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6話 婚約? その1
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お父様とお母様の二人が、私とウィリアムが読書をしていた時に、私室を訪れた。今までこんなことは一度もしたことがないのに。
別に、私の部屋に来るのは良いんだけれど、お父様とお母様の笑顔と揉み手が気になるところではあるわね……。
「ウィリアム様。突然の訪問、申し訳ございません」
「本当に、申し訳ないことでございます……」
明らかに不自然な二人の態度だったけれど、ウィリアムは特に気にしている素振りを見せてはいなかった。彼らに笑顔で返答する。
「いえ、気にしないでください。フランクリン殿。それからメイサ夫人も。それよりも、私を招いていただいたことに感謝したいくらいですので」
「いえいえ! そんな、滅相もない……! ウィリアム公爵令息殿を招き入れない理由など、私達にはありませんので……!」
びっくりするくらい、お父様とお母様の二人の態度はおかしかった。完全におかしい……何か相当に見返りを求めている顔つきだ。まあ、妹のシェリーが散々我が儘をやってきた時も許してきた甘い両親だから、考えていることは分かるけど……。
「ウィリアム様、最近は我が家に来てくれることはが多いですな。これはつまり……」
「ちょっと、お父様……」
「ん? どうかしたのか、ファラ?」
いきなり話が進み過ぎているような気がする。お父様は私とウィリアムとの関係を、そういう関係に見ていたようだけれど。これは、ウィリアムにとっても迷惑を与えているように見える。このまま、お父様やお母様を黙らせた方がいいのかな?
「ふふ、確かにファラ嬢のことは気にはなります。フランクリン殿、メイサ夫人。もしも私で良ければ、ファラ嬢との婚約を考えていただければ、嬉しく思います」
「な、なんと……! 本当でございますか! それは嬉しく思います……!」
「ウィリアム様、本当でございますか……! ああ、なんということでしょう! イグリオ家、始まって以来の素晴らしいことかもしれませんわね!」
「お父様、お母様……」
これが我が愛すべき、フランクリン・イグリオとメイサ・イグリオ……。お父様とお母様である。ウィリアムの発言は私にとっては驚くものだけど、それ以上にお父様達の態度が気になってしまっていた。私のことをイグリオの名を高める為の道具としか見ていないのではないのか、と……。
別に、私の部屋に来るのは良いんだけれど、お父様とお母様の笑顔と揉み手が気になるところではあるわね……。
「ウィリアム様。突然の訪問、申し訳ございません」
「本当に、申し訳ないことでございます……」
明らかに不自然な二人の態度だったけれど、ウィリアムは特に気にしている素振りを見せてはいなかった。彼らに笑顔で返答する。
「いえ、気にしないでください。フランクリン殿。それからメイサ夫人も。それよりも、私を招いていただいたことに感謝したいくらいですので」
「いえいえ! そんな、滅相もない……! ウィリアム公爵令息殿を招き入れない理由など、私達にはありませんので……!」
びっくりするくらい、お父様とお母様の二人の態度はおかしかった。完全におかしい……何か相当に見返りを求めている顔つきだ。まあ、妹のシェリーが散々我が儘をやってきた時も許してきた甘い両親だから、考えていることは分かるけど……。
「ウィリアム様、最近は我が家に来てくれることはが多いですな。これはつまり……」
「ちょっと、お父様……」
「ん? どうかしたのか、ファラ?」
いきなり話が進み過ぎているような気がする。お父様は私とウィリアムとの関係を、そういう関係に見ていたようだけれど。これは、ウィリアムにとっても迷惑を与えているように見える。このまま、お父様やお母様を黙らせた方がいいのかな?
「ふふ、確かにファラ嬢のことは気にはなります。フランクリン殿、メイサ夫人。もしも私で良ければ、ファラ嬢との婚約を考えていただければ、嬉しく思います」
「な、なんと……! 本当でございますか! それは嬉しく思います……!」
「ウィリアム様、本当でございますか……! ああ、なんということでしょう! イグリオ家、始まって以来の素晴らしいことかもしれませんわね!」
「お父様、お母様……」
これが我が愛すべき、フランクリン・イグリオとメイサ・イグリオ……。お父様とお母様である。ウィリアムの発言は私にとっては驚くものだけど、それ以上にお父様達の態度が気になってしまっていた。私のことをイグリオの名を高める為の道具としか見ていないのではないのか、と……。
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