ヒビキとクロードの365日

あてきち

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3月

3月21日『ランドセルの日』

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アナスタシア「こんにちは~」

   ヒビキ「あれ、アナスタシアさん、いらっしゃい」

    シア「キュキュキュウ♪」

   ヒビキ「アナスタシアさんがいるのになんでシアまでいるの?」

アナスタシア「もちろんここが本編じゃないからよ」

   ヒビキ「自由奔放だね、アナスタシアさん……それで、今日は何しに?」

アナスタシア「今日はクロードにプレゼントを持ってきたの」

   ヒビキ「プレゼント? ……て、ああ、これね。またクロードが怒るよ?」

アナスタシア「ふふふ、可愛いじゃない」

   ヒビキ「確信犯かぁ。まあ、いいけどね」

  クロード「ぎゃあああああああああああああああああ!」

   ヒビキ「クロードの悲鳴!?」

アナスタシア「一体どうしたのかしら?」

    シア「キュキュウ?」

   ヒビキ「……まあ、大体予想はつくけど」




※三人でリビングへ向かった。


  クロード「何が、一体どうして……?」

   ヒビキ「クロード、大丈夫?」

  クロード「ヒビキ様! 私、またこんな子供のなりになってしまって!」

アナスタシア「あらあら、なんて可愛いのかしら、クロード♪」

    シア「キュッキュー♪」

  クロード「アナスタシア!? ……ま、まさかこの子供姿の原因は……」

アナスタシア「そんなクロードにプレゼントよ」

  クロード「プレゼント? ……何だこの黒くて四角い背負い袋は」

   ヒビキ「ランドセルだよ。今日3月21日は『ランドセルの日』だからね」

  クロード「この背負い袋はらんどせるというのですか?」

   ヒビキ「うん。その……子供が学校で使う背負いカバンかな?」

  クロード「やっぱりこの姿はアナスタシアのせいではありませんか!」

アナスタシア「クロード、小学校の制服とキャップも用意してみたわ。せっかくだからこれを着て、一緒に家族写真を撮りましょう。きっと可愛いわよ」

  クロード「断る! 誰がそんな恥ずかしい恰好など」

アナスタシア「そう……子供の頃のクロードは訓練やお勉強ばかりでこういった行事に関わることもなかったから、やってみたかったんだけど……よよよ」

  クロード「ううう……」

   ヒビキ「いいじゃないか、クロード。ちょっと着替えて写真を撮るだけだよ」

    シア「キュキュ~」

   ヒビキ「シアもああ言っていることだし。ね?」

  クロード「いや、なんでヒビキ様にシアの言葉が分かるんですか……分かりました。い、一枚撮影するだけですからね」

アナスタシア「まあ、嬉しい。ありがとう、クロード」

    シア「キュッキュー♪」


※しばらくして――。


   ヒビキ「へぇ、ブレザーに短パンかぁ。結構似合ってるよ、クロード」

  クロード「嬉しくないです……」

アナスタシア「さあさあ、みんなで並んで写真を撮りましょう。ヒビキ君も一緒に」

   ヒビキ「俺も? いいの?」

  クロード「お願いします。私とアナスタシアだけなんて恥ずかしくて無理です」

    シア「キュキューッ!」

   ヒビキ「シアが自分もいるって」

  クロード「どっちもアナスタシアではないか」

アナスタシア「さ、みんな並んでちょうだい。えーと、タイマーをセットして……みんな、笑顔よ、笑顔。はいチーズ♪」


※パシャリ!


  クロード「……なんでチーズなのだ?」

   ヒビキ「チーズの『チー』の口の形がいい笑顔になるんだって」

アナスタシア「現像が楽しみね。それじゃあ、別タイプの制服バージョンの写真も」

  クロード「断る!」

アナスタシア「うう……もう返ってこないクロードとの子供の頃の思い出を少しでも取り返したいだけなのに……せめて写真で思い出を補完できれば……よよよ」

  クロード「ぐぬぬぬぬ……」

   ヒビキ「いい性格してるなぁ、アナスタシアさん」

    シア「キュキュキュキュ~」

   ヒビキ「『それほどでも』って顔してるけどそういう意味じゃないからね?」




★★★★★
その他の記念日『世界詩歌記念日』
※文芸の増進を目的に、1999年にユネスコが制定。

アナスタシア「あら私、詩歌は好きよ。ほら見て、クロードへ向けた愛の詩よ」
  クロード「ぎゃああああ! なんてものを書いているんだ!」
   ヒビキ「えー、何々? ふさふさふわふわ真っ黒毛並み。お腹に顔をうずめると、もふもふぷにぷに最高です……?」
  クロード「やめて! 読まないでえええええええええ!」
   ヒビキ「詩歌っていうか、ポエムだね?」
    シア「キュキュキュウ!」
   ヒビキ「……なんでドヤ顔?」
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