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第3章 夫の献身、妻の心臓
第10話 泉での清め※※
しおりを挟む一応魔王城では、湯船を自室に運んで風呂に入るようだ。
けれども、今すぐには準備が出来ないとのことで、城庭にある泉へと向かうことになった。
荘厳な扉を開き、庭に出ると、綠豊かな中に色とりどりの花々が咲き誇り、まるで天国のように美しい。
青空の下、シグリードとティナは、散歩をしながら、庭と森の接する位置にある泉へと向かう。
「とっても綺麗な場所です……魔界とは思えない……」
「魔界っていうか、魔力の緩衝地帯に目くらましかけて住んでる感じだけどな。魔界の入り口が近くにありはするがな」
たまにささっと陰が見える。
「ああ、その陰は魔物だ」
「陰が魔物?」
「ああ、この緩衝地帯だと、魔物の姿は陰しか見えねえんだよ」
シグリードの発言に、ティナは「なるほど」と相づちをうった。
そうしている間に、泉へと到着する。
「じゃあ、好きに水浴びして良いぞ。俺は一応、お前の見張りをしておくから……」
「はい、ではお言葉に甘えて……」
ティナは与えられていた薄絹をぬぎさると、白くて美しい裸体を露わにした。
泉のほとりに腰掛けると、そっと足首から水の中へと浸かる。
ひんやりと気持ちの良い感覚が、彼女を支配していく。
腰を落とし、そうして、ゆっくりと下肢を浸けていく。
ちゃぷんと音がして、地面に足をつけると、ちょうど水面は腰ぐらいまでの高さだった。
そのまま、泉から噴出している水でも浴びようかと、ティナが移動していたら――。
「ティナ……」
ざぱりざぱりと水を掻き分けてくる音が聞えた。
彼女が背後を振り返ると、そこには――。
「シグリード様……!??」
なんと裸のシグリードまで、泉の中に入り込んできたのだ。
ティナはあわてて、両手で自身の乳房を隠した。
「ええっと……見張りはどうしたんですか!?」
「封印明けから、風呂入ってなくてな……せっかくちょうど良いし、俺も浸かっちまおうと思って」
「そっ、そうなんですね……! じゃあ、私は上がりますから……! 失礼します!」
そうして、彼女はくるりと彼に背を向けたのだが――。
「待てよ……」
「きゃっ……」
シグリードに腕を掴まれてしまう。
ぐいっと振り向かせられ、ティナのなだらかな乳房が露わになった。
魔核を起点にした痣は、少しだけ薄くなっている。
「あっ……待ってください……」
「待つのは苦手なんだよ……」
そうして、ティナはシグリードの方を振り向かせられた。
そのまま、二人の唇が重なる。
彼の舌が彼女の口中の中を這いずる。
くちゅくちゅと水音が立った。
「ふあっ……あっ……」
「ああ、うめえな……もっと、くれよ……」
次第にシグリードの姿が、長身痩躯の美青年へと姿を変化させる。
そうして――。
泉の中、ティナは背後からシグリードに抱きしめられる格好となる。
ティナのなだらかな膨らみを、彼の大きな手が、ゆっくりと上下に揉みしだきはじめた。
「ふあっ……シグリード様……ここは泉で……こんないやらしいことは……あんっ、あっ、ダメっ……」
「いやらしいって、お前の身体を治すためにイヤらしいことをしてるんだから、仕方ねえだろう?」
「後ろから、こんなっ……ふあっ……ああんっ……」
「お前があんまり前から見るなって言うんだろう? 俺も仕方なく後ろから、お前の胸を堪能してるんだよ……」
彼女の耳元で彼が囁く。
熱を孕んだ吐息でそんな風に言われると、心臓が落ち着かない。
ティナの身体はピクンと反応してしまった。
「ああ、お前、耳も弱いのな……」
「ひゃんっ……」
彼の舌が、彼女の耳を嬲りはじめる。
その間にも乳房の上を彼の大きな手が蠢くものだから、ティナは落ち着けない。
「ふあんっ……これ以上は、ダメっ……」
腰をよじって、彼の身体から逃げようとしたのだが……。
バシャンと水が跳ねた。
彼の長い両脚に彼女の細い両脚は挟み込まれてしまい、がんじがらめになって逃げられそうにない。
