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第12話 自壊の刑
第106話 美に宿る神秘
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「……やっ……たすッ……け」
ティエラは無様に足掻き、助けを求めるが、枷のはめられた手足ではどうする事も出来ない。
細い腕を僕は片腕で押さえ付け、ティエラの自由を封じて僕は呟く。
「往生際が悪いぞ。少し協力をして欲しいだけだ、何も難しい事じゃない」
そして、僕は空いた方の片腕で鉈を手に、それを高く振り上げる。
鉈の先端が光を鋭く反射させ、ティエラの片腕の関節部に狙いを定める。
「……ちょっと……それ、待っ……ッ」
ティエラは目を見開き、掠れた声で僕に救いを求める。
しかし、僕は振り上げた鉈を手放す事などしない。いや、出来ない。
「猿でも出来る簡単な事だ。茜の魂を呼び戻す為の『素材』になってくれればそれで良い。簡単だろう?」
そして、勢い良く研ぎ澄まされた鉈が振り下ろされる。ティエラは目を強く瞑り、目の前の光景から目を背けようとするが、まるで無意味だ。
「いやぁぁぁぁッ! ああああああッ!」
直後に鋭い激痛がティエラの全身を駆け巡る。目を瞑った所で、痛みからは逃れられない。
ティエラの細く白い腕の皮膚は破け、肉は裂け、骨の半分程の部分にまで鉈が食い込んでいた。
「ああ、いくら細い少女の腕でも骨は硬いね。これが両手足となると……気が滅入る」
傷付いた血管からは絶え間なく血が溢れ、辺りは既に真っ赤に染まっている。
「抜いてッ……抜いてぇ! 痛い、痛い、痛いッ……だから、だから……」
僕が更に鉈を押し込み、骨ごと切断しようと試みると、ティエラが泣き叫ぶ。
だが、そんな事は気にも留めない。
「動かないでくれ、骨が綺麗に切断できないだろう」
そして、僕は鉈に全体重を乗せ、骨へ刃を押し込んでいく。
ゆっくりと鉈はティエラの中へ沈んでいき、その度に新たな血液がティエラの体内から吹き出す。
「きゃああああああッ! やめてぇぇぇぇぇ!」
ティエラは痛みに耐えきれず、狂った様に暴れようとする。
しかし枷がそれを押さえ付け、ティエラを逃さない。
「暴れないでくれ。茜の為の『素材』に使うものだ、あまり傷は付けたくないんだ、分かるだろう。もう少しの辛抱だ」
「だめ……だ、め……」
一旦、鉈を引き抜く。
そして、僕は再びティエラの腕へ鉈を振り下ろす。
薄皮一枚で繋がっていたティエラ身体と腕が切断され、ようやく解離する。
血飛沫を上げ、少女の腕は床へ転がる。
「は……ッ、は……ぁ……あ……」
ティエラは床に転がる解離した自身の腕を目にし、言葉を失い、放心状態となっていた。
元々は自身の体の一部だったものだったものが目の前で無残に転がっているという光景に、痛みすら忘れ絶望していたのだ。
「ティエラ、君は知っているか? 美しいものには想像し得ない神秘が宿っているという事を」
ティエラの恐怖と苦痛に染まった表情を見つめ僕は問うが、ティエラはただ涙を流し、身体を震わせるだけで反応を示さない。
「アフリカの一部では、とある奇病を持つ者たちが殺され、呪術や儀式に用いられる事件が後を絶たない。何故、殺されるか? 美しいからだ。アルビノと呼ばれるメラニンが欠如する奇病だが、その容姿は雪の様に美しい。そして、その美しい身体に宿る神秘を皆求めている」
僕は読み漁った海外の呪術や儀式に関しての文献での知識を語る。
優れた造形は神からの忖度だ。美を与えられた者には加護が宿ると信じられ、多くの者がその加護を欲し、そして殺人すらも躊躇しない。
美とは、それほどまでに人を狂わせ、魅了するものなのだ。
「ティエラ。君はアルビノでは無いが、確かに美しい。そこで、僕は考えたんだ。君の肉体に宿る『加護』を茜に分け与える事で、茜へ再び自我が取り戻されるのではないかとね」
美しい者には神が宿る。それには僕も概ね同意している。
そして今、茜からその美と加護が失われつつある。それを食い止める為……僕は茜へ新たな美を与え、再び茜の魂と『加護』を取り戻すのだ。
