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本編

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 屋敷の中も豪華な調度で誂えてあった。
 ふかふかの絨毯に覆われた階段を抜け、奥にある一室に連れて行かれる。

(なんだろう?)

 女性の部屋に見える?

(というか、私の住んでる部屋に似てない?)

 そこに関しては、あまり気にしないようにした。
 先ほどまで子どものように言い争っていたので、男女の雰囲気なんてないようなものだったが、大きなベッドを目にすると、途端に緊張感が戻ってきた。
 清潔なシーツの上に横たえられると、心臓がおかしな音を立てはじめる。
 ベッドがぎしりと鳴ると、ギルフォードが乗り上げてきた。

「わりと綺麗に成長してるし……恋人役の報酬としては悪くないな……」

 彼の重みを感じて、気持ちが落ち着かない。
 ブラウンの髪を、彼の長い指が梳いてくる。
 昔と変わらないところもある彼だが、慣れた手つきで触ってこられて、少しだけ胸が軋んだ。

「ルイーズ、どうせ初めてだろう?」

 ふいっと視線を逸らす。

「こんなこと誰かとするわけないじゃない。一応、貴族の令嬢なんだし……。分かってるくせに聞いてこないで」

「そうか」

 ギルフォードは、くつくつ笑っている。

(なぜ、そこで嬉しそうなのよ)

 ちょっとだけ、ムッとなった。

「当然、好きな男とも?」

「あるわけないでしょ。馬車の通りよ! そもそもフラれたんだし……。いちいち確認してこないでちょうだい。貴方も、どうせ相手にされなかったんだろうって言ってたんじゃない」

「――フラれた?」

 うっかり口を滑らせたことを後悔した。

(まずい、ギル本人に引きずってることはバレたくはないのに……)

 ギルフォードが眉をひそめる。

(機嫌が悪い?)

 声が上ずる。

「そうよ、ずっと好きだった相手には、私の方がフラれたの……! 貴方が一番知って――」

 その時、影が差す。

「――そのフッた男を忘れさせてやるよ」

「え?」

 フッた張本人に言われて困惑していると、彼の手がドレスをくぐりぬけてきた。

「きゃっ……!」

 何度も大きく脚を撫でられる。
 ぞくぞくと快感が背筋を駆けていく。
 馬車と同様、性急な行為に困惑してしまった。

「……んっ……」

 彼が口で、胸元のリボンを解いてきた。
 馬車に乗っている間に濡れてしまっていた下着へと、大きな手が伸びてくる。

「あっ……」

 くちゅりと音が立った。

「馬車を降りてしばらく経つが、俺と今から何が起こるか、想像でもしていたのか?」

「違う」

 ――嘘だ。

 全く想像しなかったわけはない。

(でも、正直に言うのは嫌……)

「ひゃんっ……!」

 そのままドレスをめくられ、お腹が顕わになった。
 恥ずかしがっている間に、下着を引きずりおろされる。
 彼の指が溝の間をぬるぬると動きはじめた。

「――っ……!」

 馬車以上の行為に、恥ずかしくて仕方がない。
 おかしな声が口から洩れてしまう。

「あっ……んぅっ……」

「ルイーズ、声、我慢するなよ」

 ――ガバリと脚を開かれた。

「……きゃっ、ギル、何して……ひゃんっ……!」

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