学園祭で侯爵令息にいきなり婚約破棄されました!

ルイス

文字の大きさ
6 / 10

6話

しおりを挟む
「エスメラルダはこれからどうするつもりなんだ?」

「私はそうですね……王子殿下の件で教室がゴタゴタしましたし、これを利用させていただこうかと思っています」

「ほう、利用するのか?」

「ええ、私の机を出した生徒や肉体関係を迫って来たアルドにはある意味では感謝しなければならないですね」


 今の学園内の雰囲気……これは時間経過とともに収まっていくはずだ。ボーっとしていたのでは意味がなくなってしまう。私は一気に動くことを考えた。


「この機会ですから、もう一度ヨシュアに会って謝罪をしてもらおうかと思います」

「謝罪か……内容はもちろん、公共の場で婚約破棄をした件なのかな?」

「そういうことです。王子殿下が来てくださって、ゴタゴタになった雰囲気を利用してしまうのは申し訳ないのですが……」

「いや、それについては全く気にする必要はないよ。むしろ、苛めがなくなるのなら、大いに利用してもらいたいくらいだからね」

「ありがとうございます、チェスター王子殿下」


 チェスター王子殿下はとても寛大な人だった。それにいじめなどを決して許さない正義感も持っているように感じられる。まあ、その辺りは今回で確認したことではないんだけどね。以前から、チェスター王子殿下は尊敬に値する人物だと思っていた。すごい人だ……。

「エスメラルダ、大丈夫なの? ヨシュアが激昂したりしたら貴方の身体が心配だわ」

「ヨシュアが激昂? う~ん……」


 ヨシュアは変にプライドが高いというか、貴族意識を変に勘違いしているところがあるしね。確かに問い詰めて激昂したら、暴力を振るってくるかもしれない。シャリーが言った身の危険は否定できなかった。


「確かにヨシュアが本気でキレることは想定していないといけないわね……う~ん」

「ああ、そういうことなら心配はいらないと思うよ」

「えっ? 王子殿下……?」

「私も同行させてもらえるなら、ボディガードとして活用してくれ」


 王子殿下をボディガードに……なんて贅沢な使い方だろうか。いや、そういうことではなくて……。


「いえ、チェスター王子殿下をそのようなことに使うなんて……」

「ボディガードは冗談としてもだ。エスメラルダが危ない目に遭うかもしれないのに黙っているわけにはいかないだろ。私も付いて行くよ」

「王子殿下……」

 チェスター王子殿下の決意は深いようだった。私が何を言っても彼は付いて来るだろう。でも、それはとても心強いというわけで……とてもありがたいことだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

義母と義妹に虐げられていましたが、陰からじっくり復讐させていただきます〜おしとやか令嬢の裏の顔〜

有賀冬馬
ファンタジー
貴族の令嬢リディアは、父の再婚によりやってきた継母と義妹から、日々いじめと侮蔑を受けていた。 「あら、またそのみすぼらしいドレス? まるで使用人ね」 本当の母は早くに亡くなり、父も病死。残されたのは、冷たい屋敷と陰湿な支配。 けれど、リディアは泣き寝入りする女じゃなかった――。 おしとやかで無力な令嬢を演じながら、彼女はじわじわと仕返しを始める。 貴族社会の裏の裏。人の噂。人間関係。 「ふふ、気づいた時には遅いのよ」 優しげな仮面の下に、冷たい微笑みを宿すリディアの復讐劇が今、始まる。 ざまぁ×恋愛×ファンタジーの三拍子で贈る、スカッと復讐劇! 勧善懲悪が好きな方、読後感すっきりしたい方にオススメです!

【完結】忌み子と呼ばれた公爵令嬢

美原風香
恋愛
「ティアフレア・ローズ・フィーン嬢に使節団への同行を命じる」  かつて、忌み子と呼ばれた公爵令嬢がいた。  誰からも嫌われ、疎まれ、生まれてきたことすら祝福されなかった1人の令嬢が、王国から追放され帝国に行った。  そこで彼女はある1人の人物と出会う。  彼のおかげで冷え切った心は温められて、彼女は生まれて初めて心の底から笑みを浮かべた。  ーー蜂蜜みたい。  これは金色の瞳に魅せられた令嬢が幸せになる、そんなお話。

裏切られ追放されたけど…精霊様がついてきました。

京月
恋愛
 精霊の力を宿したペンダント。  アンネは婚約者のジーク、商人のカマダル、友人のパナに裏切られ、ペンダントを奪われ、追放されてしまった。  1人で泣いているアンネ。 「どうして泣いているの?」  あれ?何でここに精霊様がいるの? ※5話完結です。(もう書き終わってます)    

