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2話

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「オリバー様、慰謝料はよろしくお願いしますね」

「馬鹿を言うな。誰がそんなもの払うか」

「はっ……?」


 オリバーの突然の否定の言葉……私は思わず素で返してしまった。普段であればある程度、取り繕って返すのだけれど。


「だから慰謝料なんて払わないと言ったんだ? なんか文句があるのか? ん?」

「いえ……文句と言うか……」


 婚約破棄をした場合、した側の人がそれ相応の慰謝料を払うのは当たり前なわけで。この場合、私の方が他の貴族に対して不利な立場になってしまうのだし。婚約破棄をされた令嬢というのは、いつの時もその後の縁談が成立しにくくなるといったデメリットがある。

 男の方はそうでもないみたいで……色々と不公平だわ。だから絶対に慰謝料は払って貰わないといけなかった。
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