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猫砂は5kg溽暑の駐車場
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ねこずなは ごきろじょくしょの ちゅうしゃじょう
今回は、暑い日に猫砂を買いに行って買い物袋の重さできつい、という情景を詠んでみました。
うちではホームセンターで買い物をしたついでに猫砂を買ってくることがあるのですが、そうなると当然、買い物袋は重くなるわけです。猫砂以外にもいろいろ買ってますからね。猫餌とか、猫餌とか、あとビールとか。
丈夫なエコバッグ使ってるから大丈夫なのですが、薄手のやつだとミチミチ言います。
とはいえ、重さだけならまあなんとかなるのですが。これが暑い日だと重さと暑さの二重奏になるわけでして。
車までカートで運ぶという手もあるのですが、それをするほどの重さでもないのと、カート借りると返すまでまた暑い中を歩かなきゃいけなくなるので、難儀するところなのです。
ちなみに「溽暑」とは夏の季語で、気温と湿度が高くてとにかく不快な夏日のことを言います。
……はい。そんな日は尚更、カート返却で駐車場の往復はしたくないですね。
さて、俳句作りのほうはというと、最初の形は次のものでした。
肩に猫砂アスファルトに蜃気楼
……お気づきになった人もおられるかと思いますが、ここでは「蜃気楼」を誤用しています。私はどうも陽炎のことを「蜃気楼」と呼んでしまう癖があるようで、その癖がここでも出てしまっているのです。
こうした部分は後で修正するようにしている、のですが、この形だとかなり語弊がありますよね。「アスファルト」が駐車場のことではなく道路のように見えてしまうのです。真直ぐに長く伸びた道路であれば蜃気楼が見えることもありますから。
ともあれ、この形から推敲を進めていくことになります。そして同じように駐車場であることが明確でなかった段階が、次の2つ。
猫砂をかつぎ帰りは蜃気楼
猫砂の重さ炎天下の車
上のほうだと、車に乗るという事すら分からないですね。砂漠を徒歩で越えて猫砂を買ってきたような感じになってしまいます。
どんな猛者なのか……
さらに、上のほうだと、猫砂が重いということもいまいち伝わりません。そこで「重さ」という情報を加えた下の形が出来てきました。
そしてこれが、次の形に代わります。
猫砂の重さ真夏の駐車場
ここで、「車」と「駐車場」のどちらを使うかという問題が浮上。
一方で、「陽炎」の別の呼び名である「野馬」を使い、次の形も試してみました。
猫砂の重さ野馬立つ駐車場
この形で、言いたいことは全部言えています。
問題なのは、「野馬」と「立つ」の組み合わせ。陽炎の意味での「野馬」は存在しているイコール立っているものなので、「立つ」が完全に無駄なのです。
さらに、「野馬」と書いて通じるかという問題も。この2文字には野生の馬という意味がありまして、普通はそちらでイメージすると思うのです。
そうなると、駐車場に野生の馬が立っているという情景に。重い猫砂を抱えて車までたどり着きたいときには陽炎以上の強敵ではありますが、やはり情景として意味不明になってしまいます。
……まあ、「これ季語なんですから知っといてください」と主張することもできなくはないのですが、直感で誤解されやすいのはどうしても、というのがありまして。
そんなわけで、以降は「立つ」問題に加えて「野馬」問題も抱えながら推敲を進めることになります。良いアイデアが出てこないならとにかくバリエーションを作って勝手に解決するのを待つというのも手ですから。
ともあれ、その「野馬」か「陽炎」か、で悩んでいた時にできた形が、次のものでした。
猫砂の重愛車には陽炎が
猫砂の重さ車には陽炎
猫砂の重さ陽炎立つ愛車
車には陽炎猫砂は重く
陽炎や猫砂重し駐車場
駐車場野馬立ちて猫砂重し
猫砂や車にどさり野馬の立つ
猫砂の重く車へ野馬越えて
猫砂は重く車は野馬の先
猫砂は重く愛車は野馬の先
猫砂は5kg愛車は野馬の先
猫砂は5kg愛車には陽炎
野馬に待つ愛車よ猫砂は5kg
10kgの猫砂愛車は野馬の中
陽炎の駐車場猫砂5kg
この辺りはマイナーチェンジを繰り返す形になっています。
そしてこの段階で僥倖だったのが、「5kg」という表現が出てきたこと。少し上に登場する「どさり」もそうですが、「重い」やその活用形の言葉を使わずに重さを表現できると、句に面白みが出てきます。
ちなみに「10kg」にしたのは脚色を加えたからでして……音数が1音増えてしまうというのもありましたが、こちらは少しやり過ぎでした。
そして「陽炎の駐車場猫砂5kg」を見て、やはり「陽炎」か「野馬」だと五・七・五の形になりにくいのかな、と感じるようになります。
が、同時に解決策に気付きました。そもそも、陽炎関係の言葉に拘る必要もなかったのです。駐車場が暑くて辛い、ということを言えればよかったので。
そこで「溽暑」に目を付け、次の形を考案していきました。
猫砂は重し溽暑の駐車場
猫砂の重し溽暑の駐車場
猫砂や重し溽暑の駐車場
猫砂は5kg溽暑の駐車場
なんだか最初のほうのスタイルに戻ったような感じです。
が、これでやってみたらすっきりしたので、この形で行くことにしました。
……猫関連用品を買って持ち運ぶ負担というのも、お猫様のお世話をさせて頂いている以上、仕方のないことなのでしょうね。
