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第6章 陵辱の刑
第35話 姉妹の運命
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「あ、お……い……?」
「おねぇ、ちゃん……」
暗闇に包まれたガレージの中……地獄の底で姉妹は再会を果たした。
姉は四肢を切断された姿で、妹は全身から血を抜かれた姿で……あまりに異様且つ悲惨な光景を、僕は黙って見つめていた。
「おね、ぇちゃん……なの……?」
「……どうして……っ、どうして……あお、い」
だがその再開を喜ぶ気配は無い。
何故、この地獄に自身の大切な家族がいるのか。そして……何故、こんなにも凄惨な姿にされているのか。二人の間にはその純粋な疑問と絶望だけが濃く充満していた。
「僕が招待したんだ。生まれ変わった茜の姿をお披露目したくて。それに、妹さんにも色々と協力をしてもらいたくてね、君を更に美しく造り替える為の協力を、ね」
僕が二人の間に割って入ると、二人の視線がほぼ同時に僕へと注がれる。
傷付いた葵を目にした茜は、先程までとは変わり生気と感情を取り戻したようだった。
茜の表情は驚嘆の一色で染まり、それと同時に憎悪、憤怒……負の感情、表情の全てが僕へと向けられているようだった。
先程までの焦燥した姿が嘘だったかのような殺意の籠った恐ろしい茜の目線に、僕は少々驚いた。
「怖いなぁ、茜。そう睨まないで」
「あおい、は……かんけい、ない……っ」
「あるさ。君の進化の為の部品としての価値がある限りはね」
僕は非情に、簡潔に答える。
それに対し、茜は表情を歪ませながら自らの無力を呪っているようだった。目の前で傷付いている自らの大切な妹すら守る事の出来ない自身の無力を呪う共に僕を獣の様な目で睨み付ける。
表情に宿っていた負の感情も、僕に向けられた殺意の目線も一向に衰える様子は無く、それどころかより一層、それらが強まった様にも見えた。
「……あおいに、なにを、したの」
「やれやれ、君の体調を案じて輸血の血にまで気を遣っているというのに……こんな態度を取られるとは悲しいな、茜」
僕に感謝するどころか、茜はさらに険しい表情で僕を睨み付ける。
既に葵が傷を負っているのは葵の焦燥した姿から明らかなのだが、それ以上に凄惨な傷も負わされているのではないのかと茜は疑っているようだった。
「何も。少しばかり清潔な血を貰っただけだ。そんなに心配しなくても良い」
「そんな……あおい……あおい……っ」
茜が必死に呼び掛けるも、重度の失血で意識の朦朧としている葵からは返答が無い。
茜の目付きが更に鋭く、僕に向けられる。
僕がそういう事を躊躇いも無くできる人間だというのは、愚鈍な茜も既に周知のはず。
そして、葵への仕打ちがこの程度では済まされないという事も重々理解しているだろう。
「君の血に近い血を使ったからかな? 随分と調子が良いようだ。やはり妹さんに協力を仰いだのは正解だったようだね」
茜の回復を見る限り、やはり僕の考えは間違いではなかったようだ。
やはり、美しいものには美しいものを与えるべきだ。それは、やがて新たな美に還元される。
抜き取った葵の血は、やがて茜の美へと還元され、永遠の美へと昇華される。
「君も分かっているだろう? 僕がこの程度で満足する人間では無いという事を。妹さんには、協力してもらう……これからも、ずっとね」
僕は茜の頬を撫で、茜の耳元でそう呟く。
すると、茜は何が決壊したかの様に今までの険しい表情を崩し、目からは大粒の涙を流し始めた。自身がどう足掻いても葵を助けられず、姉妹揃って僕に支配される運命であると、改めて痛感したのだ。
「いや、いや……ぁ、だめ、やめて……あ、おい……は、かんけい、ない……っ」
茜は今までにないくらいに狼狽え、恐怖していた。
自身が傷つく事には慣れていても、自身の大切なものにまで傷が及ぶのは耐え難い苦痛だという事を、茜自身が証明してくれたのだ。
一方、僕はその光景を目にし、葵を早々に殺さず、有効活用出来た事に喜びを感じていた。
そして、これからも葵を有効活用し、茜を進化させていく事への歓喜と興奮が治ることは無かった。
僕の世界から、二人の姉妹が生還する日など来ない。永遠に。
「おねぇ、ちゃん……」
暗闇に包まれたガレージの中……地獄の底で姉妹は再会を果たした。
姉は四肢を切断された姿で、妹は全身から血を抜かれた姿で……あまりに異様且つ悲惨な光景を、僕は黙って見つめていた。
「おね、ぇちゃん……なの……?」
「……どうして……っ、どうして……あお、い」
だがその再開を喜ぶ気配は無い。
何故、この地獄に自身の大切な家族がいるのか。そして……何故、こんなにも凄惨な姿にされているのか。二人の間にはその純粋な疑問と絶望だけが濃く充満していた。
「僕が招待したんだ。生まれ変わった茜の姿をお披露目したくて。それに、妹さんにも色々と協力をしてもらいたくてね、君を更に美しく造り替える為の協力を、ね」
僕が二人の間に割って入ると、二人の視線がほぼ同時に僕へと注がれる。
傷付いた葵を目にした茜は、先程までとは変わり生気と感情を取り戻したようだった。
茜の表情は驚嘆の一色で染まり、それと同時に憎悪、憤怒……負の感情、表情の全てが僕へと向けられているようだった。
先程までの焦燥した姿が嘘だったかのような殺意の籠った恐ろしい茜の目線に、僕は少々驚いた。
「怖いなぁ、茜。そう睨まないで」
「あおい、は……かんけい、ない……っ」
「あるさ。君の進化の為の部品としての価値がある限りはね」
僕は非情に、簡潔に答える。
それに対し、茜は表情を歪ませながら自らの無力を呪っているようだった。目の前で傷付いている自らの大切な妹すら守る事の出来ない自身の無力を呪う共に僕を獣の様な目で睨み付ける。
表情に宿っていた負の感情も、僕に向けられた殺意の目線も一向に衰える様子は無く、それどころかより一層、それらが強まった様にも見えた。
「……あおいに、なにを、したの」
「やれやれ、君の体調を案じて輸血の血にまで気を遣っているというのに……こんな態度を取られるとは悲しいな、茜」
僕に感謝するどころか、茜はさらに険しい表情で僕を睨み付ける。
既に葵が傷を負っているのは葵の焦燥した姿から明らかなのだが、それ以上に凄惨な傷も負わされているのではないのかと茜は疑っているようだった。
「何も。少しばかり清潔な血を貰っただけだ。そんなに心配しなくても良い」
「そんな……あおい……あおい……っ」
茜が必死に呼び掛けるも、重度の失血で意識の朦朧としている葵からは返答が無い。
茜の目付きが更に鋭く、僕に向けられる。
僕がそういう事を躊躇いも無くできる人間だというのは、愚鈍な茜も既に周知のはず。
そして、葵への仕打ちがこの程度では済まされないという事も重々理解しているだろう。
「君の血に近い血を使ったからかな? 随分と調子が良いようだ。やはり妹さんに協力を仰いだのは正解だったようだね」
茜の回復を見る限り、やはり僕の考えは間違いではなかったようだ。
やはり、美しいものには美しいものを与えるべきだ。それは、やがて新たな美に還元される。
抜き取った葵の血は、やがて茜の美へと還元され、永遠の美へと昇華される。
「君も分かっているだろう? 僕がこの程度で満足する人間では無いという事を。妹さんには、協力してもらう……これからも、ずっとね」
僕は茜の頬を撫で、茜の耳元でそう呟く。
すると、茜は何が決壊したかの様に今までの険しい表情を崩し、目からは大粒の涙を流し始めた。自身がどう足掻いても葵を助けられず、姉妹揃って僕に支配される運命であると、改めて痛感したのだ。
「いや、いや……ぁ、だめ、やめて……あ、おい……は、かんけい、ない……っ」
茜は今までにないくらいに狼狽え、恐怖していた。
自身が傷つく事には慣れていても、自身の大切なものにまで傷が及ぶのは耐え難い苦痛だという事を、茜自身が証明してくれたのだ。
一方、僕はその光景を目にし、葵を早々に殺さず、有効活用出来た事に喜びを感じていた。
そして、これからも葵を有効活用し、茜を進化させていく事への歓喜と興奮が治ることは無かった。
僕の世界から、二人の姉妹が生還する日など来ない。永遠に。
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