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13話 イグーロス帝国 その2
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「そうか……南のゴーストタウンでそのような話が……」
「はい、念の為、報告しておこうかと思いまして」
私は大森林を定期的に訪れてくれているシード様に、ゴーストタウンで聞いた、イグーロス帝国の騎士の話をした。まあ、内容的にはそれ程重大な機密情報ってわけではないんだけれど。
「なるほどな……やはり、イグーロス帝国は、ユトレヒト王国を属国などで支配しようと考えていたのか」
納得が言った、といった表情を見せているシード様。ユトレヒト王国とイグーロス帝国の衝突は、前々からあったものね。あの騎士二人の情報の中に、聖女の話はなかったけれど、聖女追放が起こったから、国力が下がったと噂されても驚かないわ。事実ではあるんだし……。
「あんな辺境地に来る騎士の発言ですから、どこまでが事実かはわかりませんけど……」
「確かにそれはあるな」
間違ってはいけないのは、私が言った報告だけで、イグーロス帝国の真意は分からないということ。本当にイグーロス帝国の上層部が、ユトレヒト王国の支配を考えているのかどうか……それは多分、二国間協議が開催されないと分からないと思うし。
「しかし、貴重な報告に感謝するよ、エミリー。もう、君には関係のないことなのに申し訳なかったな」
「いえ……ユトレヒト王国に関しては、確かに関係性は薄いと思いますが……シード様にはお世話になっていますし」
「エミリー……ありがとう、そう言って貰えてとても嬉しいよ」
「いえ、こちらこそありがとうございます、シード様。私みたいな追放された元聖女に良くしていただいて……」
「いやいや、とんでもないことだよ」
「いえいえいえ……」
「いやいやいや……」
---------------------------------------------------
お互い気を遣った言葉の応酬が始まった。お互いに譲る気は微塵もない感じ……仕方ないので、私の方から折れることにした。折れるというか、話題を変えただけなんだけれど。
「そういえば、シード様。お聞きしたいことがあるのですが……」
「どうしたんだ、エミリー?」
そう……前々から聞きたいことが、シード様にあった。タイミングを逃してしまい、今まで聞けなかったのだけれど。私は小屋の中に入って来ているフェンリルを近くまで呼び寄せてから、話し出した。
「私はこうして、追放されてから大森林で生活していますけれど……」
「ああ、それがどうかしたのか?」
「シード様の方は問題ないのですか? 確かに西の国境は、シード様の治める領地になりますし、多少の融通は利くかもしれませんが……私と会っているのが、国王陛下の耳にでも届いたら……」
「そういうことか。まあ、その辺りは心配する必要はないよ」
「そうなんですか?」
シード様は自信に満ちた表情で頷いている。おそらく相当な自信があるみたいね……でも、本当に大丈夫なのかしら? 今更、シード様が裏切るとは考えていないけれど、配下の者たちは裏切ってもおかしくないのに……。
「まず大丈夫な理由なんだが……」
「は、はい……」
私の心中を察したのか、シード様は口を開いた。
「信頼の於ける者達にしか話していない。国境に居る配下達には、別の理由で出ていることにしているからだ。まず、バレることはないだろう」
「別の理由ですか……? 差し支えなければ、その理由をお聞かせいただけませんでしょうか?」
「イグーロス帝国関連の話さ。ちょうど、二国間協議も近付いていることだしな。不穏な動きがないか、私自ら護衛を連れて、様子見に行っているという体裁なのさ」
「なるほど……そういうことでしたか」
まあ、確かに今の時期なら、イグーロス帝国関連で怪しまれることはなさそうね。でも、その後はどうしよう……? 下手をすると、私はシード様に会いにくくなってしまうんじゃ……?
「はい、念の為、報告しておこうかと思いまして」
私は大森林を定期的に訪れてくれているシード様に、ゴーストタウンで聞いた、イグーロス帝国の騎士の話をした。まあ、内容的にはそれ程重大な機密情報ってわけではないんだけれど。
「なるほどな……やはり、イグーロス帝国は、ユトレヒト王国を属国などで支配しようと考えていたのか」
納得が言った、といった表情を見せているシード様。ユトレヒト王国とイグーロス帝国の衝突は、前々からあったものね。あの騎士二人の情報の中に、聖女の話はなかったけれど、聖女追放が起こったから、国力が下がったと噂されても驚かないわ。事実ではあるんだし……。
「あんな辺境地に来る騎士の発言ですから、どこまでが事実かはわかりませんけど……」
「確かにそれはあるな」
間違ってはいけないのは、私が言った報告だけで、イグーロス帝国の真意は分からないということ。本当にイグーロス帝国の上層部が、ユトレヒト王国の支配を考えているのかどうか……それは多分、二国間協議が開催されないと分からないと思うし。
「しかし、貴重な報告に感謝するよ、エミリー。もう、君には関係のないことなのに申し訳なかったな」
「いえ……ユトレヒト王国に関しては、確かに関係性は薄いと思いますが……シード様にはお世話になっていますし」
「エミリー……ありがとう、そう言って貰えてとても嬉しいよ」
「いえ、こちらこそありがとうございます、シード様。私みたいな追放された元聖女に良くしていただいて……」
「いやいや、とんでもないことだよ」
「いえいえいえ……」
「いやいやいや……」
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お互い気を遣った言葉の応酬が始まった。お互いに譲る気は微塵もない感じ……仕方ないので、私の方から折れることにした。折れるというか、話題を変えただけなんだけれど。
「そういえば、シード様。お聞きしたいことがあるのですが……」
「どうしたんだ、エミリー?」
そう……前々から聞きたいことが、シード様にあった。タイミングを逃してしまい、今まで聞けなかったのだけれど。私は小屋の中に入って来ているフェンリルを近くまで呼び寄せてから、話し出した。
「私はこうして、追放されてから大森林で生活していますけれど……」
「ああ、それがどうかしたのか?」
「シード様の方は問題ないのですか? 確かに西の国境は、シード様の治める領地になりますし、多少の融通は利くかもしれませんが……私と会っているのが、国王陛下の耳にでも届いたら……」
「そういうことか。まあ、その辺りは心配する必要はないよ」
「そうなんですか?」
シード様は自信に満ちた表情で頷いている。おそらく相当な自信があるみたいね……でも、本当に大丈夫なのかしら? 今更、シード様が裏切るとは考えていないけれど、配下の者たちは裏切ってもおかしくないのに……。
「まず大丈夫な理由なんだが……」
「は、はい……」
私の心中を察したのか、シード様は口を開いた。
「信頼の於ける者達にしか話していない。国境に居る配下達には、別の理由で出ていることにしているからだ。まず、バレることはないだろう」
「別の理由ですか……? 差し支えなければ、その理由をお聞かせいただけませんでしょうか?」
「イグーロス帝国関連の話さ。ちょうど、二国間協議も近付いていることだしな。不穏な動きがないか、私自ら護衛を連れて、様子見に行っているという体裁なのさ」
「なるほど……そういうことでしたか」
まあ、確かに今の時期なら、イグーロス帝国関連で怪しまれることはなさそうね。でも、その後はどうしよう……? 下手をすると、私はシード様に会いにくくなってしまうんじゃ……?
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