16 / 18
後日談2※
しおりを挟む満月の夜の散歩中。
池の畔で、別名・冷酷王ヴァレンスは窮地に追いやられていた――。
水面に映る星の煌めきが紫水晶の瞳の中でキラキラと揺れ動く。
それ以上に、彼の瞳の中に映っているのは――。
「にゃあん……」
――一回りほど年下の愛らしい妻ユリアの裸体だった。
陶器のような白い頬は、蒸気していて今は紅い。
月夜にも血のように紅い丸い瞳はトロンとしている。びっしりと生えた睫毛が瞳の中に影を作っており、艶めかしさを色濃くしていた。
しなやかな肢体、なだらかな乳房やくびれを覆うかのように、銀糸のような滑らかな白い髪が覆う。
そうして、彼女の頭の上にはふさふさのネコ耳。
お尻の付近からはふさふさの尻尾が生えていて、こちらに向かってフリフリしてくるではないか――。
「あ……ヴァレンス様……なんだか身体が……おかしい……のです……んっ……」
挙げ句の果てに、色香を孕んだ声を漏らしながら、妻が夫ヴァレンスの身体にしなだれかかってきた。
「ユリ……ア……」
至極真面目な表情を浮かべていたヴァレンスだったが――全身が沸騰寸前まで滾りかけていた。
一気に瀬戸際まで追い詰められて――一瞬で果てそうだったが、一国の王の沽券にかけて耐えぬいた。
(……破廉恥な格好すぎる――――!)
はあっと妻が漏らす甘い吐息で、またもやヴァレンスの脳髄が痺れておかしくなりそうだった。
口づけてもネコの姿だったからと油断した。
まさか、城庭だというのに――妻がネコ耳ネコ尻尾が生えた一糸まとわぬ姿になってしまうなんて、誰が想像しただろうか――!!
「ヴァレンス様に……どうにかしてほしいです……」
「……っ……」
(――どうにか――)
――どうにか、どうにか――。
『ヴァレンス様の好きにしてほしいです……♡』
ネコ耳の妻が発していない言葉が重なって聞こえた。
(いかん……こんな状況で何を想像しているんだ、俺は……この窮状をどうにかしてほしいという意味に決まって……)
ちらりと妻に視線を移すと――。
「ヴァレンス様、早く……」
潤んだ瞳に見つめられると、ヴァレンスはくらりとした。
「くっ……」
妻が言ってもいない言葉がヴァレンスの脳内に駆け巡る。
『ヴァレンス様、早く……私の中に』
夜風で涼しかったはずなのに、ヴァレンスだけが異常に暑かった。
(妻が苦しんでいるというのに――俺はなんという想像を……最低だ……)
下半身が充血して熱が集まりはじめる。
「ヴァレンス様……」
妻がこちらに跨がってくるが気づかれてはいないだろうか――。
不安だが――とにかく妻をどうにかしてやらないといけない。
「ユリア、俺が責任を持ってお前を城の中に――っ……!」
その時、ふにっと妻の乳房がヴァレンスの胸板にシャツ越しに触れてきた。
そのまま妻の柔らかな重みが、彼の全身にのしかかってくる。
(どうにかしてやらないといけないというのに……――!)
軍人としても名高かったヴァレンスだというのに――ネコ耳の妻にうっかり押し倒されてしまった。
(くっ……俺という男は……身体が勝手に……!)