その分はきちんと癒してもらうべく、家ではしっかり猫を撫でておきます。
今回は、暑い日に猫砂を買いに行って買い物袋の重さできつい、という情景を詠んでみました。
うちではホームセンターで買い物をしたついでに猫砂を買ってくることがあるのですが、そうなると当然、買い物袋は重くなるわけです。猫砂以外にもいろいろ買ってますからね。猫餌とか、猫餌とか、あとビールとか。
丈夫なエコバッグ使ってるから大丈夫なのですが、薄手のやつだとミチミチ言います。
とはいえ、重さだけならまあなんとかなるのですが。これが暑い日だと重さと暑さの二重奏になるわけでして。
車までカートで運ぶという手もあるのですが、それをするほどの重さでもないのと、カート借りると返すまでまた暑い中を歩かなきゃいけなくなるので、難儀するところなのです。
ちなみに「溽暑」とは夏の季語で、気温と湿度が高くてとにかく不快な夏日のことを言います。
……はい。そんな日は尚更、カート返却で駐車場の往復はしたくないですね。
さて、俳句作りのほうはというと、最初の形は次のものでした。
肩に猫砂アスファルトに蜃気楼
……お気づきになった人もおられるかと思いますが、ここでは「蜃気楼」を誤用しています。私はどうも陽炎のことを「蜃気楼」と呼んでしまう癖があるようで、その癖がここでも出てしまっているのです。
こうした部分は後で修正するようにしている、のですが、この形だとかなり語弊がありますよね。「アスファルト」が駐車場のことではなく道路のように見えてしまうのです。真直ぐに長く伸びた道路であれば蜃気楼が見えることもありますから。
ともあれ、この形から推敲を進めていくことになります。そして同じように駐車場であることが明確でなかった段階が、次の2つ。
猫砂をかつぎ帰りは蜃気楼
猫砂の重さ炎天下の車
上のほうだと、車に乗るという事すら分からないですね。砂漠を徒歩で越えて猫砂を買ってきたような感じになってしまいます。
どんな猛者なのか……
さらに、上のほうだと、猫砂が重いということもいまいち伝わりません。そこで「重さ」という情報を加えた下の形が出来てきました。
そしてこれが、次の形に代わります。
猫砂の重さ真夏の駐車場
ここで、「車」と「駐車場」のどちらを使うかという問題が浮上。
一方で、「陽炎」の別の呼び名である「野馬」を使い、次の形も試してみました。
猫砂の重さ野馬立つ駐車場
この形で、言いたいことは全部言えています。
問題なのは、「野馬」と「立つ」の組み合わせ。陽炎の意味での「野馬」は存在しているイコール立っているものなので、「立つ」が完全に無駄なのです。
さらに、「野馬」と書いて通じるかという問題も。この2文字には野生の馬という意味がありまして、普通はそちらでイメージすると思うのです。
そうなると、駐車場に野生の馬が立っているという情景に。重い猫砂を抱えて車までたどり着きたいときには陽炎以上の強敵ではありますが、やはり情景として意味不明になってしまいます。
……まあ、「これ季語なんですから知っといてください」と主張することもできなくはないのですが、直感で誤解されやすいのはどうしても、というのがありまして。
そんなわけで、以降は「立つ」問題に加えて「野馬」問題も抱えながら推敲を進めることになります。良いアイデアが出てこないならとにかくバリエーションを作って勝手に解決するのを待つというのも手ですから。
ともあれ、その「野馬」か「陽炎」か、で悩んでいた時にできた形が、次のものでした。
猫砂の重愛車には陽炎が
猫砂の重さ車には陽炎
猫砂の重さ陽炎立つ愛車
車には陽炎猫砂は重く
陽炎や猫砂重し駐車場
駐車場野馬立ちて猫砂重し
猫砂や車にどさり野馬の立つ
猫砂の重く車へ野馬越えて
猫砂は重く車は野馬の先
猫砂は重く愛車は野馬の先
猫砂は5kg愛車は野馬の先
猫砂は5kg愛車には陽炎
野馬に待つ愛車よ猫砂は5kg
10kgの猫砂愛車は野馬の中
陽炎の駐車場猫砂5kg
この辺りはマイナーチェンジを繰り返す形になっています。
そしてこの段階で僥倖だったのが、「5kg」という表現が出てきたこと。少し上に登場する「どさり」もそうですが、「重い」やその活用形の言葉を使わずに重さを表現できると、句に面白みが出てきます。
ちなみに「10kg」にしたのは脚色を加えたからでして……音数が1音増えてしまうというのもありましたが、こちらは少しやり過ぎでした。
そして「陽炎の駐車場猫砂5kg」を見て、やはり「陽炎」か「野馬」だと五・七・五の形になりにくいのかな、と感じるようになります。
が、同時に解決策に気付きました。そもそも、陽炎関係の言葉に拘る必要もなかったのです。駐車場が暑くて辛い、ということを言えればよかったので。
そこで「溽暑」に目を付け、次の形を考案していきました。
猫砂は重し溽暑の駐車場
猫砂の重し溽暑の駐車場
猫砂や重し溽暑の駐車場
猫砂は5kg溽暑の駐車場
なんだか最初のほうのスタイルに戻ったような感じです。
が、これでやってみたらすっきりしたので、この形で行くことにしました。
……猫関連用品を買って持ち運ぶ負担というのも、お猫様のお世話をさせて頂いている以上、仕方のないことなのでしょうね。
その分はきちんと癒してもらうべく、家ではしっかり猫を撫でておきます。
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