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1.ギルド編
第5話 過剰すぎる能力
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「……まじすか」
自分の攻撃が成し遂げたよおそう以上の威力に僕の思考は一瞬止まった。
それは本来、このゴブリン達に襲われているような状況下であればあまりにも致命的な隙を晒すことだったが……
「ギガ……」
「ゴゴ……」
……僕と同じようにゴブリンも呆気に取られていた。
当たり前だ。
目の前の敵に対して最高のタイミングで仕掛けた攻撃。
その時ゴブリン達は勝利を確信していただろう。
何せ僕ははっきりと負ける、と脳裏によぎったのだから。
……だが、次の瞬間敵が軽く攻撃していた仲間の頭が爆散していた。
絶対にやばい。
我ながらおかしい。
僕だったら失禁くらいしている。
そしてそんなまさかの状況に僕もゴブリンの動きも止まってしまって……
ーーー その緊迫感は僕が死んだゴブリンの血が顔に飛んできた瞬間にあげた声に解けた。
「うわぁぁぁあ!」
「ギギギギギ!?」
「ゴギギギギ!?」
僕らはそれぞれ思い思いの悲鳴をあげながら、ぶつかり合った。
投げた後の姿勢で固まっていて、幾らゴブリンの奇襲からは逃れたとはいえ、未だ隙だらけだった僕。
けれども、ゴブリンの攻撃が僕にあたることはなかった。
「ギガ?」
軽く後ろに下がった、それだけの行動で僕は大きくゴブリンから離れていたのだから。
「ガガ!」
そしてそのう光景を見て、ようやくゴブリンは悟る。
自分と、僕との隔絶した身体能力を。
今の状況では、僕には絶対に勝てないことを。
「ギガ!」
その瞬間からゴブリンは早かった。
仲間に何事か叫びながら、僕へと躊躇なく武器を投げ捨て逃げ出す。
それに周囲のゴブリンも同じように逃げる態勢をとりかけて、だがその試みが成功することはなかった。
「……やっぱり、身体能力おかしくない?」
「ガガ!?」
何故なら、ゴブリンと僕の圧倒的すぎる身体能力の差、それを僕も理解していたのだから。
突然自分の真後ろに現れた僕の姿に周囲に呼びかけて一番はじめに逃げ出したゴブリンは動きを止める。
その顔には驚愕も、そして焦燥も恐怖も浮かんでいなかったが、その狡猾な頭でも、今回ばかりは限界を超えたことを僕は悟る。
「ほいっ、と」
そしてその姿にもう僕は恐怖を覚えることはなかった。
短剣を握る手にあの光を纏わせ、僕は躊躇なくゴブリンの顔を切り落とした。
「うっ、」
そしてその瞬間、ゴブリンの顔があっさりと落ちて僕の麻痺していた心に人型の生物を殺した罪悪感が溢れてくる。
「ギガッ!」
「とぉ!」
しかし、その罪悪感で動きが少しぐらい鈍ろうが、僕とゴブリン実力差が埋まることはなかった。
僕はまるで作業でもこなすかのようにゴブリンを殺して行く。
その姿には先程まであれだけゴブリンを恐れていた様子は無くて……
そして、一方的な虐殺が始まった。
◇◆◇
「……終わった、か」
それから数分後、僕はゴブリンの血で緑色に染まった身体で立っていた。
もう周りには一切ゴブリンの姿はない。
そしてその状態になり、気が抜けて僕はふとあることを思い出した。
「……これってレベルアップしていないよな」
そう、僕はレベルアップをしていなかった。
つまりやはり僕は勇者でないということで、だが今回の戦闘を経て僕は、この光がどれだけ強力な能力が分かっていた。
この世界では戦い続けている一部の人間を除いてほとんど魔獣の方が身体能力が高い。
だが僕はそのゴブリンを圧倒するような能力を有しているのだ。
それは明らかに異常で……
「まぁ、いいか……」
だが僕はあっさりとその先を考えるのをやめた。
ゴブリンとの戦い、それは圧倒的なものとはなかったが、だが僕は酷く消耗していた。
