢になっていない。なぜなら彼は、王家の人間ではなくなっているからだ。
「ラクロア、これって……」
「ああ、ジェシカ。正直に言って、全く勝負にならないということだ」
「な、なんだと……? どういう意味だ!?」
ブラックル・ウォルト大公殿下は持てる限りの勇気を振り絞っているようだけれど、全く恐怖を感じなかった。ブラックル様の実力はこの程度ということね。自分のお兄様がどういう判断を下すのかも分かっていないのだから。
「ちなみに叔父上。父上は今回の件について、とても怒っていらっしゃいましたよ」
「な、なんだと……そんなバカな……!」
「……」
本当にブラックル様はバカではなのではないだろうか? 本当にこの状況で、高額な慰謝料請求が通ると考えていたなんて。何よりも、国王陛下が了承するわけもないのに……。ほぼ、私達の勝利は確定に見えた。
まあ正直、勝負にすらなっていなかったと思うけれど……。
「あ、あの……申し訳ございません!」
「ん? どうかしたのか……?」
そんな勝利ムードになっていた時、使用人の一人が私達に声を掛けて来た。一体、なにかしら?
「あ、あの……セレナ・ウォルト様がお越しになっておられます。お通ししても宜しいでしょうか?」
「セレナ様が……?」
ブラックル様の第一夫人で、私とブラックル様の婚約を認めてくれた人でもあるお方だ。えっ、遠征に出ていたはずだけれど、このタイミングで戻って来たの……?
「言葉の通りですよ、叔父上。あなたの要求は決して通ることはありません」
「ま、まさか……」
ブラックル様は遅すぎるけれど、先ほどまでの態度とは一変し始めていた。ラクロアやカイマール大臣……伯父様が居るのだから、容易に想像出来そうだけれど……。
「叔父上の要求はジェシカの家に対して理不尽過ぎます。ジェシカが私に助けを求めた時点で、却下されることは目に見えているはずですが?」
「そ、それは……!」
ブラックル様は汗を垂れ流している……本当に予想していなかったとしたら、大公殿下失格ね。私とラクロアの関係性を把握していなかったのだろうけれど、それにしてもどういう考えをしていたのか気になるわ。
ブラックル様は自分が国王陛下の弟であることを自慢していたけれど……よくよく考えると、それは自慢になっていない。なぜなら彼は、王家の人間ではなくなっているからだ。
「ラクロア、これって……」
「ああ、ジェシカ。正直に言って、全く勝負にならないということだ」
「な、なんだと……? どういう意味だ!?」
ブラックル・ウォルト大公殿下は持てる限りの勇気を振り絞っているようだけれど、全く恐怖を感じなかった。ブラックル様の実力はこの程度ということね。自分のお兄様がどういう判断を下すのかも分かっていないのだから。
「ちなみに叔父上。父上は今回の件について、とても怒っていらっしゃいましたよ」
「な、なんだと……そんなバカな……!」
「……」
本当にブラックル様はバカではなのではないだろうか? 本当にこの状況で、高額な慰謝料請求が通ると考えていたなんて。何よりも、国王陛下が了承するわけもないのに……。ほぼ、私達の勝利は確定に見えた。
まあ正直、勝負にすらなっていなかったと思うけれど……。
「あ、あの……申し訳ございません!」
「ん? どうかしたのか……?」
そんな勝利ムードになっていた時、使用人の一人が私達に声を掛けて来た。一体、なにかしら?
「あ、あの……セレナ・ウォルト様がお越しになっておられます。お通ししても宜しいでしょうか?」
「セレナ様が……?」
ブラックル様の第一夫人で、私とブラックル様の婚約を認めてくれた人でもあるお方だ。えっ、遠征に出ていたはずだけれど、このタイミングで戻って来たの……?
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