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45話 フォルセの想い その2
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「フォルセ、こんなところにいたんだ」
「あれ……エルザ。君も来ていたのか」
「まあね、あなたが出席すると聞いたから」
彼女の名前はエルザ・エッジ。伯爵令嬢であり、私の知り合いになる。もう少し詳しく言うと、近く婚約をする相手なんだけどね……一応。
「アーチェ様と一緒に来ているんでしょう?」
「見ていたのか?」
「ええ、セルガスと一緒に歩いて行くのが見えたし。もしかして、あの二人をくっつけようとしているの?」
「まあね、上手くいくかは二人次第だろうけどさ」
「あなたも大変ね色々と……」
大変かもしれないが、アーチェ姉さまの為と考えれば大して苦痛には感じない。アーチェ姉さまにはとにかく、側室という選択肢を諦めてもらわないといけないからな。
「アーチェ様は現在、フリーなんだっけ?」
「まあ、そうなるかな」
守秘義務もあるので、ネプト国王陛下のことは彼女に話してはいない。アーチェ姉さまがフリーだということは事実だから話しているけれど。
「アーチェ様の外見なら放っていても、相手は見つかるんじゃないの? いくら、ウォーレス様と婚約解消をしたとはいえ、結婚したいと思う人は多いでしょう?」
「それはそうかもしれないけれど、外見だけで判断しない相手じゃないと意味がないだろ。姉さまには……将来的に付き合っていける相手、一人でも生き抜いて行ける能力を養って欲しいんだ。そうなると、セルガスは適任かと思ってさ」
「それはそうかもしれないけれど、あなたのシスコン具合も相当なものね」
「否定は出来ないかな……」
笑って誤魔化すことにしたけれど、確かに私はシスコンだと思う。それが悪いことだとは思わないが……。うん、悪いことではないよね……?
「でもさフォルセ。アーチェ様の成長を考えているのであれば、この辺りで身を引いて、後は彼女に任せた方が良いと思うわよ」
「エルザ……」
「あなただって、ノーム家の次期当主なんだし学ばなければならないことが多いでしょう? 私はそのサポートを任せられているんだしね」
「確かに……エルザのことを少し、蔑ろに仕掛けていたかもね」
「分かってくれれば嬉しいわ。今後は、アーチェ様が本気で困らない限り、黙っておいた方が良いわよ?」
エルザの言うことも一理あるか。確かにアーチェ姉さまの成長を考えるなら、この辺りで手を引くのが賢明だろう。もちろん姉さまが本当に助けを求めて来た場合はともかくとして……私はエルザの考えに賛同する決意を示した。
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