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侯爵令嬢の内心(マリエ視点)
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「マリエ・ボールドン。おまえとの婚約は解消させてもらう」
婚約者であるドナルド王太子の言葉にマリエは耳を疑った。思わず聞き返してしまう。
「婚約――――解消、でございますか?」
「そうだ。私は真実の愛を見つけたのだ、自分の心に嘘はつけない」
ドナルドの後ろには瞳をうるうるさせた可愛らしい令嬢。ああなるほど、とマリエは思った。黒髪に紫の瞳、どこか庇護欲をかきたてられるタイプの娘だ。思わずしげしげと観察してしまったのを睨まれていると感じたのだろうか、彼女がびくっとドナルドの後ろに隠れた。
金の縦ロールの髪に少しつり目がちのブルーアイズ。整った顔の美人と評される自分がきつくて冷たい印象を持たれることは重々理解している。またか、と内心ため息をついた。
お嬢さん、私は貴女を怖がらせるつもりはありません。むしろこの婚約破棄が本当なら、私は貴女を力いっぱいハグして心からの感謝を伝えたいくらいなのに。
でもまさか「王太子殿下との婚約破棄を喜びます」なんて言えるわけがない。マリエは湧き上がる喜びを必死に押さえつけ顔に笑みが浮かばないように耐えていたので、結果ひどい顔になっていたのだが、それを知る由もない。
「ドナルド様……! 私は」
あ、いけない。どうしても顔がにやける。
マリエが両手でにやける口のあたりを覆い、喜びを抑えようとして震える声を絞り出す。
「ああ、わかっている。マリエ、そなたが私と婚約してからこれまで、将来の王太子妃、ゆくゆくは王妃としての厳しい教育を受けさせられていたことも。その時間を無駄にしてしまうことは申し訳ないと思う。が、このままおまえと結婚しても私はおまえを愛せない。私が愛しているのはこのパトリシアだけだからだ。おまえは今までのことを忘れて新しく一歩を踏み出すと良い」
「ドナルド様」
だから嫌だったんだ。この思い込みの激しすぎる王太子は、とマリエは内心嘆息する。いつ誰がドナルドを愛しているなどと言ったのだ。そもそもドナルドは思い込みが激しく、現実と妄想をごっちゃにするタイプだ。想像力豊かなのは結構だが、妄想をそのまま信じ込んでしまう悪い意味での素直さには辟易していたのだ。「リンゴが体にいい」と聞けばリンゴばかりを食べ過ぎて体調を壊し、それこそ本の読み過ぎで肩がこれば「肩が重い! 何かが私に取り憑いたのでは」と騒ぐ。
けれど、もうこれで終わりだ。ドナルドはこのパトリシアと結婚する。マリエはもう自由だ。
そもそも、マリエには想い合う恋人がいた。名をクラウディオ、マリエの住むノーランダ王国の西隣に位置するフォーラス王国の第三王子だ。とはいえ平民の女を母に持つ彼はほぼ無きものとして冷遇され、ノーランダとの国境に近い小さな屋敷で召使と暮らし、フォーラスの王族からは無視されているのが現状だ。
5年前、自宅から馬車で1日走ったくらいの場所にある国境沿いの村にバカンスに訪れたマリエは、たまたま国境を越えて遊びに来ていたクラウディオと出会ったのだ。
人柄もよく思慮深いクラウディオとは話が合い、あっという間に意気投合した。
国境には壁や柵もなく、友好関係にある両国は行き来が自由なので、それ以来お互い密かに会って気持ちを育ててきたのだ。
それが崩れたのは2年前。両親は冷遇されているクラウディオとの仲にあまりいい顔をしていなくて、その隙間をつくようにノーランダ王家からドナルドとマリエの婚約が打診されたのだ。しかも、打診とは名ばかり、ほぼ命令の状態で断ることもできずマリエは泣く泣くクラウディオとの別れを選択させられたのだった。
どうやらマリエの美しさ、優秀さを惜しんだ王家がゴリ押ししてきた挙句「婚約を承諾しないと侯爵家、どうなっても知らないよ?」的な脅しもあったらしい。マリエの父はその辺りを語らなかったが、そんな噂はマリエの耳に届いていた。
そこへ今回の婚約解消だ。喜ばないわけがない。
マリエの手は信じられないような喜びに小刻みに震える。後で国王が怒るかもしれないが、立場的にマリエは王太子に逆らえないのだ、ここでノーと言えるわけがない。
