王妃の手習い

桃井すもも

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旅立2

王城への願いは王家と関係部署の二箇所に送られた。

オフィーリアの帝国への短期留学の許可願いである。

予てより、オフィーリアの語学能力の高さは有名であった。

貿易を生業とするオールブランスの長子としても、オフィーリアは諸国に知られている。

嫡子のセシルが産まれるまで、オフィーリアこそがオールブランスの後継とされていたのだ。

習得の難しい帝国言語をより深く学び、王国への糧と致しましょう。

表向きそう申請すれば、思いの外早く許可は降りた。

僅か三ケ月の短期留学である。

喩え、今現在王太子の婚約者という立場であろうと、帝国は広く大きい。時勢の最先端を行く大国である。

一つでも多く学んで欲しい、一人でも多く送り出したい国である。

何も知らぬ事を暗黙に、オフィーリアは退くと云うのだ。

空いた席には、質実共に王女は何の憂いもなく座れるのである。


留学の許可が降りて漸く帝国への手続きが出来る。

留学が認められ実際に入学するのに間があるが、それを見越して帝国へ渡り申請をする。同時に身辺の用意も必要となる。

そうなれば時間の猶予はそれ程無く、すぐに出国しても早いとは言えない。

父を経由して帝国駐留の大使に連絡を取る。

後見として世話役を頼めば、国の誉れと快く引き受けてくれた。

現地での留学手続きにも力を貸してくれるという。


あれからアンドリューとは会っていない。

実際は、先の会合は流れたのだから、その前の会合以降会っていないことになる。

文のみ出した。
短期の留学をすること。お忙しい御身を大切になさって下さいませとの旨をしたためた。

アンドリューからの返信は
気を付けて行くように。有意義な学びとなることを祈る、との内容であった。




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