BOX・FORCE

hime

文字の大きさ
57 / 85
第2章 七魔編-七魔団vsBOX・FORCE-

[第13話:Operatio impetum]

しおりを挟む


樫間は、事前に団員たちに特殊通信装置を渡していた。

「…堀崎、各部隊の潜伏ポイントを提示しろ。」

『…部隊Aは、樫間の予想通り。例のだ。』

堀崎は、の示すポイントを樫間に伝えた。

『続けて、部隊B。渋谷区神泉町の住宅の1つに反応がある。』

「了解。チャン、そこは旧第2部隊のシェアハウスだ。住宅街だから、奴らを広い場所に誘き寄せろ。」

樫間の指示に、チャンが反応した。

『OK。近くの大学付近まで誘き寄せる。』

『続けるぞ樫間。樫間たちの向かうべき場所は、
新宿だ。』

「…新宿…。」

樫間は、堀崎が割り出したポイントに対し、そう呟いた。

『それじゃ、みんな頼むぜ。…こっちはもうすぐ辿り着く。切るぞ!』

堀崎はそう言うと、通信を切った。




_最初にポイントに辿り着いたのは、道影、江神、堀崎であった。


「なんだこの屋敷。デカすぎんだろ。」

道影は、"リヴァイアサン"の能力である"浮遊"を使い、空中からそのを眺めていた。

「…"彩科院家"…。なるほど、相手は相当な御坊ちゃまってことね。」

江神は静かにそう呟いた。

「あぁ?なんか言ったか?聞こえねぇよ。」

地上にいる堀崎と江神よりも、10mほど空中にいる道影は、2人の方に耳を傾けながらそう言った。

「なんでもねぇよ。ここは敵さんの屋敷だ…。」

堀崎が大声で道影にそう言った途端、その屋敷の大きな門を、道影が"巨大ハンマーリヴァイアサン"で破壊した。

「…んだよ面白くねぇなぁ。セキュリティガバガバじゃねぇかよ。」

道影はがっかりしてそう言った。
すると、破壊の砂煙の奥に3人の人影が現れた。


「…貴様…よくも我が家の大事な門を破壊してくれたな…!」

怒りの声の主は、彩科院であった。

「おぉ?やぁ、御坊ちゃん。…殺しにきたよ?」

道影はそう言うと、彩科院目掛けて突撃した。

「み、道影っ!無闇に攻め入るな!」

堀崎がそう叫んだのも束の間、彩科院の"裁馬刀シェバーエピー"は火を噴いた。

「…消し炭にしてやるよっ!」

彩科院が"裁馬刀"の剣先を道影に向けた途端、彩科の左から急速に近づく物体が現れた。

「…ちょろいぜ。隊長さんよぉ!!」

道影が叫んだ。
彩科院は、"巨大ハンマーリヴァイアサン"を体の左側全面で食らった。

彩科院は、50mほど奥の屋敷の外壁まで吹き飛ばされた。

「っ…!隊長っ!」

白峰はそう叫ぶと、咄嗟に"炎鳥皇フェニキス"を構えた。

「…させねぇよ。」

その白峰を狙って、"悪魔弓ベルフェゴール"の矢を引く堀崎はそう呟いた。
堀崎の"ベルフェゴール"は、禍々しく黒いオーラを発していた。

すると、堀崎目掛けて3発の弾丸が撃ち込まれた。
堀崎は、体制を崩しながらも間一髪でその弾丸を避けた。しかし、弓への力が弱まった事で、白峰はその攻撃を免れた。

「…"ベルフェゴール"に奇襲とはいい度胸だな…。その居場所、炙り出してやる。」

堀崎はそう言うと、弓の構えを辞めて"千里眼ベルフェゴール"を発動させた。
屋敷の庭園の至る所に視線を送ると、小さな池の畔に置かれた大きな石の影に、そのを確認した。