そして僕はギルドという場所に行けば売れるという、魔石というものだけをとってこの場から去ろうとゴブリンの身体を弄り始めた……
自分の攻撃が成し遂げたよおそう以上の威力に僕の思考は一瞬止まった。
それは本来、このゴブリン達に襲われているような状況下であればあまりにも致命的な隙を晒すことだったが……
「ギガ……」
「ゴゴ……」
……僕と同じようにゴブリンも呆気に取られていた。
当たり前だ。
目の前の敵に対して最高のタイミングで仕掛けた攻撃。
その時ゴブリン達は勝利を確信していただろう。
何せ僕ははっきりと負ける、と脳裏によぎったのだから。
……だが、次の瞬間敵が軽く攻撃していた仲間の頭が爆散していた。
絶対にやばい。
我ながらおかしい。
僕だったら失禁くらいしている。
そしてそんなまさかの状況に僕もゴブリンの動きも止まってしまって……
ーーー その緊迫感は僕が死んだゴブリンの血が顔に飛んできた瞬間にあげた声に解けた。
「うわぁぁぁあ!」
「ギギギギギ!?」
「ゴギギギギ!?」
僕らはそれぞれ思い思いの悲鳴をあげながら、ぶつかり合った。
投げた後の姿勢で固まっていて、幾らゴブリンの奇襲からは逃れたとはいえ、未だ隙だらけだった僕。
けれども、ゴブリンの攻撃が僕にあたることはなかった。
「ギガ?」
軽く後ろに下がった、それだけの行動で僕は大きくゴブリンから離れていたのだから。
「ガガ!」
そしてそのう光景を見て、ようやくゴブリンは悟る。
自分と、僕との隔絶した身体能力を。
今の状況では、僕には絶対に勝てないことを。
「ギガ!」
その瞬間からゴブリンは早かった。
仲間に何事か叫びながら、僕へと躊躇なく武器を投げ捨て逃げ出す。
それに周囲のゴブリンも同じように逃げる態勢をとりかけて、だがその試みが成功することはなかった。
「……やっぱり、身体能力おかしくない?」
「ガガ!?」
何故なら、ゴブリンと僕の圧倒的すぎる身体能力の差、それを僕も理解していたのだから。
突然自分の真後ろに現れた僕の姿に周囲に呼びかけて一番はじめに逃げ出したゴブリンは動きを止める。
その顔には驚愕も、そして焦燥も恐怖も浮かんでいなかったが、その狡猾な頭でも、今回ばかりは限界を超えたことを僕は悟る。
「ほいっ、と」
そしてその姿にもう僕は恐怖を覚えることはなかった。
短剣を握る手にあの光を纏わせ、僕は躊躇なくゴブリンの顔を切り落とした。
「うっ、」
そしてその瞬間、ゴブリンの顔があっさりと落ちて僕の麻痺していた心に人型の生物を殺した罪悪感が溢れてくる。
「ギガッ!」
「とぉ!」
しかし、その罪悪感で動きが少しぐらい鈍ろうが、僕とゴブリン実力差が埋まることはなかった。
僕はまるで作業でもこなすかのようにゴブリンを殺して行く。
その姿には先程まであれだけゴブリンを恐れていた様子は無くて……
そして、一方的な虐殺が始まった。
◇◆◇
「……終わった、か」
それから数分後、僕はゴブリンの血で緑色に染まった身体で立っていた。
もう周りには一切ゴブリンの姿はない。
そしてその状態になり、気が抜けて僕はふとあることを思い出した。
「……これってレベルアップしていないよな」
そう、僕はレベルアップをしていなかった。
つまりやはり僕は勇者でないということで、だが今回の戦闘を経て僕は、この光がどれだけ強力な能力が分かっていた。
この世界では戦い続けている一部の人間を除いてほとんど魔獣の方が身体能力が高い。
だが僕はそのゴブリンを圧倒するような能力を有しているのだ。
それは明らかに異常で……
「まぁ、いいか……」
だが僕はあっさりとその先を考えるのをやめた。
ゴブリンとの戦い、それは圧倒的なものとはなかったが、だが僕は酷く消耗していた。
そして僕はギルドという場所に行けば売れるという、魔石というものだけをとってこの場から去ろうとゴブリンの身体を弄り始めた……
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