はっきり言って、千載一遇のチャンスなのだ。
喜びのあまりドナルドの首に抱きついてしまいそうな衝動に駆られる。だが、いけない。もう自分はドナルドの婚約者ではなく、ましてやパトリシアの目の前だ。伸ばしかけた手をそっと戻し、できるだけ真面目な表情に見えるよう口元を引き締めた。
「わかりました――――殿下のおっしゃるとおりにいたします。ただ」
「ただ?」
「――――私は、忘れません」
ここまで学んできたことを。淑女としての振る舞い、語学に歴史、現在の外交関係、国内外の情勢などなどを、絶対に忘れない。苦労はしたが、知識は自分の財産だ。
「何を忘れない」のか言うのを忘れるほどに浮足立つ心を必死に引き締めつつ歩き去ったので、ひょっとしたら冷たい雰囲気に見えていたかもしれない。けれどマリエの頃は心は既にこの場にはなかった。
そこからのマリエの行動は迅速だった。
まず、父であるボールドン侯爵に会い、婚約を解消すると王太子に告げられたことを話す。
「お父様、私もう後悔するのは嫌でございます。なんと言われようとこの想い、貫かせていただきます」
「ああ、わかっている」
ボールドン侯爵は羊皮紙にさらさらと何かを書き始めた。書きながらマリエに声をかける。
「よいか、あれから2年か経っておる。クラウディオ殿下もお前を待っているとは限らない。それはわかっているな?」
「はい、その時は潔く身を引きます」
「よし。本来ならばクラウディオ殿下に先触れを出し、訪問のお伺いを立てるところだが、ドナルド殿下から話を聞いた陛下が手を回してこないとも限らない。その前に行動あるのみ、だ」
書き上がった羊皮紙をくるくると巻き、紐で縛って封蝋を施し、マリエに手渡した。
「2年前も今回もおまえは王家の都合に振り回された。親としてはもう幸せになってほしい、それだけだーーーー首尾よくクラウディオ様と想いを通じ合うことができたなら、これを先方に渡しなさい」
「これは?」
「ボールドン侯爵から、クラウディオ殿下との結婚を承諾するという書状だ」
「お父様ーーーー! ありがとうございます」
マリエはボールドン侯爵に抱きつき、頬にキスを贈り、すぐに部屋を後にした。
そのまま自室で身の回りのものと路銀を用意して軽装に着替える。
両親に見送られ、マリエは単身屋敷を出た。愛馬にまたがり国境を目指す。
愛する人の元へ。
王都郊外にある瀟洒な建物では使用人達が色めき立っていた。玄関を入ってすぐのエントランスホールで、この館の主である青年が感極まった様子で女性を抱きしめているからだ。
「マリエ……!」
「クラウディオ様!」
そう、抱きしめられている女性はマリエ。必死に馬を駆り、ここへ単身たどりついたのだ。
「マリエ、ああよく顔を見せておくれ――――貴女にはもう会うことは出来ないと諦めていたのに。なぜ」
マリエはクラウディオの目を見つめながら幸せそうに微笑んだ。
「婚約が破棄されたのですわ。ドナルド様は別の女性との真実の愛に目覚められたそうです」
「なに……! あのボンクラは貴女を袖にしたというのかい? 信じられない」
「嘘ではありません。お相手の女性とも顔を合わせました。ですから私はもう自由です。我慢が出来なくなって、城から下がってすぐに飛び出してきてしまいました。ドナルド様とお話ししている最中から、もう嬉しくて嬉しくて、顔がにやけないようにするので必死でしたわ」
婚約が破棄された。だからここへ来たのだ。ドナルドと婚約するより前から誰より愛するクラウディオのところへ。
「貴女を手放してくれたことには感謝するけど、貴女を無碍にしたことには腹が立つな。私から貴女を取り上げた上に、貴女が王妃教育に努力していたというのにいとも簡単に」
クラウディオはマリエの髪を撫でながら憮然とする。
「いいえ、王妃教育は本当に大変でしたけれど、私にとって決して無駄にはなりません。なにしろ国内でも最高の教育ですから、婚約破棄など授業料だと思えばいいのです。私は今まで身についたことを忘れず、クラウディオ様のおそばでしっかりやっていきたいのです」
「――――ドナルド殿下のことは?」
「もうドナルド様なんてどうでもいいのです。私にはクラウディオ様がいてくだされば」
「――――だめだよ、そんな可愛いこと言っちゃ。私はもう貴女を手放せない。いいや、二度と手放さない」
