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奪われたので、奪い返すことにしました
5※
しおりを挟むずっと続く愛撫によって、わたしの身体に絶え間なく快感が続く。
そうして彼の指が狭穴をほぐしていった。
「――!」
わたしは、彼の取り出した淫茎の大きさに驚いてしまう。
(美人な顔とのギャップがすごい……)
びっくりしているわたしに向かって、シリウスはくすりと笑う。
「医術士に診てもらった時に、君と似たような反応をした者がいたね。将来的には宰相だけど、騎士になるために騎士学校に通って鍛えてたから、体つきは結構男らしいだろう? さあ、スピカ、私を受け入れてね」
先端がぬるぬると割れ目を動く。
わたしはシリウスの背に腕をまわした。彼の綺麗な顔がぐっと近づく。
そうして、彼の猛りが、一気に秘孔を貫いた。
「ひぅっ……!」
初めてだからすごく痛いのを想像していたけれど、痛みは一瞬で引いていった。
彼の大きい局部が内側の粘膜にぴったりとくっついて、なんだかすごく温かい。
「スピカ……ずっと女性だと思われていたから、君に断られるんじゃないかってずっと不安だったけど、こうやってつながることが出来て、本当に良かった」
すごく幸せそうに彼は語り掛けてくる。
「シリウス」
「ねえ、スピカ、痛くないようにするから動いても大丈夫?」
わたしが頷くと、彼はゆっくりと抽送を始めた。
みかけによらず、どんな男性のものよりも大きい欲棒が、内側の肉壁をゆっくりと擦っていく。経験したことのない気持ち良さが、脚の間から全身に広がっていき、喘ぐことしかできない。
「あっ……はっ……あんっ……あ……」
「すごく、たまらなく良い顔をしてるね、スピカ、すごく可愛いよ……」
女性みたいな顔立ちなのに、シリウスの動きはどんな男性よりも男性らしかった。
だけどいつもの彼のように、わたしが痛くないように優しくしてくれる。
ずちゅずちゅと水音が響いて、ぎしぎしとベッドを軋ませる。
時々彼の口づけを受け入れていると、次第に意識が遠のいていく。
「出すね」
「あっ……ゃああああんっ……!」
背を反らし、白魚のように体がびくびくと跳ねた。
そうして彼から大量の刻印を、膣内に注ぎ込まれる。
あまりの熱さに、どうしてシリウスのことを今まで女性だと思っていたんだろうって、そんなことまで思ってしまう。
肩で息をするわたしを抱きしめ、愛おしそうにシリウスが告げてくる。
「心優しい君が僕の手でどんどん綺麗になっていって、すごく嬉しかったんだ。これからも大切にするよ。私の輝ける星」
***
その後、無事に結婚したわたしは、宰相になった彼の隣で、公爵夫人として生きていくことになる。
どんな時でもわたしを愛してくれるシリウス。
対照的に、どんどんデネブは落ちぶれていった。彼と浮気をしていた女性はずっと色んな男を相手にしていき、気づけば娼婦になっていたそうだ。
「もしかしたら、女友達として出会って信頼関係を築いたうえでの婚約だったから、良かったのかもしれないね」
時々、シリウスはそんなことを言う。
女性みたいな顔立ちなのに、誰よりも男らしい。
だけど、女性みたいに、話を聞いて励ましてくれる――友だちの役割も果たす――シリウスは、そんな素敵な旦那様で、わたしはすごく幸せ。
まさか地味だって言われて婚約破棄までされたのに、素敵な結婚が出来たわたし。これは、幸せを奪われたわたしが、幸せを奪い返すことが出来た。そんなお話だったのでした。
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