処女壊体-the making of a saint-

柘榴

文字の大きさ
101 / 125
第12話 自壊の刑

第101話 頭蓋の内側

しおりを挟む
 僕は早速、ティエラへ開頭手術の準備を進めさせ、開頭は僕の立会いのもと、慎重に行わせる事にした。

「はっ……は……」
 ティエラは震える手を押さえつけながら茜の頭部に手を加えていく。
 それが毒による震えなのか、死への恐怖による震えなのかは定かでは無いが、明らかに今までのティエラとは違い余裕を失っていた。
「……随分と手際が悪いな、死にたいのか?」
「やってる! 今、やってるから……」
 半泣きで僕を怒鳴りつけるティエラ。
 死が迫ってくる中では、所詮は天才とやらもこの程度なのだ。
「……天才が聞いて呆れる」
「もう開くから……助けて……ねぇ……っ」
 ティエラの命乞いも今の僕には苛立ちを加速させるだけの雑音にしか聞こえない。
 僕は何の反応も示さず、ソファに腰を下ろし開頭が済むのを待つ事にした。

「開いた……っ」
 しばらくして、息を切らしたティエラから開頭が済んだ事を告げられた。
 顔面は脂汗に塗れ、美しい金髪もぼさぼさに乱れている。
「なら、すぐに施術を始めろ」
 確かに茜の頭蓋骨の一部は切り取られ、開頭は成功している。
 次は、肝心の中身……脳を施術を行い、茜の心と魂を取り戻す。
 人間の全てを司るのは脳だ。その脳さえ従える事が出来れば、僕の理想通りの茜が創り出せる筈なのだ。

「……?」
 だが、僕は目の前のティエラの異変に気付く。先程まで動いていた手の動きが止まり、茜の頭の中身を覗き込んだまま、気を失ったかの様に固まったまま動かない。
「おい、聞こえなかったのか? 今すぐに始めろと……」
 僕の言葉を聞いても、ティエラは手を動かそうとはしない。

「は、はは……そういう事かぁ……はは」
 だだ、力無く……諦めた様な笑いを漏らすだけだった。
「死にたいのか?! 止まっている暇があるのなら、すぐに施術を始めろと言っているんだ!」
 ティエラの金髪を鷲掴みにし、耳元で僕は怒鳴り散らす。
 例えようの無いくらいの焦りと恐怖が、僕の心を煽る。
「無理……よ、こんなの……治せる訳……無い。あんたも、見れば分かる……こんなの、どうすりゃ良いっての? 無理……もう、手遅れ」
 僕はティエラを突き飛ばし、茜の頭の中身を同じ様に覗き込む。
「……っ」

 そして、覗き込んだ先の……想像を絶する様な光景が、僕へ逃れようの無い絶望を突き付けた。
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

​『イージス艦長、インパール最前線へ。――牟田口廉也に転生した俺は、地獄の餓死作戦を「鉄壁の兵站要塞」に変える』

月神世一
SF
​【あらすじ】 ​「補給がなければ、戦場に立つ資格すらない」 ​ 坂上真一(さかがみ しんいち)、50歳。  かつてイージス艦長として鉄壁の防空網を指揮し、現在は海上自衛隊で次世代艦の兵站システムを設計する男。  背中には若き日の過ちである「仁王」の刺青を隠し持ち、北辰一刀流の達人でもある彼は、ある日、勤務中に仮眠をとる。 ​ 目が覚めると、そこは湿気と熱気に満ちた1944年のビルマだった。  鏡に映っていたのは、小太りで口髭の男――歴史の教科書で見た、あの「牟田口廉也」。 ​ しかも時期は、日本陸軍史上最悪の汚点とされる「インパール作戦」決行の直前。  部下たちは「必勝の精神論」を叫び、無謀な突撃を今か今かと待っている。 ​ (……ふざけるな。俺に、部下を餓死させろと言うのか?) ​ 現代の知識と、冷徹な計算、そして海自仕込みのロジスティクス能力。  すべてを駆使して、坂上(中身)は歴史への介入を開始する。  精神論を振りかざすふりをして上層部を欺き、現地改修で兵器を強化し、密かに撤退路を整備する。 ​ これは、「史上最も無能な指揮官」の皮を被った「現代の有能な指揮官」が、確定した敗北の運命をねじ伏せ、数万の命を救うために戦う、逆転の戦記ドラマ。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

意味が分かると怖い話(解説付き)

彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです 読みながら話に潜む違和感を探してみてください 最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください 実話も混ざっております

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

処理中です...