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しおりを挟む裁判当日。
たくさんの人が宮殿前には集まっていた。
私の隣には曹貴妃が立っている。
遥か高みの台に座する陛下が、冷たい目で私を睥睨していて、ぞくりと背筋が冷たくなる。
(陛下に疑われている可能性が少しでもあるのだと思うと怖いけれど、まだ直接何かを言われたわけじゃない。私は陛下を信じるだけよ)
そう思いながら、裁判が進んでいくのを淡々と聞いている。
途中、意気揚々と嘘八百を並べ立てていた曹貴妃に向かって、陛下が問いかけた。
「金麗華と不義密通を働いたという男とやらを連れてきてくれるか?」
「陛下! やはり、私の言い分を信じてくださったのですね! この男にございます!」
そうして、妃の呼び声に応じて、一人のむさ苦しい青年が姿を現した。
「私は麗華様に言われて仕方なく――」
青年は私と逢瀬があったと嘘を並べ立てはじめる。
(こんな嘘をべらべらと……)
腸が煮えくり返りそうだったが、なんとか呼吸を落ち着けていると、陛下が冷たく呟いた。
「そんなにも皇后になりたいのか……」
――ズキンズキン。
誤解されれているのだと思えば唇が戦慄くが――。
ちゃんと陛下の視線を観察する。
(いいえ、陛下が見ているのは――)
ぎゅっと拳を握りしめると、私は覚悟を決めて叫んだ。
「私は絶対に不義密通など働きません! この子は間違いなく陛下の子です!」
一瞬怯んだ曹貴妃だったが、負けじと叫んだ。
「金麗華はあやかしと通じていると道士からの情報もございます……! 白猫を痛めつけ、後宮内で呪術を扱っていたようです!」
民衆たちがざわめく。
(痛めつけていたのは自分でしょうに……)
曹貴妃は、つくづく都合の良いように話をでっちあげる人物のようだ。
相好を崩さない陛下がゆっくりと口を開く。
「そうか。では曹貴妃の言う通り、麗華に呪の類がかかっていないかどうか、道士たちも招いて調べてみようか」
陛下が手を叩くと、道士が現れた。
「では、わたくしめが調べてしんぜましょう」
道士が近づき何か呪文を唱えはじめた途端、私の腹部から白い光が漏れ始めたのだった――。
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