「ダメじゃねえだろう? 気持ちよさそうにしやがって……見てたら、俺もかなりキてるな……」
「あ……う……」
彼女のお尻の下の付近には、熱くて仕方ない塊が触れているではないか。
しかも、びくんと動いてきた。
気づけば、彼のそそり立つ肉棒は、彼女の両脚の間からひょっこりと顔を覗かせている。
「ひゃあっ……」
「ほら、このまま、俺が腰を動かすから、お前はそのまま感じてるだけで良いぞ……」
シグリードの両手は両乳房を掴んだままだ。
言葉通り、彼が腰を下から上に動かし始めた。
水が波打つとともに、彼女の嬌声が泉中に響き渡りはじめる。
「ふあっ、あっ、あっ、はっ、あっ、あ……」
何度も粘膜を擦りあげられ、ティナの頭は白んでいく。
「ああ、神子様は、どうやら後ろから犯されるのも好きみたいだな……」
「後ろから……ひゃあっ……そんな、好きなわけじゃあなくって……」
「俺には嘘つかなくて良いぞ……すぐにばれるからな……」
彼がきゅうっと乳房の先端をつまんできた。
「ひゃんっ……」
「何から何まで硬くしてこわばって……本当に俺の姫は可愛いな……」
(時々出る、「俺の姫」の破壊力がすごい……)
全身を火照らせたまま、淫頸で芽を擦り上げられながら、乳房をもみし抱かれ続け、どんどんティナの意識は遠のいていく。
濡れた肌同士がぶつかり合い、パチュンパチュンと湿り気のある音を鳴らす。
「あんっ、あっ、あ……あ、シグリード様……私、もうっ……ひゃう……」
「ああ……腰が振れてきてるな……ほら、もっと腰振っていいぞ……」
「やっ、そんなこと……してないっ……あっ、はふっ、あっ……」
ティナは羞恥の中、あえいだ。
擦られ続けた芽はぷっくりと腫れ上がり、はち切れんばかりだ。
「そろそろイって良いぞ……」
「ひゃあああんっ……!」
そうして、お湯の中、彼女の身体がビクビクと絶頂を迎えた。
震える身体を彼がいたわるように抱きしめる。
彼女の魔核はもう真っ赤だ。
背後で、シグリードが自身の巨大な器官をしごき、泉の中に吐精した。
「ああ、本当に、お前は何から何まで可愛いな……ティナ……俺にお前のもっと良い顔見せてくれよ……」
そうして、息の荒い彼女の顎を掴んだかと思うと、自身の方へと引き寄せる。
達したばかりの彼女にとって、キスだけで再度びくびくと反応してしまった。
「ふあっ……あ……」
「感じてる顔、そそるな……」
そうして、徐々に魔核の色が乳白色に戻っていく。
シグリードに魔力を渡せた証だ。
だが――。
「ああ、もっと舌を絡めてくれ……魔力が吸えねえからさ……」
――あれ?
ふと、ティナは気づいた。
もう魔核は乳白色に戻ってしまっているというのに……。
(もうこれ以上は吸い出せる魔力がないんじゃないの……?)
「ふえっ、あ……だって……」
「どうした? ほら、俺にもっと魔力を分けてくれよ……俺の可愛いティナ……」
彼が彼女のローズゴールドの濡れた髪に、自身の長い指を絡ませてくる。
激しい情事の後の優しい愛撫も続く。
「……なんで?」
「どうした?」
「いいえ……なんでもありません」
なんだか恥ずかしくて、それ以上は聞けなかった。
ただでさえ、彼女の身体は火照りきっているというのに……。
「そうか? 気になるな……まあ良いさ……ほら、ティナ、こっちむき直せ。キスできねえだろう?」
「は、はい……」
そうして、大人になった彼と彼女の唇が重なる。
しばらくくちゅくちゅと口付けを交わした後に、唇が離れる。
求め合った後の銀糸がつーっと伸びた。
それを見て、ティナの羞恥は高まる。
シグリードが告げた。
「何回口づけても飽き足りねえな……なあ、身体も清めたことだし、部屋に戻っても良いが……」
彼の蒼い瞳が熱っぽくティナを見つめた。
「泉に濡れて艶っぽいお前と……もっと口づけていてえ……」
ティナの心臓がトクンと高鳴った。
そうして――泉の中、二人の陰が重なった。
何度も何度も二人は、優しい口付け交わし続けたのだった。
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