「…見つけたぜ。蛇のようにコソコソと隠れやがって…。」

堀崎がそう呟いた途端、彼は驚いた顔を見せた。
その影から感じるオーラは、"狙撃"であったからだ。

「もたもたしてるとぶん殴るぞ堀崎ぃぃぃ!!」

その声と共に、道影の"巨大ハンマーリヴァイアサン"が堀崎に向かってきた。

瞬時の反応で堀崎がを避けると、微かに弾丸の当たる音が聞こえた。
道影の"リヴァイアサン"を避けた事で、堀崎は狙撃を免れたのだ。

「…ったく、危ねぇぞ道影ぇ!」

堀崎は、尻もちをつきながら道影にそう叫んだ。

「危ねぇのはどっちだ?堀崎。」

道影は堀崎を睨みながらそう言うと、再び彩科院を狙って"リヴァイアサン"を振り回した。

すると、堀崎の身体を覆うように禍々しい黒いオーラの大きな腕が現れた。

「…気をつけて、堀崎さん。」

堀崎が振り向くと、すぐ後ろにポツンと立っている江神の背中から、は現れていた。

「…あ、ありがとう。江神。」

堀崎は戸惑いながらそう言った。

「…狙撃者は私が炙り出す。その間、彼の相手は頼むわよ。」

江神はそう言うと、庭園の周囲を見渡した。
彼女の前髪は、目を覆うほど長く伸びていたが
どうやら確実に様であった。

「…あの"女"ね。」

江神がそう呟いた時には既に、その姿は一瞬にして消えていた。

「…江神…何者なんだ。」

堀崎は呆気に取られていたが、気を取り直して白峰の姿を捉えた。


一方、大屋敷の庭園を破壊する程の勢いで暴れ回る道影と、それを相手する彩科院。


「ふっふっふっ…楽しいなぁ。楽しいぜ!隊長さんよぉ!
チンピラ共とやり合うより断然楽しいぃ!」

狂気の表情でそう叫びながら、道影は"リヴァイアサン"を振り回した。

「…貴様…樫間の一味か…。」

彩科院は、道影の攻撃を必死に避けながらそう呟いた。

「…俺は悪魔…"リヴァイアサン"だぁぁ!」

道影は、彩科院に向かってそう咆哮した。

「…悪魔だと…?NAMELESSではないということか…?」

彩科院は、道影を睨みつけながら必死に考察した。
かつて、"ヴァリアル"と対抗していた彩科院すらも
遊ぶ様に翻弄する道影に、彼は驚いていた。

「…ふっふっ、その答え、生きて辿り着けるといいなぁぁ!!!」

道影の姿は、"悪魔リヴァイアサン"そのものであった。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

アラフォーリサの冒険 バズったSNSで退職からリスタート

MisakiNonagase
恋愛
堅実な会社員として働いてきた39歳のリサ。まだまだ現役の母親と二人暮らしで高望みしなければ生活に困ることはなく、それなりに好きなことを楽しんでいた。 周りが結婚したり子育てに追われる様子に焦りがあった時期もあるなか、交際中の彼氏と結婚の話しに発展した際は「この先、母を一人にできない」と心の中引っ掛かり、踏み込めないことが続いてきた。 ある日、うっかりモザイクをかけ忘れインスタグラムに写真を上げたとき、男性から反応が増え、下心と思える内容にも不快はなく、むしろ承認欲求が勝り、気に入った男性とは会い、複数の男性と同時に付き合うことも増え、今を楽しむことにした。 その行動がやがて、ネット界隈で噂となり、会社の同僚達にも伝わり… リサは退職後、塞ぎ込んでいたが、同じような悩みを抱えていたカナリア(仮名)と話すようになり立ち上がった。ハローワーク経由で職業訓練を受講したり、就活したり、その間知り合ったり仲間と励まし合ったり、生きる活力を取り戻していく… そして新たな就業先で、メール室に従事する生涯枠採用の翔太という男性と知り合い、リサの人生は変わる… 全20話を予定してます

母の下着 タンスと洗濯籠の秘密

MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。 颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。 物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。 しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。 センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。 これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。 どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。

冴えない建築家いずれ巨匠へと至る

木工槍鉋
ファンタジー
「建築とは、単なる箱を作ることではない。そこに流れる『時』を設計することだ――」 かつてそう語り、伝説の巨匠と呼ばれることになる男も、かつては己の名前に怯えるだけの冴えない二級建築士だった。 安藤研吾、40代。独立したものの仕事はなく、下請けとして「情緒のない真四角な箱」の図面を引き続ける日々。そんな彼が恩師に教えられた座標の先で迷い込んだのは、昭和初期を彷彿とさせる、魔法のない異世界だった。 現代の建築知識、そして一釘一釘を大切にする頑固大工との出会い。 「便利さ」ではなく「住む人の幸せ」を求めて、研吾は廃村に時計台を建て、水路を拓き、人々の暮らしを再生していく。 異世界で「百年の計」を学んだ研吾が現実世界に戻ったとき、その設計は現代の建築界をも揺るがし始める。 これは、一人の男が仕事への誇りを取り戻し、本物の「巨匠」へと駆け上がるまでの、ひたむきな再建の記録。

女神の白刃

玉椿 沢
ファンタジー
 どこかの世界の、いつかの時代。  その世界の戦争は、ある遺跡群から出現した剣により、大きく姿を変えた。  女の身体を鞘とする剣は、魔力を収束、発振する兵器。  剣は瞬く間に戦を大戦へ進歩させた。数々の大戦を経た世界は、権威を西の皇帝が、権力を東の大帝が握る世になり、終息した。  大戦より数年後、まだ治まったとはいえない世界で、未だ剣士は剣を求め、奪い合っていた。  魔物が出ようと、町も村も知った事かと剣を求める愚かな世界で、赤茶けた大地を畑や町に、煤けた顔を笑顔に変えたいという脳天気な一団が現れる。  *表紙絵は五月七日ヤマネコさん(@yamanekolynx_2)の作品です*

処理中です...