王妃の手習い

桃井すもも

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王太子の婚約者5

その日は突然訪れた。

公爵令嬢の婚約発表である。

王太子殿下とではない。
他国の第二皇子とである。

完全なる政略による婚約。

我が国に王女はいない。
王弟の子女である公爵令嬢は王位継承権を有しており、王女のいない我が国において王女としての役割を担う。

王女と同等の地位をもって皇子に嫁ぐのだ。
皇子は婚姻をもって公爵家を賜り、公爵令嬢は他国にて公爵夫人となるのである。

オフィーリアは目の前が真っ暗になる思いであった。
何なら足元まで真っ暗で、己が何処へどう立っているのかも解らなく、目眩がした。

王家がぼやぼやしているから!
国内貴族家のバランスなどと悠長に構えているから!

他国(よそ)に獲られてしまったではないか!

何故、こんなことが!


婚約者候補が自分以外居なくなった状況が瞬時に解り、解ったけれどこれからどうなるのか解らなく、混乱の波にのみ込まれた。


********


程なくして、王城から登城を要請する書状が届いた。

城へ向かう父を不安の思いで見送ったオフィーリアであったが、邸に戻った父から聞かされたのは、やはりと云うか当然ながらの婚約者決定の知らせであった。


こうしてオフィーリアは王太子・アンドリューの婚約者となった。

候補者内定から僅か一年での出来事である。




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