【完結】女王と婚約破棄して義妹を選んだ公爵には、痛い目を見てもらいます。女王の私は田舎でのんびりするので、よろしくお願いしますね。

五月ふう
恋愛
「シアラ。お前とは婚約破棄させてもらう。」 オークリィ公爵がシアラ女王に婚約破棄を要求したのは、結婚式の一週間前のことだった。 シアラからオークリィを奪ったのは、妹のボニー。彼女はシアラが苦しんでいる姿を見て、楽しそうに笑う。 ここは南の小国ルカドル国。シアラは御年25歳。 彼女には前世の記憶があった。 (どうなってるのよ?!)   ルカドル国は現在、崩壊の危機にある。女王にも関わらず、彼女に使える使用人は二人だけ。賃金が払えないからと、他のものは皆解雇されていた。 (貧乏女王に転生するなんて、、、。) 婚約破棄された女王シアラは、頭を抱えた。前世で散々な目にあった彼女は、今回こそは幸せになりたいと強く望んでいる。 (ひどすぎるよ、、、神様。金髪碧眼の、誰からも愛されるお姫様に転生させてって言ったじゃないですか、、、。) 幸せになれなかった前世の分を取り返すため、女王シアラは全力でのんびりしようと心に決めた。 最低な元婚約者も、継妹も知ったこっちゃない。 (もう婚約破棄なんてされずに、幸せに過ごすんだーー。)

婚約破棄されましたが、私はあなたの婚約者じゃありませんよ?

柴野
恋愛
「シャルロット・アンディース公爵令嬢!!! 今ここでお前との婚約を破棄するッ!」  ある日のこと、学園の新入生歓迎パーティーで婚約破棄を突きつけられた公爵令嬢シャルロット。でも……。 「私はあなたの婚約者じゃありませんよ? どなたかとお間違いなのでは? ――そこにいる女性があなたの婚約者だと思うのですが」 「え!?」 ※ざまぁ100%です。 ※小説家になろう、カクヨムに重複投稿しています。

公爵令嬢ですが、実は神の加護を持つ最強チート持ちです。婚約破棄? ご勝手に

ゆっこ
恋愛
 王都アルヴェリアの中心にある王城。その豪奢な大広間で、今宵は王太子主催の舞踏会が開かれていた。貴族の子弟たちが華やかなドレスと礼装に身を包み、音楽と笑い声が響く中、私——リシェル・フォン・アーデンフェルトは、端の席で静かに紅茶を飲んでいた。  私は公爵家の長女であり、かつては王太子殿下の婚約者だった。……そう、「かつては」と言わねばならないのだろう。今、まさにこの瞬間をもって。 「リシェル・フォン・アーデンフェルト。君との婚約を、ここに正式に破棄する!」  唐突な宣言。静まり返る大広間。注がれる無数の視線。それらすべてを、私はただ一口紅茶を啜りながら見返した。  婚約破棄の相手、王太子レオンハルト・ヴァルツァーは、金髪碧眼のいかにも“主役”然とした青年である。彼の隣には、勝ち誇ったような笑みを浮かべる少女が寄り添っていた。 「そして私は、新たにこのセシリア・ルミエール嬢を伴侶に選ぶ。彼女こそが、真に民を導くにふさわしい『聖女』だ!」  ああ、なるほど。これが今日の筋書きだったのね。

私を追い出したらこの店は潰れますが、本当に良いんですね?

真理亜
恋愛
私を追い出す? この店を取り仕切っているのは私ですが、私が居なくなったらこの店潰れますよ? 本気いや正気ですか? そうですか。それじゃあお望み通り出て行ってあげます。後で後悔しても知りませんよ?

【完】今流行りの婚約破棄に婚約者が乗っかり破棄してきました!

さこの
恋愛
 お前とは婚約を破棄する! と高々と宣言する婚約者様。そうですね。今流行っていますものね。愛のない結婚はしたくない! というやつでわすわね。  笑顔で受けようかしら  ……それとも泣いて縋る?   それではでは後者で! 彼は単純で自分に酔っているだけで流行りに乗っただけですもの。  婚約破棄も恐らく破棄する俺カッコいい! くらいの気持ちのはず! なのでか弱いフリしてこちらから振ってあげましょう! 全11話です。執筆済み ホットランキング入りありがとうございます 2021/09/07(* ᴗ ᴗ)

処理中です...