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第9章 洗脳の刑
第64話 更なる苦痛
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「随分と小汚い小部屋ね。ここ?」
葵を監禁している部屋を見るなり、ティエラが吐き捨てる。
所詮は家畜の小屋だ。家畜を閉じ込めておく為には十分な小屋だと僕は思う。
「ああ、家畜を閉じ込めておくだけが目的の部屋だからね。まぁ、入ってくれ」
ゆっくりと部屋の扉を開くと、薄暗く寒々しい空気を肌で感じる。
そして、その部屋の隅で頭を抱えながら泣きじゃくる、一人の少女を視界に捉える。
「ひッ……っ……!」
僕とティエラの気配を感じ、葵が恐怖に染まった表情で短い悲鳴を上げる。
覚醒剤に溺れ、自身が姉に行った仕打ちを僕に聞かされ、大きく精神的ダメージを負った葵は死を待つ死刑囚の様に怯えきっていた。
「……この子が、さっきの子の妹?」
「ああ。同じ血を引く妹として協力をしてもらった。彼女無くしてここまでの進展は無かったからね、感謝している」
僕が葵に感謝をしているのは事実だ。この小さな身体の全てを、姉である茜の進化の為に犠牲にしてくれるというのだから、いくら感謝をしても足りないくらいだ。
「もう、かえして……ぇ、かえして……ください……ッ、おねがいっ、します……ぅッ……」
葵は藁にも縋る思いでティエラの太ももにしがみ付く。ティエラの正体を知らぬからこその行動なのだろうが、残念ながら彼女が葵を救う事は無い。
「実験体の分際で私に触れないで、服が汚れるでしょ」
何故なら彼女は、葵に『更なる苦痛』を与える為の存在なのだから。
ティエラは自身の細い太腿にしがみ付く葵を容赦無く蹴り飛ばし、服に着いた汚れを払う。
「容赦無いね」
「この子……かなりイってるわね。随分とあんたに仕込まれた様だけど」
「ああ。今や立派な薬物中毒者さ」
僕は胸元から白い粉末の入った小袋を取り出し、ティエラに手渡す。
「覚醒剤? それしても随分と無茶な与え方をしたみたいね、もう滅茶苦茶じゃない。今にも死にそうよ?」
足元に転がる葵を足蹴にしながら、ティエラが呟く。葵が声にもならぬ悲鳴を上げているが、気にも留めない。
「御名答。期待以上に狂ってくれたよ。この歪な姉の乳房も、彼女の意思で縫い合わせたものなんだ。姉と一つになりたいという歪な意思でね」
「吐き気がする」
「それだけじゃない。彼女は痛覚すら快感に置き換える救いようの無い変態なんだ。自らの手で姉の乳房を切り落とし、縫い合わせたそれを愛撫しながら、自らの秘部に刃物を差し込んで猿の様に腰を振る様なね」
ティエラに頭を踏み潰されながら嗚咽を漏らす葵の顔を覗き込みながら僕は言う。涙と脂汗でその顔はぐちゃぐちゃだ。
「実の姉に対して血も涙も無いわね。頭おかしいんじゃないの?」
それを真似て、ティエラも葵の苦痛に歪む表情を楽しむかの様に覗き込む。
「わたしは……っ、わたしは……なにも……しらない……かってに、かってに……」
葵は必死に弁解するが、そんなものは僕たちの耳には届かない。興味がまるで無いからだ。
「ま、そんな事はどうでも良いわ。私はあんたの脳を好き勝手に弄れればそれで良いの。あんたが姉にやった事の様に、容赦無くね」
葵の表情を観察するのも飽きた様でティエラは顔を上げ、僕に指示を出す。
「亮。この子を拘束して。早速始めるわ」
持参のキャリーバック広げ、中から施術に必要な機器やら薬品を漁り始める。
「覚醒剤は打つかい? 暴れられても面倒だろう」
「馬鹿なの? 暴れない様にあんたがきっちり拘束しなさい。それと、覚醒剤は要らないわ。まずは、ありのままのこの子の反応が見たいの」
僕が力無くうずくまる葵を抱き抱えると、ティエラのは薄気味悪い笑みを浮かべた。
