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6 求めた光の先へ
66 ミリー※
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「ミリー、その蒼いドレス、とっても似合っている……」
「ええっと……」
そう――スレンダーな蒼いドレス姿に着替えられていたのだ――!!
女性にしては引き締まりすぎの騎士体型のため、女性らしい格好は絶対に似合わないと抗議したのだが、アイザックの見立て通り、スレンダーなドレスは私にぴったり合った。
現在――私はアイザックの生家である子爵家の離れで過ごしていた。
前妻であるマリーンさんとの結婚当時、まだ父親が健在だったこともあり、騎士として活躍すべく外でアパルトマンを借りて過ごしていたアイザックだったが――彼女との離縁を契機に生家にいったん戻って過ごしていた。
そうして――私は彼が今住んでいるこの場所へと誘われたのだった。
アイザックが子どもの頃から世話をしてくれているというばあやさんが、私の身支度を手伝ってくれたりして綺麗なドレスに着替えることになった。
豪勢な食事を準備され、それらを食べきり、デザートのシャーベットを食していたら、ばあやさんが唐突に私を絶賛しはじめたというのが、事の成り行きだ。
「アイザック坊ちゃん、ではではお邪魔虫の私は、暗くなる前に本家に戻りますからね。明日の朝、またまいりますから」
婆やさんがダイニングの外に出ていくと、私たちは二人きりになった。
(貴族の離れに来ることなんて仕事以外ではないから、緊張してしまう……)
体をこわばらせている私の前にさっと影が差す。
(あ……)
見上げると、隣に座っていたアイザックの指が私の黒髪をかき分けてくるではないか――。
普段とは違う雰囲気の彼の表情がやけに優しくて、心臓がドキドキと落ち着かなくなってくる。
彼の大きな手が何度も私の髪を撫でてきて、どんどん気恥ずかしさが増す。
「あ、あの……アイザック……」
「急にこんなところに連れてきてしまって悪かった……」
「ええっと……そんなことはないわ……」
そうして――アイザックがいつもよりも低い声音で告げる。
「君と二人で飲みに行った時の思い出をやり直したかったんだ」
最初に情事を交わした日のことだ。
訳も分からずに彼に抱かれたあの日――。
「そうだったのね……そんなに気にしなくて良かったのに…………ありが――んっ……」
振り向いた私はそれ以上言葉を継ぐことは出来なかった。
なぜならば、振り向きざまに、私の唇はアイザックの唇に塞がれていたのだから――。
「あっ……んっ……」
「ミリー……」
彼の舌が私の口内の中で滑らかに動く。
くちゅくちゅと水音を立てながら口中を弄られる。
地厚い舌が歯列をなぞってくると、全身にさざ波のような快感が駆け巡り始め、女性の芯がきゅうと締りはじめた。
「ふあっ……あっ……んっ……」
私たちの唇が離れると、厭らしい銀糸が間を伸びた。
「ミリー、俺のことをすごく誘ってきているって気づいているか?」
「あ……そんなこと……んっ……」
再び軽く口づけられた後、熱を孕んだ金青色の瞳に視線を絡めとられる。
「君との初夜もやり直したい……ミリー」
そうして――私たちは初夜のやり直しを行うことになったのだった。
「ええっと……」
そう――スレンダーな蒼いドレス姿に着替えられていたのだ――!!
女性にしては引き締まりすぎの騎士体型のため、女性らしい格好は絶対に似合わないと抗議したのだが、アイザックの見立て通り、スレンダーなドレスは私にぴったり合った。
現在――私はアイザックの生家である子爵家の離れで過ごしていた。
前妻であるマリーンさんとの結婚当時、まだ父親が健在だったこともあり、騎士として活躍すべく外でアパルトマンを借りて過ごしていたアイザックだったが――彼女との離縁を契機に生家にいったん戻って過ごしていた。
そうして――私は彼が今住んでいるこの場所へと誘われたのだった。
アイザックが子どもの頃から世話をしてくれているというばあやさんが、私の身支度を手伝ってくれたりして綺麗なドレスに着替えることになった。
豪勢な食事を準備され、それらを食べきり、デザートのシャーベットを食していたら、ばあやさんが唐突に私を絶賛しはじめたというのが、事の成り行きだ。
「アイザック坊ちゃん、ではではお邪魔虫の私は、暗くなる前に本家に戻りますからね。明日の朝、またまいりますから」
婆やさんがダイニングの外に出ていくと、私たちは二人きりになった。
(貴族の離れに来ることなんて仕事以外ではないから、緊張してしまう……)
体をこわばらせている私の前にさっと影が差す。
(あ……)
見上げると、隣に座っていたアイザックの指が私の黒髪をかき分けてくるではないか――。
普段とは違う雰囲気の彼の表情がやけに優しくて、心臓がドキドキと落ち着かなくなってくる。
彼の大きな手が何度も私の髪を撫でてきて、どんどん気恥ずかしさが増す。
「あ、あの……アイザック……」
「急にこんなところに連れてきてしまって悪かった……」
「ええっと……そんなことはないわ……」
そうして――アイザックがいつもよりも低い声音で告げる。
「君と二人で飲みに行った時の思い出をやり直したかったんだ」
最初に情事を交わした日のことだ。
訳も分からずに彼に抱かれたあの日――。
「そうだったのね……そんなに気にしなくて良かったのに…………ありが――んっ……」
振り向いた私はそれ以上言葉を継ぐことは出来なかった。
なぜならば、振り向きざまに、私の唇はアイザックの唇に塞がれていたのだから――。
「あっ……んっ……」
「ミリー……」
彼の舌が私の口内の中で滑らかに動く。
くちゅくちゅと水音を立てながら口中を弄られる。
地厚い舌が歯列をなぞってくると、全身にさざ波のような快感が駆け巡り始め、女性の芯がきゅうと締りはじめた。
「ふあっ……あっ……んっ……」
私たちの唇が離れると、厭らしい銀糸が間を伸びた。
「ミリー、俺のことをすごく誘ってきているって気づいているか?」
「あ……そんなこと……んっ……」
再び軽く口づけられた後、熱を孕んだ金青色の瞳に視線を絡めとられる。
「君との初夜もやり直したい……ミリー」
そうして――私たちは初夜のやり直しを行うことになったのだった。
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