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37話 私の婚約者 その1
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アモネート家の未来がかかっている決断と言えるだろうか? いえ、流石にそこまでではないかもしれないけれど。私は王子殿下……正確にはユアン第二王子殿下とベノム第三王子殿下がそれに該当する。
私は僭越ながら、二人からの求婚を受けていた。国王陛下達からも、好きに選んで良いという約束までされている。本当に大丈夫なのかしら……? アモネート家はそこそこの立場の貴族ではあるけれど。王子殿下達と比べると臣下でしかないのに。
「ドルチェ……非常に憂鬱だわ」
「お察しいたします、シャルナお嬢様……」
メイドのドルチェは私に気を使ってくれてか、ブラックコーヒーを淹れてくれた。確かに今は、こういうキツイ飲み物を飲みたい気分だわ! ブラックコーヒーをキツイと感じる時点で私の舌はまだまだお子様なのかもしれない……。
「ユアン様とベノム様……もうすぐ、私の部屋にお越しになるのよね?」
「左様でございますね……羨ましいことでございます。王子殿下を選べる立場……流石はシャルナお嬢様ですね」
「やめてよ、ドルチェ……」
「ふふ……」
ドルチェは可愛く笑ってみせるけれど、私の内面はそんなに穏やかではなかった。確かに一般人の間では、複数の男子を選べる立場にあるのは幸せの象徴かもしれないけれど……。
私の場合は相手の立場が違うのだ。だって第二王子殿下と第三王子殿下よ? 自分でも信じられないお方を選ぼうとしているんだと、嫌でも実感させられてしまう!
果てしないほどの恐怖が生まれるけれど、それと同時に私は愛されているんだという実感も大きく出て来る。こんな想いを感じるのはおそらく初めて……このブリスド宮殿に移り住んでからと言えるだろう。
「お嬢様は今、その人生の中でも最高の幸せを手に入れようとしているのだと思います」
「そ、そうかしら……?」
「はいっ。使用人の身で生意気な発言ではございますが……私、ドルチェにはそのように映っております」
「な、なるほど……!」
ドルチェは私と同年代ではあるけれど、貴族である私よりも苦労をして来ているはず。そんな彼女の言葉は非常に説得力を持っていた。なんだか、勇気付けられてしまうわ……。
「あら、どなたでしょうか?」
と、そんな時、私の部屋をノックする音が聞こえた。まだ王子殿下達が来る時間ではないはずだけれど。
「は、は~~い。どちら様でしょうか?」
「シャルナ、私よ。入ってもいいかしら?」
「この声は……リュート王女殿下!?」
予想外の訪問客と言える……まさか、このタイミングでリュート王女がお越しになるなんて。どうすればいいのか迷ったけれど、流石にお通ししないわけにはいかない。王子殿下達を招き入れる前に、リュート王女様を部屋に入れることになってしまった……。
私は僭越ながら、二人からの求婚を受けていた。国王陛下達からも、好きに選んで良いという約束までされている。本当に大丈夫なのかしら……? アモネート家はそこそこの立場の貴族ではあるけれど。王子殿下達と比べると臣下でしかないのに。
「ドルチェ……非常に憂鬱だわ」
「お察しいたします、シャルナお嬢様……」
メイドのドルチェは私に気を使ってくれてか、ブラックコーヒーを淹れてくれた。確かに今は、こういうキツイ飲み物を飲みたい気分だわ! ブラックコーヒーをキツイと感じる時点で私の舌はまだまだお子様なのかもしれない……。
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「左様でございますね……羨ましいことでございます。王子殿下を選べる立場……流石はシャルナお嬢様ですね」
「やめてよ、ドルチェ……」
「ふふ……」
ドルチェは可愛く笑ってみせるけれど、私の内面はそんなに穏やかではなかった。確かに一般人の間では、複数の男子を選べる立場にあるのは幸せの象徴かもしれないけれど……。
私の場合は相手の立場が違うのだ。だって第二王子殿下と第三王子殿下よ? 自分でも信じられないお方を選ぼうとしているんだと、嫌でも実感させられてしまう!
果てしないほどの恐怖が生まれるけれど、それと同時に私は愛されているんだという実感も大きく出て来る。こんな想いを感じるのはおそらく初めて……このブリスド宮殿に移り住んでからと言えるだろう。
「お嬢様は今、その人生の中でも最高の幸せを手に入れようとしているのだと思います」
「そ、そうかしら……?」
「はいっ。使用人の身で生意気な発言ではございますが……私、ドルチェにはそのように映っております」
「な、なるほど……!」
ドルチェは私と同年代ではあるけれど、貴族である私よりも苦労をして来ているはず。そんな彼女の言葉は非常に説得力を持っていた。なんだか、勇気付けられてしまうわ……。
「あら、どなたでしょうか?」
と、そんな時、私の部屋をノックする音が聞こえた。まだ王子殿下達が来る時間ではないはずだけれど。
「は、は~~い。どちら様でしょうか?」
「シャルナ、私よ。入ってもいいかしら?」
「この声は……リュート王女殿下!?」
予想外の訪問客と言える……まさか、このタイミングでリュート王女がお越しになるなんて。どうすればいいのか迷ったけれど、流石にお通ししないわけにはいかない。王子殿下達を招き入れる前に、リュート王女様を部屋に入れることになってしまった……。
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