「……成る程」
そして、僕もティエラを真似て笑みを浮かべてみた。
葵を監禁している部屋を見るなり、ティエラが吐き捨てる。
所詮は家畜の小屋だ。家畜を閉じ込めておく為には十分な小屋だと僕は思う。
「ああ、家畜を閉じ込めておくだけが目的の部屋だからね。まぁ、入ってくれ」
ゆっくりと部屋の扉を開くと、薄暗く寒々しい空気を肌で感じる。
そして、その部屋の隅で頭を抱えながら泣きじゃくる、一人の少女を視界に捉える。
「ひッ……っ……!」
僕とティエラの気配を感じ、葵が恐怖に染まった表情で短い悲鳴を上げる。
覚醒剤に溺れ、自身が姉に行った仕打ちを僕に聞かされ、大きく精神的ダメージを負った葵は死を待つ死刑囚の様に怯えきっていた。
「……この子が、さっきの子の妹?」
「ああ。同じ血を引く妹として協力をしてもらった。彼女無くしてここまでの進展は無かったからね、感謝している」
僕が葵に感謝をしているのは事実だ。この小さな身体の全てを、姉である茜の進化の為に犠牲にしてくれるというのだから、いくら感謝をしても足りないくらいだ。
「もう、かえして……ぇ、かえして……ください……ッ、おねがいっ、します……ぅッ……」
葵は藁にも縋る思いでティエラの太ももにしがみ付く。ティエラの正体を知らぬからこその行動なのだろうが、残念ながら彼女が葵を救う事は無い。
「実験体の分際で私に触れないで、服が汚れるでしょ」
何故なら彼女は、葵に『更なる苦痛』を与える為の存在なのだから。
ティエラは自身の細い太腿にしがみ付く葵を容赦無く蹴り飛ばし、服に着いた汚れを払う。
「容赦無いね」
「この子……かなりイってるわね。随分とあんたに仕込まれた様だけど」
「ああ。今や立派な薬物中毒者さ」
僕は胸元から白い粉末の入った小袋を取り出し、ティエラに手渡す。
「覚醒剤? それしても随分と無茶な与え方をしたみたいね、もう滅茶苦茶じゃない。今にも死にそうよ?」
足元に転がる葵を足蹴にしながら、ティエラが呟く。葵が声にもならぬ悲鳴を上げているが、気にも留めない。
「御名答。期待以上に狂ってくれたよ。この歪な姉の乳房も、彼女の意思で縫い合わせたものなんだ。姉と一つになりたいという歪な意思でね」
「吐き気がする」
「それだけじゃない。彼女は痛覚すら快感に置き換える救いようの無い変態なんだ。自らの手で姉の乳房を切り落とし、縫い合わせたそれを愛撫しながら、自らの秘部に刃物を差し込んで猿の様に腰を振る様なね」
ティエラに頭を踏み潰されながら嗚咽を漏らす葵の顔を覗き込みながら僕は言う。涙と脂汗でその顔はぐちゃぐちゃだ。
「実の姉に対して血も涙も無いわね。頭おかしいんじゃないの?」
それを真似て、ティエラも葵の苦痛に歪む表情を楽しむかの様に覗き込む。
「わたしは……っ、わたしは……なにも……しらない……かってに、かってに……」
葵は必死に弁解するが、そんなものは僕たちの耳には届かない。興味がまるで無いからだ。
「ま、そんな事はどうでも良いわ。私はあんたの脳を好き勝手に弄れればそれで良いの。あんたが姉にやった事の様に、容赦無くね」
葵の表情を観察するのも飽きた様でティエラは顔を上げ、僕に指示を出す。
「亮。この子を拘束して。早速始めるわ」
持参のキャリーバック広げ、中から施術に必要な機器やら薬品を漁り始める。
「覚醒剤は打つかい? 暴れられても面倒だろう」
「馬鹿なの? 暴れない様にあんたがきっちり拘束しなさい。それと、覚醒剤は要らないわ。まずは、ありのままのこの子の反応が見たいの」
僕が力無くうずくまる葵を抱き抱えると、ティエラのは薄気味悪い笑みを浮かべた。
「……成る程」
そして、僕もティエラを真似て笑みを浮かべてみた。
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