それが、僕に課せられた使命。
ティエラは無様に足掻き、助けを求めるが、枷のはめられた手足ではどうする事も出来ない。
細い腕を僕は片腕で押さえ付け、ティエラの自由を封じて僕は呟く。
「往生際が悪いぞ。少し協力をして欲しいだけだ、何も難しい事じゃない」
そして、僕は空いた方の片腕で鉈を手に、それを高く振り上げる。
鉈の先端が光を鋭く反射させ、ティエラの片腕の関節部に狙いを定める。
「……ちょっと……それ、待っ……ッ」
ティエラは目を見開き、掠れた声で僕に救いを求める。
しかし、僕は振り上げた鉈を手放す事などしない。いや、出来ない。
「猿でも出来る簡単な事だ。茜の魂を呼び戻す為の『素材』になってくれればそれで良い。簡単だろう?」
そして、勢い良く研ぎ澄まされた鉈が振り下ろされる。ティエラは目を強く瞑り、目の前の光景から目を背けようとするが、まるで無意味だ。
「いやぁぁぁぁッ! ああああああッ!」
直後に鋭い激痛がティエラの全身を駆け巡る。目を瞑った所で、痛みからは逃れられない。
ティエラの細く白い腕の皮膚は破け、肉は裂け、骨の半分程の部分にまで鉈が食い込んでいた。
「ああ、いくら細い少女の腕でも骨は硬いね。これが両手足となると……気が滅入る」
傷付いた血管からは絶え間なく血が溢れ、辺りは既に真っ赤に染まっている。
「抜いてッ……抜いてぇ! 痛い、痛い、痛いッ……だから、だから……」
僕が更に鉈を押し込み、骨ごと切断しようと試みると、ティエラが泣き叫ぶ。
だが、そんな事は気にも留めない。
「動かないでくれ、骨が綺麗に切断できないだろう」
そして、僕は鉈に全体重を乗せ、骨へ刃を押し込んでいく。
ゆっくりと鉈はティエラの中へ沈んでいき、その度に新たな血液がティエラの体内から吹き出す。
「きゃああああああッ! やめてぇぇぇぇぇ!」
ティエラは痛みに耐えきれず、狂った様に暴れようとする。
しかし枷がそれを押さえ付け、ティエラを逃さない。
「暴れないでくれ。茜の為の『素材』に使うものだ、あまり傷は付けたくないんだ、分かるだろう。もう少しの辛抱だ」
「だめ……だ、め……」
一旦、鉈を引き抜く。
そして、僕は再びティエラの腕へ鉈を振り下ろす。
薄皮一枚で繋がっていたティエラ身体と腕が切断され、ようやく解離する。
血飛沫を上げ、少女の腕は床へ転がる。
「は……ッ、は……ぁ……あ……」
ティエラは床に転がる解離した自身の腕を目にし、言葉を失い、放心状態となっていた。
元々は自身の体の一部だったものだったものが目の前で無残に転がっているという光景に、痛みすら忘れ絶望していたのだ。
「ティエラ、君は知っているか? 美しいものには想像し得ない神秘が宿っているという事を」
ティエラの恐怖と苦痛に染まった表情を見つめ僕は問うが、ティエラはただ涙を流し、身体を震わせるだけで反応を示さない。
「アフリカの一部では、とある奇病を持つ者たちが殺され、呪術や儀式に用いられる事件が後を絶たない。何故、殺されるか? 美しいからだ。アルビノと呼ばれるメラニンが欠如する奇病だが、その容姿は雪の様に美しい。そして、その美しい身体に宿る神秘を皆求めている」
僕は読み漁った海外の呪術や儀式に関しての文献での知識を語る。
優れた造形は神からの忖度だ。美を与えられた者には加護が宿ると信じられ、多くの者がその加護を欲し、そして殺人すらも躊躇しない。
美とは、それほどまでに人を狂わせ、魅了するものなのだ。
「ティエラ。君はアルビノでは無いが、確かに美しい。そこで、僕は考えたんだ。君の肉体に宿る『加護』を茜に分け与える事で、茜へ再び自我が取り戻されるのではないかとね」
美しい者には神が宿る。それには僕も概ね同意している。
そして今、茜からその美と加護が失われつつある。それを食い止める為……僕は茜へ新たな美を与え、再び茜の魂と『加護』を取り戻すのだ。
それが、僕に課せられた使命。
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