処女壊体-the making of a saint-

柘榴

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第9章 洗脳の刑

第75話 破壊の探求

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 僕は一本たりとも歯の無い茜の口をこじ開け、無機質な管を喉の奥にまで押し進める。咀嚼が出来ない茜の為にあらかじめ葵の前頭葉の部分をすりおろしておき、流動食に加工しておいたのだ。

「君でも食事を楽しめるように流動食にもしておいたんだ。さぁ、どうだい?」
 管へすり潰された実妹の脳味噌、前頭葉が流し込んでいく。濁った色の粘液が茜の喉の奥に落ちて行く。
「ごっ……」
 茜が小さく咽せた。喉の辺りで一旦詰まった粘液の塊を必死に押し出そうという身体の反射的な反応だろう。
「っ……ぁ……が」
 そして、口の端からは逆流してきた吐瀉液が溢れる。唾液と混じり泡立ったそれはポタポタと床に垂れる。
 自分が今、何を食べさせられているのか、茜が理解できているかは分からない。だが、僅かに残った理性と気力が反射的に拒否をしている。

 自らの妹の脳を食す事を。

「行儀が悪いぞ? ちゃんと飲み込まないと駄目だろう」
 僕は口内の管を更に奥まで押し込み、抗う茜を抑えつける。人形の手足しか持たない少女を抑えつける事など容易い。
「ぐ……ん……っ、う……っ……」
 茜の胴体が小刻みに痙攣し、最後の力を振り絞り抵抗するが、僕は手を休めない。痩せ細った茜の胴体を抑え、喉に奥にゆっくりと、ゆっくりと異物を押し込んでいく。

「……なんか、拍子抜けね。ここまで壊れちゃうと」
 しかし、その様子をティエラは欠伸をしながら退屈そうに眺めていた。
 常に刺激を求め続けていた彼女にとっては、既にこの程度の光景は退屈に感じられてしまう様だった。
「……それが僕の目的だ、僕は完全に彼女達を壊し、ゼロにリセットした。何が不満なんだい?」
 僕は抑えつける手を休め、ぐったりとした茜、そして廃人と化した葵の姿を視界に捉える。
 傷だらけの身体、光の宿らない目、病んだ心……誰が見ても、彼女たちは完全に壊されていた。
 だが、ティエラは未だに満足していない。

「これがあんたにとっての完全? ゼロな訳? 足りないわね、全然」
「……何が言いたい?」
 ティエラはわざとらしく足を組み替え、挑発的な態度で僕を煽る。
 更に破壊を楽しみたい、ティエラの心の内は簡単に読み取る事ができた。
「なぁに、単に思っただけ。どうせ壊すなら、もっと壊してやれば良いのにって。あんたの言うゼロを超えるくらいにね」
 妖艶な笑みをティエラが浮かべる。すると、自然と僕の口角も上がってしまう。
 顔を見合わせると、改めて感じる。僕達は似た者、同じ穴の狢なのだと。

「また、何か企んでいる様だね……ティエラ」
「人聞きが悪いわね。単なる提案でしょ?」

 本来の僕の目的……茜という既存の存在を破壊し、また新たに理想の聖処女を創造する。

 破壊など、その過程の作業に過ぎないはずだった。

 だが、僕は無意識のうちに楽しみ、更に欲していた。その過程すら楽しみ、欲していたのだ。

 ただ、吹山 茜という少女を破壊する行為に、僕は魅入られていたのだ。
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