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第167話 修行法は笑える方が良いよね配信
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本人は真面目にやっているのに、端から見たら笑ってしまうモノってあるよね?
やっている人が真剣に集中しているからこそ、どうしてもその光景が面白くてしょうがないと感じてしまって、笑える映像になってしまうやつ。
「----今からあなた達にやってもらうのは、そういう訓練になります」
「「笑われちゃうんですか、私達?!」」
【刀剣拳法】を学びたいと言うので、サビキ元王女とトカリの2人にそう前置きしたんだけど、やっぱりそういう反応になっちゃいますよねぇ~。うん、言ってた私がそう思ったし。
外に移動して置いてなんだが、早く家の中に戻りたい気持ちでいっぱいですよ。私は。
「元王女様には出来たら、やって欲しくないんですよ。私としては」
私はそう言って、足を振るう。振るうと共に、足から出た斬撃波は置いてあった薪を真っ二つに、剣で斬ったかのように綺麗に2つになっていた。
「「おぉ~!!」」
「【刀剣拳法】は無刀流と呼ばれる、本来刀を振るって放つ技を素手でするような代物ではありません。どちらかと言えば、サビキさんの攻略のために開発した鉄砲魚拳、それの上位版という感じです」
剣を使わずに剣を使っている時の状態を再現するのではなく、剣そのものになる。それが【刀剣拳法】である。
「例えば、鉄砲魚拳のように剣を持っているのを再現するのでしたら、こんな感じでしょうかね」
私は近くにある木に近付くと、腕でそれに向かって、先程振るった足のように手を振るう。
そうすると共に、木に大きな傷がついていた。腕の表面に水を纏わせ、その水を鋭くして、ぶつけたというのがいまの現象の正体。
「でもって、今からやる【刀剣拳法】はこんな感じ」
私はそう言って、今度は掌を木に添える。そうすると、木から物凄い音が聞こえて来たかと思えば、気の真ん中に大きな穴が、くっきりと刻まれていた。
「穴?! あんな穴、ただ手を添えただけで出来るはずが……いったい、どうやって……」
「いま、なにがあったら、ああなったのだ?!」
「身体全体に気を巡らせ、自らの身体を刀剣とした。その後、その気を回転させて……言うなれば、人間ドリルのようなものです」
刀を対象に触れさせたまま、高速で回転させれば、ドリルのようになる。
無刀流は剣を振るったりするなどの再現でしかありませんが、【刀剣拳法】は自らを刀剣のようにする拳法。刀剣の刃を回転させればドリルとなり、指1本1本ですら刃として相手を切り裂くことが出来る。
そんな【刀剣拳法】をなんで学ばせたくないかと言えば、単純にこの拳法には明確な欠点があるからだ。
「この拳法は、あくまでも今回限り。あまり多用しないことを約束してください。この拳法は、非常に危険だからです」
「どう、危険だというのだ? 普通に無刀流よりも便利そうに思えるのだ」
「自らの身体を刀剣のようにする、それ即ち"自身の身体を刀剣と思い込む"という事ですよ? 危険に決まってるでしょ」
思い込みというのは、非常に厄介なのだ。ただの水でも『絶対に効果がある』と思えば効くこともあるし、どんな凄いものだとしても『絶対に効かない』と信じてしまうと、効かなくなってしまう。
『思い込み効果』とか呼ばれているモノで、人間の思い込みは時に思いもしない効果を発揮したりもするのである。
「この【刀剣拳法】は、身体に気と呼ばれる力を巡らせるのですが、『自らは刀剣のように硬い鋼である』と自分を信じることが重要となってきます」
気というのは、身体を覆う膜のことであり、その気に性質を与えつつ、振るう拳法が【刀剣拳法】なのである。
「自らは硬い刀剣であると、気を通して身体全体に信じ込ませる。その上で、自身の身体を刀だと思って振るう。
----思い込みが強くないと、この拳法は使えない。しかしながら、あまりに思い込みが強すぎると、自らを剣と思い込んで、人として戻って来れない。強い者には何かしらのリスクがあるという事です」
だからこそ、この訓練は2人1組でやる必要があると、私は彼女達に力説した。
片方が訓練している間、もう片方の人は相手が人間に戻れるように引き戻す役目を担う。
----まぁ、その様子が端から最高に面白いと言えるのだけれども。
「まずは気の扱い方から、教えます。そして、その後に気を扱って、身体を刀剣に変える方法、そして喝を入れて元の人間に戻す方法を教えておきますね。それじゃあ教えていきますね」
そうして私は、2人に気の扱い方、【刀剣拳法】について教えたのであった。
----あっ、ちなみに訓練の様子は配信に載せて、皆に楽しんでいただいたのであった。
(※)『この修行、面白いなww』『相手がヤバい雰囲気を出したら叩く』『まるで叩いて被ってじゃんけんぽんみたい!!』『叩いて被ってじゃんけんぽん?』『じゃんけんをして、勝ったら叩き、負けたら防ぐ。そういう遊びです』『なんにせよ、相手が雄叫びをあげたら、叩くって面白いよな。この修行法』『どういう修行なのかは全く分からないけど』