やたらと自分の名前を呼びながら、全身を擦りつけてくるではないか。
しかも――。
「ヴァレンス様、あ……」
寝転がる自分の身体の上に跨がる格好になった妻がくねくねと恥じらう。
察するに――ヴァレンスの無表情に反して、分身が熱してしまっていることに気づいたようだった。
年長者としての威厳など全くないような状況になってしまった。
「ヴァレンス様……身体が火照ってしまって……」
――ヴァレンスの理性が保たれたのはそこまでだった。
「あ……」
華奢な妻の身体を一度強く抱きしめ、彼女の柔らかな白髪の間に指を埋めた後に引き寄せる。
「ユリア……」
そうして、桜色の唇が半開きになっているところに無理矢理舌を捩じ入れ、くちゅくちゅとかき回す。
「あっ……んっ……あ……」
ユリアは先ほどマタタビを嗅いだせいだろうか――。
彼に呼応するかのように彼女も積極的に舌を絡めてくる。
「ヴァレンス様……あ……なんだかすごく気持ちいい……もっと……」
妻の発言でヴァレンスの炎が一気に燃え上がって行く。
「ユリア……っ……」
身体付きのわりに豊満な乳房にヴァレンスが長い指を沈み込ませ、ぐにぐにと変形させはじめる。
「ふあっ、あんっ、あっ、あ……」
肉塊は掌の中で何度も弾む。尖った紅い先端を指先で転がすと、妻の身体がビクビクと跳ね上がった。
両方の乳房をこね続けていると、普段よりも鋭敏になっているのか――彼女の両脚の間からは蜜がとろとろ溢れ出し、ヴァレンスの衣服を濡らしていく。
ちょうど腰の上にいる彼女の腰が何度か浮遊して、脚の間にぶつかってくるものだから、彼の熱杭もどんどん膨張していく一方だ。
「ユリア……」
両手で乳房を変形させ続けている間に――どんどん妻の呼吸が促迫していく。
「あんっ、あっ、ヴァレンス様っ、あっ、あっ、身体、変っ、あっ、あっ……――!」
そうして、彼の身体の上、ネコ耳の妻がまるで白魚のように全身を戦慄かせた。
「ふあ……ああ……あ……」
果てた彼女の身体をヴァレンスが抱き寄せる。
悩ましげに呼吸を整えるユリアが、吐息を零しながら告げてくる。
「……まだ……足りないの……です……ヴァレンス様」
ヴァレンスはいよいよ理性の限界突破を迎えた。
このまま下衣を緩めて、自分自身も妻に呼応させよう。
(全てが終わった後、騎士服でユリアを包みこんで運べば問題ない)
外だということは忘れていなかったが、欲望に忠実になったヴァレンスがそう結論づけて、自身の欲望の丈を取り出そうとした、その時――。
「なんだ……!?」
「ヴァレンス様……!?」
ヴァレンスの身体が今度は光に包みこまれてしまう。
そうして――。
「にゃ、にゃ、にゃにゃあ~~~~!!???」
――再び神の悪戯か――。
ネコ耳ネコ尻尾で真っ裸の妻の眼前で――ヴァレンスは黒猫の姿になってしまったのだった――!!
(なぜ……?)
そうして――。
「にゃ……」
案の上――ヴァレンスもマタタビを嗅いで――元々発情していたのに――さらに発情してしまったのだった。
23
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
夫が運命の番と出会いました
重田いの
恋愛
幼馴染のいいなづけとして育ってきた銀狼族の族長エーリヒと、妻ローゼマリー。
だがエーリヒに運命の番が現れたことにより、二人は離別する。
しかし二年後、修道院に暮らすローゼマリーの元へエーリヒが現れ――!?
側妃は捨てられましたので
なか
恋愛
「この国に側妃など要らないのではないか?」
現王、ランドルフが呟いた言葉。
周囲の人間は内心に怒りを抱きつつ、聞き耳を立てる。
ランドルフは、彼のために人生を捧げて王妃となったクリスティーナ妃を側妃に変え。
別の女性を正妃として迎え入れた。
裏切りに近い行為は彼女の心を確かに傷付け、癒えてもいない内に廃妃にすると宣言したのだ。
あまりの横暴、人道を無視した非道な行い。
だが、彼を止める事は誰にも出来ず。
廃妃となった事実を知らされたクリスティーナは、涙で瞳を潤ませながら「分かりました」とだけ答えた。
王妃として教育を受けて、側妃にされ
廃妃となった彼女。
その半生をランドルフのために捧げ、彼のために献身した事実さえも軽んじられる。
実の両親さえ……彼女を慰めてくれずに『捨てられた女性に価値はない』と非難した。
それらの行為に……彼女の心が吹っ切れた。
屋敷を飛び出し、一人で生きていく事を選択した。
ただコソコソと身を隠すつもりはない。
私を軽んじて。
捨てた彼らに自身の価値を示すため。
捨てられたのは、どちらか……。
後悔するのはどちらかを示すために。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる