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第5章 瀉血の刑
第34話 地獄での再会
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ガレージに向かうと、手術台の上には変わらず放心状態の茜が縛り付けられたまま虚空を見つめていた。
僕に首輪を巻き付けられ屍の様にここまで引きずられてきた葵……今は頭から頭巾を被せているので葵とは認識できていないだろうが、他人の気配に対しても眼球が少しこちらに向いた程度で、それ以上の反応は示さなかった。
「やぁ、茜。少しは気分が良くなったかな?」
抜歯後から考えれば、少しは精神的に落ち着きを取り戻したようだった。しかし、僕の言葉にも目線をこちらに向けるだけで、それ以上の反応は無い。
「まぁ……良い。これを注ぎ込めば更に君は美しく、純潔になれる」
そして、僕は注射器の中身を満たす茜の実妹……葵の血を茜に輸血する為、首元の辺りに注射針を刺し込む。本来なら正規の交換輸血と呼ばれる手法で茜の血と葵の血を入れ替えるのだが、それを安全に行うための設備はここには存在しない。
今回はその代案として、茜自身の身体を傷付け、その傷口から茜の血を抜くと同時に葵の血を交換輸血する。手荒な手法だが、茜の肉体を内側から浄化するためには止むを得ない。
僕は手に持ったメスを茜の首元の辺りに宛て、皮膚と肉を切り裂き……汚れた血を排する。
白い肌からは絶え間なく赤黒い血が溢れ出て、茜の身体から穢れが排されていくようだ。
「茜、待たせたね。ようやく綺麗な血が手に入ったんだ、すぐに飲ませてあげるからね」
それと同時に、注射器の中の葵の清潔な血を注ぎ込む。汚濁の血を抜き、清潔な血を注ぐ。そんな高貴な瞬間に立ち会い、僕がそれを実行していると考えると……自分自身を誇りに思う。
「……ァ」
清潔な血が身体に注がれ、その血が身体を循環し始めると茜は小さく喘いだ。
それと同時に、首元の傷口から更に赤黒い血が溢れ出る。
「ほら、濁った血がどんどん溢れてくる。そして、それと同時に綺麗な血が君の中を満たしていく……気持ちが良いだろう」
「……ぅ」
茜はまるで痴呆、気が触れてしまった廃人のような反応で自身の血液の浄化を実感していた。
「……ふん、本当に気が触れてしまったのか。それとも、無反応を貫く事によってせめて僕を喜ばせないように意地を張っているのか……まぁ、どちらでも良い」
その反応は真実なのか、演技なのか……正直、どちらでも良い。本当に茜の心を破壊し尽くしたのなら、また新たな心を植え付けていけば良い。
仮に演技なのだとしたら……その演技をどこまで保てるのか、それもまた見物でもある。
「だが……この血の持ち主を見ても……そのままでいられるかい、茜?」
そのどちらが真相なのかを確かめるのは容易い。茜が予想もしない様な変則的な衝撃を与えれば……本性を露にするだろう。
僕は首輪に繋がれ、屍の様に床に伏していた葵の頭巾を剥がし、その顔を茜に見せつける。
首輪を強く引っ張り、茜にもよく見るように顔を近づけてやる。
「……お、ね……ぇ……ちゃ……?」
憔悴しきった顔で、葵が茜に声を掛ける。それは助けを求めるようにも、再会を喜ぶようにも聞こえた。
「……あ、ァ……お」
それに対し、茜の表情は驚嘆に染まった。
そして、痛々しく裂けた赤黒い唇を小さく蠢かせ、葵の名を口にした。
目の前で、多量の血を抜かれ憔悴しきった実妹の姿を目にした瞬間、茜の表情に感情が蘇ったのを僕はこの目で確かめた。
僕に首輪を巻き付けられ屍の様にここまで引きずられてきた葵……今は頭から頭巾を被せているので葵とは認識できていないだろうが、他人の気配に対しても眼球が少しこちらに向いた程度で、それ以上の反応は示さなかった。
「やぁ、茜。少しは気分が良くなったかな?」
抜歯後から考えれば、少しは精神的に落ち着きを取り戻したようだった。しかし、僕の言葉にも目線をこちらに向けるだけで、それ以上の反応は無い。
「まぁ……良い。これを注ぎ込めば更に君は美しく、純潔になれる」
そして、僕は注射器の中身を満たす茜の実妹……葵の血を茜に輸血する為、首元の辺りに注射針を刺し込む。本来なら正規の交換輸血と呼ばれる手法で茜の血と葵の血を入れ替えるのだが、それを安全に行うための設備はここには存在しない。
今回はその代案として、茜自身の身体を傷付け、その傷口から茜の血を抜くと同時に葵の血を交換輸血する。手荒な手法だが、茜の肉体を内側から浄化するためには止むを得ない。
僕は手に持ったメスを茜の首元の辺りに宛て、皮膚と肉を切り裂き……汚れた血を排する。
白い肌からは絶え間なく赤黒い血が溢れ出て、茜の身体から穢れが排されていくようだ。
「茜、待たせたね。ようやく綺麗な血が手に入ったんだ、すぐに飲ませてあげるからね」
それと同時に、注射器の中の葵の清潔な血を注ぎ込む。汚濁の血を抜き、清潔な血を注ぐ。そんな高貴な瞬間に立ち会い、僕がそれを実行していると考えると……自分自身を誇りに思う。
「……ァ」
清潔な血が身体に注がれ、その血が身体を循環し始めると茜は小さく喘いだ。
それと同時に、首元の傷口から更に赤黒い血が溢れ出る。
「ほら、濁った血がどんどん溢れてくる。そして、それと同時に綺麗な血が君の中を満たしていく……気持ちが良いだろう」
「……ぅ」
茜はまるで痴呆、気が触れてしまった廃人のような反応で自身の血液の浄化を実感していた。
「……ふん、本当に気が触れてしまったのか。それとも、無反応を貫く事によってせめて僕を喜ばせないように意地を張っているのか……まぁ、どちらでも良い」
その反応は真実なのか、演技なのか……正直、どちらでも良い。本当に茜の心を破壊し尽くしたのなら、また新たな心を植え付けていけば良い。
仮に演技なのだとしたら……その演技をどこまで保てるのか、それもまた見物でもある。
「だが……この血の持ち主を見ても……そのままでいられるかい、茜?」
そのどちらが真相なのかを確かめるのは容易い。茜が予想もしない様な変則的な衝撃を与えれば……本性を露にするだろう。
僕は首輪に繋がれ、屍の様に床に伏していた葵の頭巾を剥がし、その顔を茜に見せつける。
首輪を強く引っ張り、茜にもよく見るように顔を近づけてやる。
「……お、ね……ぇ……ちゃ……?」
憔悴しきった顔で、葵が茜に声を掛ける。それは助けを求めるようにも、再会を喜ぶようにも聞こえた。
「……あ、ァ……お」
それに対し、茜の表情は驚嘆に染まった。
そして、痛々しく裂けた赤黒い唇を小さく蠢かせ、葵の名を口にした。
目の前で、多量の血を抜かれ憔悴しきった実妹の姿を目にした瞬間、茜の表情に感情が蘇ったのを僕はこの目で確かめた。
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