けっこう、好評だったので、2人にはまたやって欲しいなと思う私であった。
やっている人が真剣に集中しているからこそ、どうしてもその光景が面白くてしょうがないと感じてしまって、笑える映像になってしまうやつ。
「----今からあなた達にやってもらうのは、そういう訓練になります」
「「笑われちゃうんですか、私達?!」」
【刀剣拳法】を学びたいと言うので、サビキ元王女とトカリの2人にそう前置きしたんだけど、やっぱりそういう反応になっちゃいますよねぇ~。うん、言ってた私がそう思ったし。
外に移動して置いてなんだが、早く家の中に戻りたい気持ちでいっぱいですよ。私は。
「元王女様には出来たら、やって欲しくないんですよ。私としては」
私はそう言って、足を振るう。振るうと共に、足から出た斬撃波は置いてあった薪を真っ二つに、剣で斬ったかのように綺麗に2つになっていた。
「「おぉ~!!」」
「【刀剣拳法】は無刀流と呼ばれる、本来刀を振るって放つ技を素手でするような代物ではありません。どちらかと言えば、サビキさんの攻略のために開発した鉄砲魚拳、それの上位版という感じです」
剣を使わずに剣を使っている時の状態を再現するのではなく、剣そのものになる。それが【刀剣拳法】である。
「例えば、鉄砲魚拳のように剣を持っているのを再現するのでしたら、こんな感じでしょうかね」
私は近くにある木に近付くと、腕でそれに向かって、先程振るった足のように手を振るう。
そうすると共に、木に大きな傷がついていた。腕の表面に水を纏わせ、その水を鋭くして、ぶつけたというのがいまの現象の正体。
「でもって、今からやる【刀剣拳法】はこんな感じ」
私はそう言って、今度は掌を木に添える。そうすると、木から物凄い音が聞こえて来たかと思えば、気の真ん中に大きな穴が、くっきりと刻まれていた。
「穴?! あんな穴、ただ手を添えただけで出来るはずが……いったい、どうやって……」
「いま、なにがあったら、ああなったのだ?!」
「身体全体に気を巡らせ、自らの身体を刀剣とした。その後、その気を回転させて……言うなれば、人間ドリルのようなものです」
刀を対象に触れさせたまま、高速で回転させれば、ドリルのようになる。
無刀流は剣を振るったりするなどの再現でしかありませんが、【刀剣拳法】は自らを刀剣のようにする拳法。刀剣の刃を回転させればドリルとなり、指1本1本ですら刃として相手を切り裂くことが出来る。
そんな【刀剣拳法】をなんで学ばせたくないかと言えば、単純にこの拳法には明確な欠点があるからだ。
「この拳法は、あくまでも今回限り。あまり多用しないことを約束してください。この拳法は、非常に危険だからです」
「どう、危険だというのだ? 普通に無刀流よりも便利そうに思えるのだ」
「自らの身体を刀剣のようにする、それ即ち"自身の身体を刀剣と思い込む"という事ですよ? 危険に決まってるでしょ」
思い込みというのは、非常に厄介なのだ。ただの水でも『絶対に効果がある』と思えば効くこともあるし、どんな凄いものだとしても『絶対に効かない』と信じてしまうと、効かなくなってしまう。
『思い込み効果』とか呼ばれているモノで、人間の思い込みは時に思いもしない効果を発揮したりもするのである。
「この【刀剣拳法】は、身体に気と呼ばれる力を巡らせるのですが、『自らは刀剣のように硬い鋼である』と自分を信じることが重要となってきます」
気というのは、身体を覆う膜のことであり、その気に性質を与えつつ、振るう拳法が【刀剣拳法】なのである。
「自らは硬い刀剣であると、気を通して身体全体に信じ込ませる。その上で、自身の身体を刀だと思って振るう。
----思い込みが強くないと、この拳法は使えない。しかしながら、あまりに思い込みが強すぎると、自らを剣と思い込んで、人として戻って来れない。強い者には何かしらのリスクがあるという事です」
だからこそ、この訓練は2人1組でやる必要があると、私は彼女達に力説した。
片方が訓練している間、もう片方の人は相手が人間に戻れるように引き戻す役目を担う。
----まぁ、その様子が端から最高に面白いと言えるのだけれども。
「まずは気の扱い方から、教えます。そして、その後に気を扱って、身体を刀剣に変える方法、そして喝を入れて元の人間に戻す方法を教えておきますね。それじゃあ教えていきますね」
そうして私は、2人に気の扱い方、【刀剣拳法】について教えたのであった。
----あっ、ちなみに訓練の様子は配信に載せて、皆に楽しんでいただいたのであった。
(※)『この修行、面白いなww』『相手がヤバい雰囲気を出したら叩く』『まるで叩いて被ってじゃんけんぽんみたい!!』『叩いて被ってじゃんけんぽん?』『じゃんけんをして、勝ったら叩き、負けたら防ぐ。そういう遊びです』『なんにせよ、相手が雄叫びをあげたら、叩くって面白いよな。この修行法』『どういう修行なのかは全く分からないけど』
けっこう、好評だったので、2人にはまたやって欲しいなと思う私であった。
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