「クラウディオ様」
どこまでも続きそうなイチャラブ展開に執事がやんわりと切り込み、二人を応接室へと案内していった。
婚約者であるドナルド王太子の言葉にマリエは耳を疑った。思わず聞き返してしまう。
「婚約――――解消、でございますか?」
「そうだ。私は真実の愛を見つけたのだ、自分の心に嘘はつけない」
ドナルドの後ろには瞳をうるうるさせた可愛らしい令嬢。ああなるほど、とマリエは思った。黒髪に紫の瞳、どこか庇護欲をかきたてられるタイプの娘だ。思わずしげしげと観察してしまったのを睨まれていると感じたのだろうか、彼女がびくっとドナルドの後ろに隠れた。
金の縦ロールの髪に少しつり目がちのブルーアイズ。整った顔の美人と評される自分がきつくて冷たい印象を持たれることは重々理解している。またか、と内心ため息をついた。
お嬢さん、私は貴女を怖がらせるつもりはありません。むしろこの婚約破棄が本当なら、私は貴女を力いっぱいハグして心からの感謝を伝えたいくらいなのに。
でもまさか「王太子殿下との婚約破棄を喜びます」なんて言えるわけがない。マリエは湧き上がる喜びを必死に押さえつけ顔に笑みが浮かばないように耐えていたので、結果ひどい顔になっていたのだが、それを知る由もない。
「ドナルド様……! 私は」
あ、いけない。どうしても顔がにやける。
マリエが両手でにやける口のあたりを覆い、喜びを抑えようとして震える声を絞り出す。
「ああ、わかっている。マリエ、そなたが私と婚約してからこれまで、将来の王太子妃、ゆくゆくは王妃としての厳しい教育を受けさせられていたことも。その時間を無駄にしてしまうことは申し訳ないと思う。が、このままおまえと結婚しても私はおまえを愛せない。私が愛しているのはこのパトリシアだけだからだ。おまえは今までのことを忘れて新しく一歩を踏み出すと良い」
「ドナルド様」
だから嫌だったんだ。この思い込みの激しすぎる王太子は、とマリエは内心嘆息する。いつ誰がドナルドを愛しているなどと言ったのだ。そもそもドナルドは思い込みが激しく、現実と妄想をごっちゃにするタイプだ。想像力豊かなのは結構だが、妄想をそのまま信じ込んでしまう悪い意味での素直さには辟易していたのだ。「リンゴが体にいい」と聞けばリンゴばかりを食べ過ぎて体調を壊し、それこそ本の読み過ぎで肩がこれば「肩が重い! 何かが私に取り憑いたのでは」と騒ぐ。
けれど、もうこれで終わりだ。ドナルドはこのパトリシアと結婚する。マリエはもう自由だ。
そもそも、マリエには想い合う恋人がいた。名をクラウディオ、マリエの住むノーランダ王国の西隣に位置するフォーラス王国の第三王子だ。とはいえ平民の女を母に持つ彼はほぼ無きものとして冷遇され、ノーランダとの国境に近い小さな屋敷で召使と暮らし、フォーラスの王族からは無視されているのが現状だ。
5年前、自宅から馬車で1日走ったくらいの場所にある国境沿いの村にバカンスに訪れたマリエは、たまたま国境を越えて遊びに来ていたクラウディオと出会ったのだ。
人柄もよく思慮深いクラウディオとは話が合い、あっという間に意気投合した。
国境には壁や柵もなく、友好関係にある両国は行き来が自由なので、それ以来お互い密かに会って気持ちを育ててきたのだ。
それが崩れたのは2年前。両親は冷遇されているクラウディオとの仲にあまりいい顔をしていなくて、その隙間をつくようにノーランダ王家からドナルドとマリエの婚約が打診されたのだ。しかも、打診とは名ばかり、ほぼ命令の状態で断ることもできずマリエは泣く泣くクラウディオとの別れを選択させられたのだった。
どうやらマリエの美しさ、優秀さを惜しんだ王家がゴリ押ししてきた挙句「婚約を承諾しないと侯爵家、どうなっても知らないよ?」的な脅しもあったらしい。マリエの父はその辺りを語らなかったが、そんな噂はマリエの耳に届いていた。
そこへ今回の婚約解消だ。喜ばないわけがない。
マリエの手は信じられないような喜びに小刻みに震える。後で国王が怒るかもしれないが、立場的にマリエは王太子に逆らえないのだ、ここでノーと言えるわけがない。
はっきり言って、千載一遇のチャンスなのだ。
喜びのあまりドナルドの首に抱きついてしまいそうな衝動に駆られる。だが、いけない。もう自分はドナルドの婚約者ではなく、ましてやパトリシアの目の前だ。伸ばしかけた手をそっと戻し、できるだけ真面目な表情に見えるよう口元を引き締めた。
「わかりました――――殿下のおっしゃるとおりにいたします。ただ」
「ただ?」
「――――私は、忘れません」
ここまで学んできたことを。淑女としての振る舞い、語学に歴史、現在の外交関係、国内外の情勢などなどを、絶対に忘れない。苦労はしたが、知識は自分の財産だ。
「何を忘れない」のか言うのを忘れるほどに浮足立つ心を必死に引き締めつつ歩き去ったので、ひょっとしたら冷たい雰囲気に見えていたかもしれない。けれどマリエの頃は心は既にこの場にはなかった。
そこからのマリエの行動は迅速だった。
まず、父であるボールドン侯爵に会い、婚約を解消すると王太子に告げられたことを話す。
「お父様、私もう後悔するのは嫌でございます。なんと言われようとこの想い、貫かせていただきます」
「ああ、わかっている」
ボールドン侯爵は羊皮紙にさらさらと何かを書き始めた。書きながらマリエに声をかける。
「よいか、あれから2年か経っておる。クラウディオ殿下もお前を待っているとは限らない。それはわかっているな?」
「はい、その時は潔く身を引きます」
「よし。本来ならばクラウディオ殿下に先触れを出し、訪問のお伺いを立てるところだが、ドナルド殿下から話を聞いた陛下が手を回してこないとも限らない。その前に行動あるのみ、だ」
書き上がった羊皮紙をくるくると巻き、紐で縛って封蝋を施し、マリエに手渡した。
「2年前も今回もおまえは王家の都合に振り回された。親としてはもう幸せになってほしい、それだけだーーーー首尾よくクラウディオ様と想いを通じ合うことができたなら、これを先方に渡しなさい」
「これは?」
「ボールドン侯爵から、クラウディオ殿下との結婚を承諾するという書状だ」
「お父様ーーーー! ありがとうございます」
マリエはボールドン侯爵に抱きつき、頬にキスを贈り、すぐに部屋を後にした。
そのまま自室で身の回りのものと路銀を用意して軽装に着替える。
両親に見送られ、マリエは単身屋敷を出た。愛馬にまたがり国境を目指す。
愛する人の元へ。
王都郊外にある瀟洒な建物では使用人達が色めき立っていた。玄関を入ってすぐのエントランスホールで、この館の主である青年が感極まった様子で女性を抱きしめているからだ。
「マリエ……!」
「クラウディオ様!」
そう、抱きしめられている女性はマリエ。必死に馬を駆り、ここへ単身たどりついたのだ。
「マリエ、ああよく顔を見せておくれ――――貴女にはもう会うことは出来ないと諦めていたのに。なぜ」
マリエはクラウディオの目を見つめながら幸せそうに微笑んだ。
「婚約が破棄されたのですわ。ドナルド様は別の女性との真実の愛に目覚められたそうです」
「なに……! あのボンクラは貴女を袖にしたというのかい? 信じられない」
「嘘ではありません。お相手の女性とも顔を合わせました。ですから私はもう自由です。我慢が出来なくなって、城から下がってすぐに飛び出してきてしまいました。ドナルド様とお話ししている最中から、もう嬉しくて嬉しくて、顔がにやけないようにするので必死でしたわ」
婚約が破棄された。だからここへ来たのだ。ドナルドと婚約するより前から誰より愛するクラウディオのところへ。
「貴女を手放してくれたことには感謝するけど、貴女を無碍にしたことには腹が立つな。私から貴女を取り上げた上に、貴女が王妃教育に努力していたというのにいとも簡単に」
クラウディオはマリエの髪を撫でながら憮然とする。
「いいえ、王妃教育は本当に大変でしたけれど、私にとって決して無駄にはなりません。なにしろ国内でも最高の教育ですから、婚約破棄など授業料だと思えばいいのです。私は今まで身についたことを忘れず、クラウディオ様のおそばでしっかりやっていきたいのです」
「――――ドナルド殿下のことは?」
「もうドナルド様なんてどうでもいいのです。私にはクラウディオ様がいてくだされば」
「――――だめだよ、そんな可愛いこと言っちゃ。私はもう貴女を手放せない。いいや、二度と手放さない」
「クラウディオ様」
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