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本編
9※
しおりを挟む屋敷の中も豪華な調度で誂えてあった。
ふかふかの絨毯に覆われた階段を抜け、奥にある一室に連れて行かれる。
(なんだろう?)
女性の部屋に見える?
(というか、私の住んでる部屋に似てない?)
そこに関しては、あまり気にしないようにした。
先ほどまで子どものように言い争っていたので、男女の雰囲気なんてないようなものだったが、大きなベッドを目にすると、途端に緊張感が戻ってきた。
清潔なシーツの上に横たえられると、心臓がおかしな音を立てはじめる。
ベッドがぎしりと鳴ると、ギルフォードが乗り上げてきた。
「わりと綺麗に成長してるし……恋人役の報酬としては悪くないな……」
彼の重みを感じて、気持ちが落ち着かない。
ブラウンの髪を、彼の長い指が梳いてくる。
昔と変わらないところもある彼だが、慣れた手つきで触ってこられて、少しだけ胸が軋んだ。
「ルイーズ、どうせ初めてだろう?」
ふいっと視線を逸らす。
「こんなこと誰かとするわけないじゃない。一応、貴族の令嬢なんだし……。分かってるくせに聞いてこないで」
「そうか」
ギルフォードは、くつくつ笑っている。
(なぜ、そこで嬉しそうなのよ)
ちょっとだけ、ムッとなった。
「当然、好きな男とも?」
「あるわけないでしょ。馬車の通りよ! そもそもフラれたんだし……。いちいち確認してこないでちょうだい。貴方も、どうせ相手にされなかったんだろうって言ってたんじゃない」
「――フラれた?」
うっかり口を滑らせたことを後悔した。
(まずい、ギル本人に引きずってることはバレたくはないのに……)
ギルフォードが眉をひそめる。
(機嫌が悪い?)
声が上ずる。
「そうよ、ずっと好きだった相手には、私の方がフラれたの……! 貴方が一番知って――」
その時、影が差す。
「――そのフッた男を忘れさせてやるよ」
「え?」
フッた張本人に言われて困惑していると、彼の手がドレスをくぐりぬけてきた。
「きゃっ……!」
何度も大きく脚を撫でられる。
ぞくぞくと快感が背筋を駆けていく。
馬車と同様、性急な行為に困惑してしまった。
「……んっ……」
彼が口で、胸元のリボンを解いてきた。
馬車に乗っている間に濡れてしまっていた下着へと、大きな手が伸びてくる。
「あっ……」
くちゅりと音が立った。
「馬車を降りてしばらく経つが、俺と今から何が起こるか、想像でもしていたのか?」
「違う」
――嘘だ。
全く想像しなかったわけはない。
(でも、正直に言うのは嫌……)
「ひゃんっ……!」
そのままドレスをめくられ、お腹が顕わになった。
恥ずかしがっている間に、下着を引きずりおろされる。
彼の指が溝の間をぬるぬると動きはじめた。
「――っ……!」
馬車以上の行為に、恥ずかしくて仕方がない。
おかしな声が口から洩れてしまう。
「あっ……んぅっ……」
「ルイーズ、声、我慢するなよ」
――ガバリと脚を開かれた。
「……きゃっ、ギル、何して……ひゃんっ……!」
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